眼の命を慈しむ(7/9) 逆縁の菩薩
今回の件で、三好先生から、「一目で人を見ぬく眼力、縁を見ぬく眼力、選択をする決断力、ご縁の力」の大切さを教えて頂いた。まだまだ自分には人徳の力、人を見抜く力、縁を掴む力の不足を痛感した。仏様のご配慮で、今回その不足を諭され三好先生に助けていただき、失明の危機を脱したようだ。仏様からもっと頑張れよと激励された気持ちである。
人の道
本来なら、2012年の手術は三好先生にお願いすればよかったのだが、既に手術日が2週間後と間近であり、手術をお願いしてある地元の先生の手前もあり、あの時点で予約済み手術のキャンセルは、人の道に反する。三好先生も口にはできない。そうなったのも自分の運命である。そのお陰で網膜はく離という「逆縁の菩薩」との出会いがあって、目の大事さ、当たり前に見えることの有難さ、「今が大切」が、身にしみて理解できた。それが、佛さまからの人生の教えであった。そのお陰で三好先生とのご縁ができた。
逆縁でもご縁
逆縁でもご縁である。そこから何を学ぶかで、今後の生き方が変わる。そのご縁は、仏様からの何のメッセージなのかを考えたい。ご先祖も仏様もあの世から直接には手を出せない。間接的に、病気、事故とか逆境で我々にメッセージを伝えているのだ。それをどう受け止めるかである。逆縁という縁を頂いたから、師の門を叩くのだ。そうでなければ出会えない師縁である。
眼の命の寿命を思い知る
白内障の手術を簡単に考えていたのが甘い考えであった。1週間ほど受験勉強に空白ができるが、直前に猛勉強で巻き返せばいいと安易に考えていた。左目の手術は無事に終わったが、手術1ヶ月後に網膜はく離を患い、ほぼ失明の状態が2週間ほど続き、受験勉強ができない時期が、受験直前の3週間にも及んだ。命は有限である。ところが体だけでなく、その部品である各器官にも寿命があることを思い知らされた。それを認識できただけでも、よい勉強となった。
愚かな人間は、見えて当たり前、聞こえて当たり前の世界がいかに「有難い」状態であるか、失なわないと分からない。勉強できるのも、生きているうち、働けるうち、眼の見えるうち、日の暮れぬうちを痛感した。
実績の凄さ
また、三好先生の手術の見学をさせていただき、人生の開眼ができ。先生の手術例52,000例と普通の眼科医の生涯手術件数2,000例の差を間近に見て、いかに自分の取り組みが甘かったかを痛感した。その道を極めるには、2倍3倍ではダメで、一桁違う精進が必要であると眼が覚めた。当時、国家試験の資格に挑戦中であったが、自分の受験勉強の取り組みの甘さを教えていただいた。
手術後に手術を終えた患者さんに言われた先生のお言葉「後は神様が直してくれる」は感動です。天の計らいには人智を超えた縁がある。
世界歴代2位達成
三好先生は2014年10月3日に、世界歴代2位の自院内での白内障手術件数50,000例(他院出張手術件数を含めると55,000例)を達成された。三好眼科では1988年4月に開院以来、2018年3月31日現在で、自院で60,738例、出張手術5,748例、合計66,486例 の白内障手術を行った。
2013年当時40人の病院のスタッフも、2018年現在は60名を超える。
世界歴代2位の白内障手術件数50,000達成のお祝い会で(三好先生より提供)
今回、眼を患って、馬場恵峰先生の書の中でもこれが一番、心にしみた言葉である。自分の命は勿論のことであるが、どんなモノ、プロジェクト、品物にも命がある。それを忘れてはならない。(2013年記)
この言葉が三好先生の座右の銘だと、この2018年4月号『BJビジネス情報』誌で初めて知った。(2018年4月記)
2018-04-29
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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