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2018年4月27日 (金)

眼の命を慈しむ(3/9) 千手千眼観音菩薩像

 三好眼科の新しい待合室には、松本明慶大仏師作の千手千眼観音菩薩像(2m)が鎮座され、多くの患者を優しく見守っておられる。

 

314k8a9361_2 松本明慶先生作 千手千眼観音菩薩像 三好眼科にて(2018年4月21日撮影)

千手千眼観音菩薩とは

 千手千眼観音菩薩は、「千手千眼観音」「十一面千手千眼観音」「千手千臂観音)」など様々な呼び方がある。「千手千眼」の名は、千本の手のそれぞれの掌に一眼を持つとされることに由来する。

 千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表している。観音菩薩が千の手を得た謂われを述べた仏典には、伽梵達摩訳『千手千眼觀世音菩薩廣大圓滿無礙大悲心陀羅尼經』がある。この経の中に置かれた『大悲心陀羅尼』は、現在でも中国や日本の天台宗、禅宗寺院で読誦されている。六観音の一尊としては、六道のうち餓鬼道を摂化するという。また地獄の苦悩を済度するともいい、一切衆生を済度するに、無礙の大用あることを表して諸願成就・産生平穏を司るという。

 一般的な千手観音像は十一面四十二臂が多い。四十二臂の意味については、胸前で合掌する2本の手を除いた40本の手が、それぞれ25の世界を救うものであり、「25×40=1,000」である。ここで言う「25の世界」とは、仏教で言う「三界二十五有」のことで、天上界から地獄まで25の世界があるされる(欲界に十四有、色界に七有、無色界に四有があるとされる)。俗に言う「有頂天」とは二十五の有の頂点にある天上界を指す。

 千手観音の尊名は、前述の通り様々な呼び方がある。日本の文化財保護法による国宝、重要文化財の指定名称は「千手観音」に統一されている。(この項、wikipediaより編集)

 

佛は体の営みで人生を教える

 自然の営みが声無き経を唱えるように、佛は己の体の営みで、人生を教えてくれている。上の口から入ったもの(生)は、必ず下の口から出て行く(死)。どんな美味なるものでも、体の中を通って出て行くときは、カスの便として排出される。

 どんな美人も人と生まれて人生を謳歌しても、不美人に生まれて悲嘆に暮れても、死んでしまえば髑髏である。皮一枚の出来不出来が美人、不美人を分けるが、死んでしまえば同じ髑髏である。人生で位人臣を極めてもいつかはその座を去り、この世を去らねばならぬ。それを千手観音菩薩は、髑髏を手に持って教えている。千手観音菩薩の下のほうにある手に持つものは、現実社会での道具を表し、上側にある手に持つものほど、佛に近い世界で使う道具を表している。莫大な財産を集めても死ぬときは裸で旅立つ。

33dsc01355松本明慶先生作千手千眼観音菩薩像(三好輝行先生蔵)20131025日撮影

34dsc01356 どんな美人でも、いくら位人臣を極めても、死んでしまえば髑髏である。

 髑髏を千手に持って、人の人生を教えている。

 

人生パイプライン理論

 人は母親の狭い経道を通ってこの人間界に生まれてきて、人生という長い管の中を通過して死の世界に向う。管から排出されたとき(死)に残るのは骸骨であり灰である。集めた金銀財宝は、単なる所有権であり死ねばチャラである。その人生管を通過する間に出来ることは、集めることではなく、降り注ぐ消化液(師の教え、ご縁)を最大限に活かして、いかに魂のレベルを高めて社会へ還元するかが問われる。良き食べ物が消化吸収されて体の活動エネルギーになり、体作りに作用するのと同じである。

 人生という暗い長いトンネルを抜けると、白い光に満ちた「幸国(天上界)」か、暗い地獄界が現れる。どちらに到達するかは、人生での積善の多寡の差で決まる。人生で何をやってきたかは、魂と体に刻み込まれている。

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  人生パイプライン理論図

 

人の犯す罪

 ご先祖から預かった体を大事にしなかった罪は、内臓が我慢の限界を超え反乱を起こすことで顕在化する。飽食で過ごした人生は、肥満、糖尿病、高血圧の結末である。その罪は目にも及ぶ。失明の原因の多くは糖尿病が原因である。全て自然の摂理である。

 笑いの少ない人生は、法令線が薄いという人相に現れる。人との付き合いを疎かにした結果である。出あった人にニコッと笑えば頬の筋肉が鍛えられ、彫りの深い顔つきになる。痴呆番組を見て笑わされて過ごした人は締まらない顔つきの人相になる。

 心身を鍛えてこなかった咎が、うつ病、精神病、認知症である。誰のせいでもない。すべて己の行動の積年の蓄積の結果である。

 拝金主義に侵された心は、金を集めても集めても満足できず、99%の富を1%の餓鬼が独占する修羅道にさ迷い込む。それは現代の名医でも直せない。バカは死ななきゃ治らないように、拝金主義に侵されると、何も言っても馬耳東風である。安易な金儲けに迷わされて、世界中が経済の病気に罹っている。佛が説く、足るを知る、利他の心の教えを思い出したい。

 

三好先生の天職

 千手千眼観音菩薩は、三好先生の生まれ年からみて守り本尊にあたる。三好先生の守り本尊が、千手千眼観音菩薩であるから、眼科医が天職であるのは間違いなかろう。三好先生は、多くの眼病に悩む人々を救う佛様のような立場である。それを使命とする仕事に就かれているのは、佛様の差配と思われる。

 

御心の具現化

 その佛様の御心を松本明慶大佛師は、千手千眼観音菩薩像で表現した。それを今回、私は三好眼科で、それも真近かで拝めることができて幸せであった。千手千眼観音菩薩像は患者の皆さんを優しい慈愛に満ちた眼で見守っておられる。その眼入れをされたのは岩田明彩師である。これは芸術作品である。

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 松本明慶先生作  千手千眼観音菩薩像  三好輝行先生蔵

 眼入れは岩田明彩師。優しい慈愛に満ちた眼である。

364k8a9359  見る角度によって表情が変わる。 2018年4月21日撮影

 

2018-04-27

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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