4.人財育成戦略
4-1.ネッツトヨタ南国の競争優位性
企業の競争優位性とは、ドメインの決定と資源展開で競争者に対して築く独自性である。競争優位性の源泉であるコアコンピタンスとは、経営資源を組み合わせて、企業の独自性を生み出す組織力である。コアコンピタンスは、長期間の継続的改善で構築される。
要件 ①多くの市場へ展開性を生み出す要素
②最終製品が特定顧客に貢献する要素
③競合他社にとって模倣困難性の要素
ネッツトヨタ南国のコアコンピタンスは、他社にない顧客サービスを提供する人財が主体である。一般的な自動車販売店にとって、他の販売店とそんなに設備で優位性や差別化を取れるわけではない。商品はカーメーカから提供されて独自性は生み出せない。新車を売ってもその利益は多くない。最近の経営の優れた自動車販売店は新車が売れなくとも、利益が出る体質に改革している。そのために、濃厚なせービスをする優秀な人財を育てれば、継続的に顧客に差別的(模倣困難性)のサービスを提供できる。それは下記要件を満足する。
①様々な市場へ参入できる。
②高級ホテル並みの顧客サービス(商品)が顧客に貢献できる。
③長年育成された人財教育システムには模倣困難性がある。
この競争優位性は人財の育成が基本となっている。そしてネッツトヨタ南国では新人の採用の段階からその取り組みがスタートしている。その取り組みは、他社から見れば隔絶した世界である。私が入社試験を受けても、とても採用されそうもない。競争倍率150倍。
4-2.良い会社作りの仕掛け
ネッツトヨタ南国は、目的を達成するため、現在の問題を先送りせず、「あるべき姿」=needs に目を向けた企業風土改革に取り組くんだ。下図のwantsでの×印を全面否定して、それ以外は受け入れる企業風土を育てた。
wants → needs
量 ←→ 質
目標 ←→ 目的
対処 ←→ 解決
感情 ←→ 理性
結果 ←→ プロセス
効率 ←→ 効果
×平等 ←→ 公平
近道 ←→ 回り道
×同僚が敵←→ 自分が敵(ライバル)
×反応 ←→ 主体
ネッツトヨタ南国は、入社した全員が「このネッツトヨタ南国で働けてよかった」と思える会社になるように、人財戦略(=経営戦略)を練り上げた。戦略とは、勝つために「何をやらないか」という「戦い」を「略す」る行動である。
良い会社にする仕組み
良い会社とは、社員満足度、顧客満足度、社会貢献度、継続的成長が良い
↑
就職人気企業№1とは人財育成力が抜群
就職人気企業№1=人間性尊重(自己実現を目指す)
↑
↓
動機(やる気)= 目的の明確化。好きなる。
↑
全員参画、重要な仕事を担当、自主性の尊重、創造的に対応、結果の明確な評価、継続的な挑戦
経営戦略の中心は人財作り。そのために何をやらないか
経営戦略 = 人財戦略(文化レベル向上・風土つくり)
そのために、組織図を作らない。上位下達をしない。多数決をしない。真似をしない。プロに頼らない。マニュアルを作らない。失敗をとがめない。できない理由を考えない。
2018-03-21
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
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