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2018年3月 5日 (月)

天狗行政による大垣市の末路

 元気ハツラツ市の目的は、大垣駅前商店街の活性化である。それが真逆の結果となっている。元気ハツラツ市は、大垣駅前商店街の活性化を目的に2011年から7年間で総額1億2千万円を使って開催されている。実際は商店街を衰退させることに気付いた商店主たちが改善を申し出ても、怨嗟の声を上げても大垣市は、耳を貸さず、運営方式も変えず、会計報告もせず、これが大垣駅前商店街活性化だと、強引に運営を進めてきた。

 その結果が、商店街の衰退(61%が閉店)と大垣市外の露店商の跋扈である。下図は2018年3月4日の元気ハツラツ市で、商店街の中心の新大橋から南方向を見た東西側の商店街の衰退の惨状と道路中央で繰り広げられる露店商の繁盛ぶりである。道路中央の露天には散歩客が多いが、商店街はシャッターを降ろした店ばかりで、人通りもまばらである。

 露店商からモノを買うと、問題が起きても保証が不明確だし、地面に並べた不衛生な商品を買うとは、自分が不衛生になること。モノを買うとは自分を買うこと。モノを売るとは、大垣市を売ること。大垣市が大垣市の品性を落としている。

1dsc01395  2018年3月4日10:55 元気ハツラツ市 新大橋より東側を南方向に見る

2dsc01390  2018年3月4日10:55 元気ハツラツ市 新大橋より中央部を南方向に見る

3dsc01392  2018年3月4日10:55 元気ハツラツ市 新大橋より中央部を南方向に見る

4dsc01393  2018年3月4日10:55 元気ハツラツ市 新大橋より西側を南方向に見る

芸の達人とは

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6dsc01373 2018年3月4日10:22 元気ハツラツ市で

 上記集団は、元気ハツラツ市で市政百年の宴に酔い痴れて暢気に謡っている。この人たちは、生活の足場である大垣舞台が背面のようにシャッターを降ろして滅亡寸前なのに、大垣市民として何も感じないのか。問題意識を持たないのか。自分達が大垣市の衰退に手を貸していることに気が付かないのか。芸は人の心に訴えるモノでないと本物ではない。観客数と舞台がそのレベルを示している。芸の修行とはその心と感性を培うものだ。芸の達人なら、物事の兆が見えるものだ。年長者のこの人たちは、何を修行してきたのか。

 

経営の失敗事例

 以上が、愚政としか言えない『大垣中心市街地活性化計画』の目玉政策の結果である。7年間で1億2千万円もの市民税を使って、一度もPDCAを回さなかった大垣市経営の失敗事例である。大垣駅前商店街活性化計画書では、かくれ空き店舗数を無視して大垣市の惨状をデータで誤魔化して成功を謳っている。大垣市長は、この祭りをダシに豪華な大垣市庁舎の建設を進めている。

 大垣市長は、ほぼ毎回顔を出して鼻高々に演説をぶっているが、大垣駅前商店街の惨状は見ないようにしているようだ。大垣市という組織体の経営者として、現実から目をそらすのは経営者失格である。

「視る目を以てすれば即ち暗く 視るに心を以てすれば即ち明らかなり」佐藤一斎 『言志四録』 138(2018年3月4日 恵那市岩村で発見した言葉)

 

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8dsc013772 2018年3月4日10:32 元気ハツラツ市の雛壇で

 「つまらん行事だな」と思っている顔のように見える。顔は嘘を言わない。

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 2018年3月4日16:14 恵那市岩村の商店の軒先で

うまい汁を吸う者たちの跋扈

 この愚かな行政が展開される中、天狗に隠れて誰がうまい汁を吸っているのだろうか。印刷業者、芸能プロダクション、タレント、露天商の斡旋業者、露天商、警備会社、大垣駅前商店街組合の店舗無し幹部達………かも。大垣駅前商店街の葬礼行進曲が流れる中、その者たちの高笑いが聞こえるようだ。

 

大垣市の末路

 声を上げるべき市会議員達も、何か利権でもあるのか何も言わない。御用新聞のような地元二紙も大垣市の批判記事は全く書かない。毎日の記事内容が、まるでお花畑の学校新聞の壁新聞である。商店街店主達は理事から意見を封殺されてモノが言えない。商店街店の青年達は、祭りに目が眩み、真実が見えず踊らされている。周辺の自治会の会長も市や組合から丸め込まれて、自治会員の声を封鎖している。子供たちが、元気ハツラツ市に日曜日に金儲けで駆り出されても、校長は予算と人事権を大垣市に握られているので、何も言わない。元気ハツラツ市の球技や水遊びで、子供たちの命が危険に晒されていても、大垣教育委員会は知らんふり。ヒラメの役人は市長の顔色を見るのに汲々としている。

 大垣駅前商店街がシャッター通り化して、駅前にマンション、予備校が林立している。駅前一等地に居酒屋の開店(昼間は閉店)が続き、もうじきピンクサロンが開店するだろう。大垣市政は稼ぎのネタを潰し、結果として金のかかる老人・介護の街になろうとしている。市税の収入が減り、地価が下がり、失業者が増え、出費が増える。大垣は終わりである。これが大垣市の末路である。市民が声を上げないと、大垣市は滅びる。

 

2018-03-05

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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