ドレスデン三重奏団来日
2018年1月7日10時27分、セントレアにドレスデン三重奏団が到着した。ドイツ出発時、2時間遅れとの情報が現地からあり、少し余裕をもって出迎えに赴いた。到着時は1時間遅れに巻き返しがあり、ちょうど良い時間に現地に到着してお出迎えが出来た。そうでないと定刻9時20分着だと、飛行場に8時50分には行っていないといけない。
彼らが乗ったルフトハンザ航空機が着陸して、45分も経ってからやっと到着ゲートから出てきたので、どうしたのかと心配をした。楽器を持参しているので、入国審査に時間がかかったのかも知れない。なお着陸時間とは、飛行機が駐機スポットに着いてドアが開いた時間である。実際に着陸した時間ではない。10分ほどの差がある。
浮世絵「鈴木春信展」
12時01分に名鉄電車で金山に到着して、金山スタジオまで彼らを案内した。14時半まで、彼らも飛行機の疲れを取るため少し休息をすることになった。私は、2時間程、時間が空いたので、金山の名古屋ボストン美術館で開催中の浮世絵「鈴木春信展」があることを思い出し見学した。なかなか、単独では見学に行きにくかった浮世絵展であるが、解説でご先祖・北尾道仙(1734年没)と同じ時代であると分かり、急に親近感を抱いて、当時の風俗を観察することになった。「鈴木春信展」は浮世絵の基礎を作った画家である。そうでなければ行かなかった展覧会である。これもご縁でしょう。
音合わせ
14時半から、金山スタジオにてドレスデントリオは、ピアニスト藤本真美さんと音合わせに取り組んだ。彼らの宗次ホールでの演奏会は1月12日である。私は写真撮影に没頭したが、至近距離3mから聴く三重奏団の迫力は、いまだかって聞いたことがない境遇であった。昔のサロンで演奏された室内楽の雰囲気とは、かくの如しと納得をした。普通の音楽ホールで舞台下の観客席からでは、決して体験できない音であった。
ピアノは計算されて緻密に作り上げられた楽器である。それに対して弦楽器は糸を張った弦をはじくことで音を出すので、昔から原理が簡単であるが故、多くの楽器が作られてきた。その内でもバイオリンは、体に抱えて自分の体の一部のように演奏する。そのため、今回真じかでバイオリニスト・ハイケさんの音を聞いて、目、口、顔全体の表情、腕、体全体の姿勢の変化から出る音の響きに感銘を受けた。目は口ほどものを言いとは、バイオリニストに当てはまる。4人の会話が、目の合図で成り立ち、演奏が進行している。その音楽の感情が、目、口、顔全体の表情、腕、姿勢の全体から伝わってくる。一音一音を出す姿勢に音楽性を感じた。室内楽で、それも至近距離からバイオリニストを100~400mmズームレンズで撮ると、見えてくる世界がある。
今回は、ビオラのアンドレアスさんが、位置的にカメラの後面からしか撮影できなかったので、その観察が少し不十分になった。翌日のソプラノ歌手金澤さんの音合わせでは、その配置を変えてくれたので、しっかり音が「観」えた。それは次回にブロブにて報告します。
Sound matching
From 14:30, at the Kanayama studio, Dresden Trio worked with the pianist Mami Fujimoto for sound matching. The concert at their Munestugu Hall is January 12th. I was concentrated in photography, but the power of the trio to listen from the very close distance 3 m was a situation I have never heard before. The atmosphere of the chamber music with the past played in the old salon agreed me. It was a sound that I could never experience at the ordinary music hall from the audience seat under the stage.
The piano is a musical instrument which has been calculated and drawn up precisely. On the other hand, string instruments give out sound by flipping strings that stretch threads, so many instruments have been made because of the simple principle since long ago. Among them, the violin is held in the body and played like a part of his body. For this reason, I was impressed with the sound of the sound from the change of the eyes, mouth, the expression of the whole face, the arm, the posture of the whole body, listening to the sound of Violinist Heike on this time. The eye say every things as much as the mouth, it applies to the violinist. The conversations of four people are made up of their eye signs and the performance is progressing. The emotions of the music are transmitted from the whole of the eyes, mouth, facial expressions of the whole face, arms and posture. I felt the musicality in the posture that puts out a single sound. In chamber music, when I take a violinist from a close range with a 100- 400 mm zoom lens, a new world appears I never had seen yet.
スケジュール
1月7日午前に日本着、午後、ピアニスト藤本真美さんと音合わせ
8日はソプラノ金澤澄華さんとの音合わせ
9日はピアニスト河村義子先生との音合わせ
10日は岡崎・宇野病院で演奏会
11日はピアニスト藤本真美さんと再度の音合わせ
12日は名古屋・宗次ホールでの演奏会
13日は大垣・クインテッサホテルで演奏会
14日は名古屋のレストランChez KOBEで演奏会、
15日は金山を朝一番の電車でセントレアに向かい、成田に向かう。
今回の来日スケジュールはハードです。音楽家は体力が勝負です。経費削減のため、日程に可能な限り演奏会を詰め込んだ感じである。物見遊山の時間はない。好きでないとできない商売のようです。今回の大垣での公演も協賛金が無いと赤字のプロジェクトです。私もこの大垣演奏会の主催者側の人間である。文化にお金を出す風土を、大垣市も考えて欲しいと切に願う。大垣市は文化活動には金をださない不毛地帯である。それで未来を背負う子供たちが育つのか。仲間達がなんとかせねばならぬと活動している。
私も今回は、彼らの演奏スケジュールの大半を撮影のために付き合うので、体力的に大変です。そのためこのブログアップが少し遅延することがありますが、ご了承ください。今回、ドレスデン三重奏団とのご縁が出来て私は喜んでいる。
2017年7日10:22 着陸態勢のルフトハンザ航空機 エアバスA340
2017年7日10:26 駐機場に向かってタキシング
左からハイケさん、ウルフさん、アンドレアスさん
2018-01-09
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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