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2017年12月18日 (月)

大垣市の衰退の兆(1/5)・責任逃れ

ドローン墜落人身事故の責任は大垣市

真因の推定と疑問点

 2017年11月5日にロボフェス大垣2017で起きたドローン墜落人身事故で、12月6日、国土交通省大阪航空局国交省が業者に厳重注意をしたとの報道があった。それで一件落着である。しかし、以下の疑問が残り、大垣市、国交省、警察署・業者との談合・癒着があったのではとの疑惑が残る。

 大垣市と同じである大垣観光協会が企画をして、指示をして、お金まで出して、現場立ち合いをして、そのイベントで起きた事故である。ドローン会社だけが告発されて、大垣市役所が刑事訴訟の対象にならないのはおかしいし、道義的責任は逃れられないはずだ。大垣市に大半の責任があると推定される。こんな責任逃れが許されていくようでは、大垣市民の命の安全はどうなってしまうのか。

 

事故の状況

 2017年11月4日、大垣市で開催中の「ロボフェス大垣2017」でドローン墜落事故が起きた。午後2時5分ごろ、上空から来場者に菓子をまいていた小型無人機「ドローン」(直径約85cm、高さ約55cm、重量約4kg)が約10mの高さから落下し、5~48歳の男女6人が額や肩を擦りむくなどの軽傷を負った。当時周辺には子供約100人とその家族ら計約600人がいた。このニュースは全国ニュースだけでなく、全世界にも発信された。

 ドローンは大垣観光協会側の委託を受けた各務原市のドローン製作会社「合同会社 空創技研プロペラ」代表櫻井優一氏(37)が操縦していた。櫻井氏は、国土交通省大阪航空局で今回の飛行許可を事前に得たと説明しているが、申請書類と実際のドローンは別の機体であったことが後で判明した。ドローンの飛行では、上空からモノをばらまいたり、大勢が集会している催し会場上空の飛行は禁止である。

 

ドローン運用ガイドライン

平成27 年11 月17 日 制定(国空航第687 号、国空機第926 号)。航空法第132 条の3の適用を受け無人航空機を飛行させる場合の運用ガイドライン(国土交通省航空局)。

飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合には、以下のルールを守ることが必要です。

日中(日出から日没まで)に飛行させること

目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること(目視外飛行の例:FPV(First Person’s View)、モニター監視)

第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること

祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと

爆発物など危険物を輸送しないこと

無人航空機から物を投下しないこと

※航空法に定めるルールに違反した場合には、50万円以下の罰金が科せられますので、ご注意ください。

 

状況証拠

(1)大垣市観光協会の位置づけでの大垣市の責任

大垣観光協会は大垣市の外部団体である。その職員の多くは大垣市役所からの出向者であり、予算は大垣市から出ている。つまり、大垣観光協会は大垣市に人事権と予算を握られた民間企業的に言えば、連結決算に含まれる子会社なのだ。だから大垣観光協会の職員は、大垣市役所職員と同じである。だから大垣観光協会の職員は大垣市の市長の顔色をみて仕事をしている。大垣市に対して成果を上げなければならないプレッシャーがあるはずだ。その仕事での人身事故が、大垣市に責任がないわけがない。

(2)大垣市の管理監督責任

 当日の事故があった午前中に、業者はドローンを使って4回も菓子まきをしている。テスト飛行も10回もしている。それには大垣市関係者も立ち会い、。目撃もしたはず。ドローンでの菓子まきが違法であるので、それを止めさせる義務が立ち合い者責任者にある。中学生でも分かる話である。

 大垣市に提出したはずの飛行申請書のドローンと実物が違っていたのを、担当者はチェックしないのは、業務遂行の怠慢である。業者がいいわけしているような「勘違い」のレベルではない。大垣市の入智慧による書類偽造も疑われる。このイベントは人の命に係わる業務である。業務上過失傷害罪である。管理監督不行き届きである。

(3)大垣市の宣伝記録からみた責任

 「ロボフェス大垣2017」の大垣観光協会のHPで、「菓子まき」を宣伝している。大垣市某高官が「大垣市が業者に菓子まきを指示するわけがないだろ。業者が勝手にやってんだ」と関係者にわざとらしく言い訳をしている。しかし、大垣観光協会のHPで菓子まきを宣伝している以上、大垣市が菓子まきを指示、もしくは承認していないとは、否定はできまい。大垣市の責任は免れない。行事の主催者の大垣市は、その行事に全責任を負うのが社会の常識である。

 ご丁寧に、菓子まき用のケースを取り付けたドローンの全景写真をHPで掲載している。それを知らない大垣市某高官は愚かである。こんな人に大垣市民の命を預けていいのか。

 その宣伝文章にある「伝統の”菓子まき”がドローンと結びついたユニークなアトラクション!大垣公園にて開催。」との文言は大垣市と違い、その伝統のない各務原市の業者は考えつかないはずだ。これは大垣の伝統を踏まえた大垣観光協会でしか思いつかない。

 このHPの中止案内でも、「都合により」とあくまで責任逃れの文体である。伝統ある菓子まきを機械にさせる発想が貧困である。神仏への冒涜である。

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 図1 ロボフェス大垣2017のHP(大垣観光協会)

(4)業者への指示という犯罪

 マフィアのドンがある人物の殺害を手下に指示したら、その犯罪責任は、ドンにある。同じように、お上からみたら「手下の」業者に菓子まきを命令して、人身事故が起きたら、大垣市に責任があると同じである。零細企業の業者が勝手に、莫大な費用の掛かる装備を発注して、ボランティアとして菓子まきをするわけがない。ドローンで菓子まきをする業務にも業者の人件費がかかっている。だれが負担するのか。大垣観光協会である。つまり大垣市役所である。

(5)ホームページの履歴 

ドローン業者は全面降伏で、平謝り状態であるが、そのホームページに菓子まきに宣伝ページをそのままで、その履歴は残ったままにして、法律違反の菓子まきの受注活動をしていたとの証拠をホームページに残したままにしている。【今後の出演】「現時点では特に予定はありません」との表示は意味深長である。あえて行政に対して大垣市が注文したという証拠を残すため、抗議として残していると私は解釈した。つまり、菓子まきは正規の業務として、大垣市から受注して、正規の料金を受け取っていた証拠である。大垣市が違法であることを知りながら、菓子まきを発注して、ドローン業者に市民税からのお金を払ったとしか考えられない。超零細企業のドローン会社が、無償で菓子まきをするわけがない。それでは会社経営が成り立たない。

(6)ドローン製造会社から見た大垣市の責任

 業者は菓子まき用のドローンの下に取り付けるボックスを特注して設計、製作している。そのボックスを付けたために荷重が増加したので、プロペラも新設計・新作をしている。膨大な製造コストである。依頼者に費用を負担してもらわねば、超零細企業の合名会社「空創技研プロペラ」が遂行できるわけがない。

 菓子まき用のボックスを金属で造ると、重量が増えるのでプラスチックで造っているようだが、その設計費、金型費用は半端ではない。百万単位のお金がいる。事故を起こした超零細企業のドローン製造会社が慈善事業でやるわけがない。大垣市の指示、費用負担があって初めて運営できる。その菓子まきをするため、ボックスの蓋を遠隔操作で開閉する仕掛けを作る必要がある。そのテスト費用を含めても膨大な費用がかかっている。ドローンを改造して、遠隔操作で蓋を開閉して菓子を落とす仕掛けには、精巧な仕掛けのボックスと操作のソフト、操縦装置も作らねばならない。業者が勝手に「善意」で、無償(多大な経費)でやれるようなレベルの仕事ではない。市の費用負担と命令があってしか設計も制作も、菓子の購入も、それをまくという作業は、大垣市の許可がないとできるはずがない。それも事故前の午前中に4回も菓子をまいている。その時、大垣市の職員が立ち会っている。違法なのに何故、大垣市職員は黙認したのか。だから大垣市の関与は否定できない。その責任は発生する。

(7)「広報おおがき」での大垣市、市長の言い訳

 大垣市広報で「けがを負われたかたが出たようです」、「今後は安全に努めてまいります」と付け足しのように言い訳をしている。以上から最低でも道義的責任があるのに、あまりに無責任な発言である。完全に責任逃れをしている。責任が全くないなら、ドローン墜落事故への言及の必要はない。

(7)マスコミ報道に見る大垣市の関与

 なぜ地元の新聞では「空創技研プロペラ」の名が表に出ないのか。なぜマスコミでは大垣市の責任が全く表に出ないのか。なにか裏で情報操作されていると勘ぐってしまう。朝日新聞の慰安婦事件のねつ造や、CNNのフェイクニュース、TBSの偏向報道に見られるように、私にはマスコミが信用できないのが今の心境である。

(8)マスコミ報道内容の疑惑

 今回のドローン墜落人身事故の記事で、岐阜新聞、中日新聞、日本経済新聞、読売新聞、産経ニュース、朝日新聞、毎日新聞、北海道新聞、名古屋テレビ、yahooニュース、の各記事を調査した。

 不思議なことに、大垣観光協会や大垣市役所の責任を問う記事が一つもない。業者の社長が、申請書類を間違えたことばかりに焦点が当たっている。裏でなにか情報操作をしているとしか思えない。

(9)大垣市役所内の記者室の背景

 大垣市役所内に、大垣市長室のすぐ近くに「記者室」がある。そこで記者が控え、休息をしているようだ。常識として大垣市役所からお茶くらいはでるだろう。新聞記者は、大垣に関する記事の情報も、秘書室からもらわねば、記事が書けない。情が移らないと言えば嘘になるだろう。地元紙を見ていると、ヨイショ記事としか思えない内容の記事が目に付くことが多い。もっと市民の命に係わる問題を見て欲しい。

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図2 記者室のすぐ向うが大垣市長室(大垣市庁舎)

 

(10)業者の業務遂行レベル

 この会社の自治体向け業務宣伝のHPの紹介文を見る限り、レベルの高い会社ではない。この社長の紹介文書は、論理的でなく、お粗末な子供の文章である(空創技研プロペラのHPを参照)。テクニカルライティング的には落第の文章である。社長の顔写真を見ると、お人よしの憎めない人相である。きっと警察に追及されれば、簡単に罪を認めてしまい、大垣市の責任までを抗弁する能力はないと見られる。警察に誘導尋問されて、全て自分で罪を認めてしまったのだろう。警察も落としやすい程度の人間であったはずである。まんまと大垣市は、ドローン製造会社の社長に罪を全て押し付けてしまったと推定される。

(11)各務ヶ原、大垣市の企業の癒着の疑念

 事故を起こした業者の会社の所在地は、岐阜県各務原市テクノプラザ1丁目1番地「VRテクノセンター3F」内とある。この団体は各務ヶ原市の管轄のようだ。大垣市や関連企業と連携して、暗黙の圧力をかけたかも知れない。事後の経過を見ると、それさえ疑われる。

 「VRテクノセンター」の出資会社 (38社)は、岐阜県、独立行政法人中小企業基盤整備機構、各務原市、中部電力(株)、 (株)十六銀行、セイノーホールディングス(株)、川崎重工業(株)、 大日本土木(株)、富士通(株)、三菱電機(株)、(株)大垣共立銀行、岐阜信用金庫、(株)トーカイ、富士変速機(株)、シンクレイヤ(株)、(株)市川工務店、カヤバ工業(株)、岐阜県金属工業団地協同組合、岐阜車体工業(株)、(株)Japanエアロ インスペクション、 レシップホールディングス(株)、シーシーアイ(株)、三井住友海上火災保険(株)、清水建設(株)、ソニーイーエムシーエス(株)、太平洋工業(株)、(株)インフォファーム、天龍ホールディングス(株)、(株)アシストエンジニア、(株)トーエネック、(株)ナベヤ、(株)丸順、武藤嘉商事(株)、山崎建設(株)、(株)セガ、川崎岐阜協同組合、大日コンサルタント(株)、中部事務機(株)である。

 「VRテクノセンター」の出資会社は、大垣市の企業や大垣市に関係する企業も多く、何らかの圧力をかけやすい状況と思うのは、考え過ぎだろうか。事故を起こした会社が、今後の仕事をしていくうえで、関係会社から言い含まれ、大垣市の責任が及ばないように全ての責任を受けるため、何らかの取引があり、見返りがあったかもしれない。その圧力はかけやすいし、ありうる事態だと私は推定した。証拠はなく、あくまで推定の域である。推定有罪である。

・論理式での判断

 論理とは数学である。考えられる項目を足し算して、その結果の総合判断で、その事実の善悪を判定する。それが論理構成での思考である。

 

 観察事項1 大垣観光協会の位置づけ       ×

 観察事項2 大垣市の管理監督責任        ×

 観察事項3 「ロボフェス大垣2017」HPから見た関与 ×

 観察事項4 「伝統の菓子まき」との文面     ×

 観察事項5 大垣市高官の関与否定の虚偽発言   ×

 観察事項6 業者への菓子まきのイベント指示   ×

 観察事項7 業者のホームページの履歴      ×

 観察事項8 菓子まきの装置の開発、資金提供   ×

 観察事項9 「広報おおがき」の大垣市長の言い訳 △

 観察事項10 マスコミの報道の偏り        ×

 観察事項11 大垣市役所内の記者クラブから見て  △

 観察事項12 ドローン業者のレベル        × 

 観察事項13 各務原市と大垣市の繋がりと癒着疑惑 △

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+)    結論「大垣市に責任がある」

 

論理から導かれた結論

 大垣市役所のドローン墜落人身事故に対する責任は、免れられない。一歩譲っても、道義上の責任はある。某大垣市高官のように、責任がないと知らん顔をするのが異常である。大垣市として全く謝罪がないのは、大垣市民を愚弄している。業者に全ての責任を押し付ける大垣市役所は狂っている。

 2017年12月15日付「広報おおがき」の「市長のかがやきメール」でも、大垣市長は、本件からひたすら逃げ腰である。本件の総責任者である大垣市長のお詫びも謝罪もないのが異常である。責任を全て業者に押し付けているようだ。

 大垣市民の人命軽視の行事を頻繁に強行している現状の大垣市政は、近い将来に死亡事故を起こす恐れがある。大垣市役所を統括する今の大垣市長に大垣市民の命は預けられない。

 取るべき責任を放棄する政治が横行すると、モラルハザードを招き腐敗と堕落の行政に落ちぶれて、ますます大垣の衰退が進む。破れ窓理論の展開となる。大垣市役所の誰も責任を取らない今のままでは、無責任な行事が続き、いつかは死亡事故が起きる恐れがある。それを私は一番恐れる。

 2017-12-18

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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