道路行政の無策、年間23億円の経済損失
大垣市は道路行政が無策である。その象徴として大垣駅前の交差点の問題解決としてその改良が最優先であるが、改善する計画さえ影も形もない。大垣駅前の東西に延びる市内貫通の基幹道路は、大垣経済の大動脈である。東は国道258号線から西は木戸アンダーまで、約1.5キロが片側2車線、両側で4車線の大動脈である。ところが、その一番重要な基幹道路の中央部に位置する駅前交差点で、その道が2車線から急に1車線に狭められていて、いつも大渋滞なのだ。
月に1回の頻度で「元気ハツラツ市」が開催されると、駅前から南北の走る基幹道路を封鎖するので、車は南に通行できないので、さらに大渋滞となる。それが毎月のことで、大垣経済を大混乱に陥れている。大垣市長は、その問題点に全く関心がない。
Googlemapより
問題1.高屋町交差点設計ミス
問題点は、3点ある。その第1が、大垣駅前の高島交差点の設計が、欠陥交差点であること。明らかな交差点設計ミスである。この交差点で、1キロ弱を快適に走ってきた車は2車線から1車線に絞られて、車線変更を強いられて、駅前の交差点で大渋滞となる。これは明らかな道路設計ミスである。
これは昭和40年代に建設されて以来、50年間程も大垣行政により放置されてきた。小川敏小垣市長の時代でも、17年間も問題放置である。
この位置で急に1車線になる。右折の車は少ない。大垣市高屋町交差点
2017年11月22日09:57
大垣市高屋町交差点 中央部よりみて 2017年11月17日13:27
問題2.元気ハツラツ市で基幹道路を封鎖
第二の問題点は、大垣経済の命道である駅前通りを毎月封鎖して愚かな「元気ハツラツ市」や「まるごとバザール」を開催して、大垣経済を混乱に陥れていること。東西から走ってきても、南に行けないので、さらに渋滞の原因となっている。今まで2車線で走ってきて、急に1車線になるので、慌てた運転手の割り込みで大混雑である。
さらに「元気ハツラツ市」を開催しても、県外、市外の業者は儲かるが、大垣商店街は儲からず。衰退の一途である。愚かである。
雨の日に「まるごとバザール」が開催されて、さらに大渋滞
2017年11月18日08:45
2車線が1車線に狭まって、割り込みもあり大混乱
2017年11月18日10:07
問題3.高屋町交差点だけで経済損失は年間23億円余
他の南北を通る基幹道路の経済ロスを試算すると100億円に迫る
この基幹道路の首に当たるところが絞られているので、朝夕のラッシュ時は大渋滞で、信号を抜けるのに2回くらい信号を待たねばならない。「元気ハツラツ市」等で南行きが道路封鎖されると、大大渋滞で、この交差点を通過するのに優に20分は時間ロスとなる。
単純計算で、2017年11月30日(木)朝8時半頃の通行を測定したら1分で18台の通行量であった。トヨタ生産方式で1分100円の原価計算で、その経済損失を計算すると(実際は、朝夕のラッシュ、「元気ハツラツ市」等での大渋滞は計算に入れていないので、もっと大きいと推定)、約23億円の経済損失である。
18分×2回×18時間×365日×100円=23,652,000円/年
その分の大垣経済の活動が阻害されている。その他にも、大垣市を南北に縦断する道路が国道258線だけが片側2車線で、それ以外は、室村町アンダーパス、林町アンダーパスは1車線で、朝夕のラッシュ時は大渋滞である。またアンダーパスという心理的トンネル効果で、さらに大渋滞を引き起こしている。本来、もう二本の南北の片側2車線の基幹道路が必要である。それらを含めると、年間100億円に迫る経済損失ではないか。これでは大垣が衰退するのも故あること。
トヨタグループがトヨタ生産方式で取り組んでいるのが、時間効率である。その象徴がカンバン方式である。大垣の道路状況では、カンバン方式が破綻する。トヨタグループは絶対に大垣市に工場を建てない。トヨタは1秒の節約の積み重ねで、世界一になった。地道な改善の積み重ねである。大垣市は、それが50年間程も時間ロスの病巣が放置されたままになっている。これでは大垣市は他市に経済力で勝てない。新しい工場もやってこない。また、その時間分だけ、家庭団らんの時間が大垣市の無策のために強奪されるのだ。人生においても、経済活動でも、時間は命なのだ。大垣市はそれを蔑ろにしている。
室村アンダーパスの夕の渋滞状況 2017年11月8日17:29
室村アンダーパスの朝の渋滞状況 2017年11月9日07:29
問題4.大垣市長の問題意識の欠如
第4の問題点は、それに対して大垣市長は、何の問題意識も持っていないことが、最大の問題である。問題意識が無いから、将来も改善する計画さえない。それが大問題である。大垣市長は、大垣の未来の道路行政がなく、大垣の基幹道路の未来を見通す能力が無いので、その結果として大垣の未来を見据えた道路ビジョンを描けないのだ。
挙句の果てに、最優先で取り組むべき交差点改良を自身の治世で17年間も放置して、その交差点の横に「カメの池」という目先の懐古趣味の見栄えだけの市街地整備に多額の金を投入している。ますます大垣経済を地獄に陥れるつもりである。大垣市長は経済音痴も甚だしい。愚かとしか言いようがない。ご丁寧に、その平成30年3月の完成予想図を見ても、交差点の改良の気配は全くない。看板での交差点の絵では1車線のままの図が描かれている。カメの池の復活だけを、得意げにうたい上げている。大垣市長は、大垣経済の活性化など知ったことではないのだ。それが大看板に示されて、大垣市長の経済音痴ぶりを誇示している。
カメの池の計画宣伝。完成図を見ても車線の改善はない。
大垣市長よ、カメによりも大垣市民に愛をくれ。
改善案
交差点の地下道を改造して、交差点を広げ、単に1車線を2車線にするだけである。老齢化が進む大垣市で、地下道は老人には危険で辛い通路である。現在は、この交差点がスクランブル交差点に改善されたので、ほとんど誰も地下道を利用していない。地下道の開口部の占有場所を変更すれば、簡単に道路は拡張できる。
本来、大垣市が主導権を持って改善に取り組むべきだが、今までの経過を見ると全くあてにできないので、大垣の大企業、特にこの近辺の平和堂、大垣共立銀行、十六銀行が、社会貢献として、陳情なり嘆願書なりを県の行政に働きかけをすべきだと思う。他の大垣の大企業も応援すべきである。通勤する社員の全てに恩恵を受ける案件である。それが間接的に、自分の会社の業績向上に貢献する。
問題の真因
問題解決は、それを実行する決断だけである。後は自動的に予算を付ければ済む話である。それがなぜ数十年間もできないのか。何故計画さえないのか。大垣市民として情けない思いである。この問題の真因は、行政に「人」がいないに尽きる。大垣の未来を見据えて大垣市の未来設計図を書ける政治家がいない。チャラチャラしたイベントや見栄えだけの市街地整備だけを得意げにする政治家がのさばるようでは、大垣市経済は地獄に落ちる。現実は、もう半分は地獄に落ちている。大垣駅前商店街の61%がシャッターを下ろした。大垣市は無為無策である。そのツケは大垣市民と子供達が払うのだ。何とかせにゃ、と私は悩んでいる。
2017-11-30
久志能幾研究所 小田泰仙 e-mail : yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp
HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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