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2017年9月 3日 (日)

大垣市の衰退を防げ

大垣市衰退の兆し

  現在、大垣市は、駅前にマンションの林立しつつある。それは大垣市衰退の兆しの現象である。駅前のマンションの住民の1/3~1/2という多くは(推定)、名古屋市に勤めている。名古屋市に住むよりも、32分で名古屋駅に行ける大垣駅前のマンションを購入したほうが、利便性が良く、安く購入出来て、資産価値が高いからだ。そういう人たちはいわば越境の名古屋市民である。定期があるので、大垣で買い物をしない。学校など生活の負のインフラ経費だけを大垣市が負担することになるが、正の生産財は、名古屋市経済圏に持って行かれる。負の経費は、駅前マンションの恩恵を受けない他の大垣市民が負担する羽目になる。駅前にマンションが建つと、その分の大垣駅前の商業施設の面積が減少して、市の商業の活性化が削がれて、益々、大垣市民の多くが市外や郊外や県外に商品を求めて買い物に行くことになり、ますます大垣駅前商店街の衰退を加速させる。悪魔のサイクルである。

 

なれの果て

 大垣駅前商店街が衰退すると、大垣市の税収が減り、市のサービス品質が低下する。駅前に買い物や食事に来ても、多くのお店がシャッターを閉めている荒れ果てた情けない姿を見る羽目になる。大垣市は、駅前の商店街への見栄えの投資ばかりで、活性化につながる政策はしない。まるでお化粧だけして、勉強をしない頭が空っぽな学生と同じである。学生は学力がなければならない、商店街はお客がたくさん来て稼がなければ、存在意味がない。

 

越境の名古屋市民

 駅前マンションの住民は自治会に入らず、大垣市に属さない体制となっているので、大垣市の住民との意識が希薄になっていく。大垣市がマンション建設を承認した時、業者から大垣市の自治会への入会の約束を取らなかった怠慢の結果なのだ。駅前マンションの住民は、いうなれば越境の名古屋市民である。大垣市や大垣駅前商店街の衰退など知ったことではないのだ。

 マンションを建てるなと主張しているのではない。住居用のマンションは、住宅地の最適の場所に建てればよい。駅前にマンションを建てることは、大垣市の都市計画として最悪の立地である、と説明しているだけである。

 

駅前にマンション林立の原因

 その原因は市の活性化を全く視野にない現大垣市長の怠慢にある。ヤナゲン(平和堂)が耐震強度の関係を含め老朽化したB館を、新たに建て替えようと回りの土地も含めて大きな店舗を計画したが、隣の地主が土地を手放さないので、平和堂のトップが大垣市長に市として大垣駅前商店街の活性化として、その調停をお願いに行ったら、「行政は民間のことには口を出さないので、当事者同士で解決して欲しい」とケンモホロロであったという(伝聞)。それで埒が明かないので、やむなく跡地をマンション業者に売ったという。その結果が、ヤナゲンB館跡地への新マンション建設である。ますます大垣市駅前の衰退が「恥じ」まる。現大垣市長は、市の経済活性化には貢献しない立派な市庁舎の建設に精力を注ぎ、市経済の活性化には目を背けている。「今の大垣市長はなにもしてくれないね」と商店街の店主の怨嗟の声が満ちている。ヒラメの役人もその声に耳を貸さない。企業経営でも、立派な本社ビルが建つと、その企業の衰退が始まるというジンクスが有名である。

 

節約という頑迷妄信

 大垣市長は投資と節約の区別が理解できていないようだ。これは日本政府の安倍首相も同じである。節約を大義名分として国内に投資をしない現政府が、日本の経済成長の足を引っ張っている。国内インフラに投資しないので、他のアジア諸国に経済競争で負け始めている。空港整備、湾岸整備、高速道路、高速鉄道、高速通信の整備の金がかかるが、節約といって投資をしなければ、経済の国際競争で、海外企業に負ける。学生の学業と同じで、勉強(投資)をしなければ、学力(経済競争力)が付かず、上の学校に行けない、受験戦争で負ける。それと同じことが、節約を前面に打ち出して投資をしない大垣市の経済でも起きている。必要なお金を作るのが政治家の仕事である。予算を取るための説得資料作成が大変だと、やるべきことから逃げ回っている。大垣駅前の商店街が衰退して、大垣市民が名古屋市に買い出しに行く羽目になる。大垣市長の怠慢で、名古屋駅前の商店街が勝者となるのだ。

 長たるものは、やったことへの責任は当然であるが、やるべきことをやらなかったことにも責任を取らなければならない。

 「会社でも国家でも、指導者に人を得なければ、混乱し、いずれ衰える」(松下幸之助翁)

 

政治の怠慢の行き着く先

 大垣市の「大垣駅前通りの活性化」を過去多くの政治家が唱えて続けて、はや50年が過ぎた。その間、どんどんとお店のシャッター通り化が進んでいる。市がリーダーシップと取る具体的な活性化の方策をさぼったから、当然の最高の結果として駅前の商店街の衰退となった。目の前の結果が全てである。平成29年度大垣市の予算計画を見ると、「快適で機能的なまちづくり(都市基盤)」で、駅前商店街の活性化の具体的予算はない。活性化に思しき予算は、下記の項目であるが、50年前から活性化と言いながら、何をいまさら、「郭町東西街区事業化推進調査事業」なのか、である。

 

・市街地再開発事業           (単位:千円)

   市街地再開発準備組合等運営補助金    300

   郭町東西街区事業化推進調査事業   53,400

 

図1 駅前に立った新マンション

  駅前の一等地に建てた付属の商業施設が中途半端なので、テナントに学習塾、医院、クリーニング店、夜の飲み屋しか入っていない。空き店舗も多い。これでは、駅前商店街の活性化はできない。最初にボタンをかけ間違っている。

図2~5 「元気ハツラツ市」(大垣市駅前商店街 2017年9月3日 15時)

  元気ハツラツ市で、多くの歩行者がにぎやかに歩く中でシャッターを下ろした商店の多さが目に付く。錆びのあるシャッターが目に付き、大垣市民として、他市の人に恥ずかしい。

 

2017-09-03

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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