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2017年9月21日 (木)

「桜田門外ノ変」の検証 (25)文書道

現代に繋がる井伊直弼公との縁

 テクニカルライティグのご縁

 2004年3月11日、テクニカルライティングの世界的権威であるミシガン大学スチーズンソン教授との再開の機会があり、その席で、彦根市とミシガン大学のあるアナーバー市が姉妹都市であることを初めて知った。このアナーバーには1994年と1997年の2回、計20日程滞在したことあり、ずいぶん縁と言うのは深いもので、いかにそれに気付かず過ごしているかと感慨を新たにした。

 私のテクニカルライティングの師である早稲田大学の篠田義明名誉教授は、アナーバー市の名誉市民でもある。1994年に初めて私はアナーバー市の地を踏んだ翌年、先生は長年のテクニカルライティングの普及の功績で、アナーバー市の名誉市民の栄誉を受けた。深いご縁である。私がこの面の能力を身につけるきっかけも、篠田先生との出会いが縁である。先生の講義はまさに私にとって衝撃的なメッセージとなり、この面の勉強を始める縁となった。コミュニケーション力とは、データmと加速度αで伝える力Fが決まる。それを実感させて頂いた講義であった。その先生も2004年、古稀のお祝いを受けられた。

 

文書という武器

 昔の武士は刀で戦った。現代のビジネス戦士はペンで戦う。ペンは刀より強し。文書はときには人を切り、情報戦争の上で戦いの武器ともなる。その武器としての文書構成方法がテクニカルライティングである。その技法を学んだご縁は、その後の仕事に大きな力となった。新人教育の講師としても、この文書作成手法や文書デザインを新人に教えた。

 

事例:大垣駅前商店街の衰退研究

 多くの人に事実を伝えるのは文書の力である。その伝え方には、「道」がある。何が問題か、何が原因か、真因は何かを明確に論理的に展開して、伝えないと、相手に伝わらない。論理性がないと、声を大きくして相手にえても、相手の心にしていない。こちらの情報が、相手に伝達されないのだ。その真因が何かを明確にして追及しないと、対策もポンボケとなる。現在、大垣駅前商店街の衰退について研究している。今まで漠然と衰退を議論して、大変だ大変だと騒いでいても、具体的な現実のデータと原因と対策で示さないので、無責任な為政者が動かない。相手も責任逃れに必死である。

 

論理的な解決策

現状把握

 どれだか商店街が衰退したか、そのデータを示す。

  現在の閉店数の調査、図示

  公式データで、実際の状況を明確にする。

  産業従業員数等で、時間的な推移を示す。

 視える化

  話しだけではなく文書で視える化して、冷静に解析する。

 何が原因か、「何故なぜ?」を5回繰り返して追及する。

 真因の追及

  表面的な原因ではなく、真因を明確にする。

  対処療法ではなく、真因を明確にして、手を打つ。

 責任の明確化と対策

  曖昧に責任の所在を明確にしないから、解決ができない。責任者は多額の報酬をもらっていて、多くの人の命・生活を守る責任がある。それを個人攻撃になるかと遠慮して、曖昧にするから問題が解決しない。

 責任者とは

  責任者とは決断すること。責任者とは主座である。責任者には、報酬に見合った大きな責任が発生する。それを曖昧にするから、ますます大垣市が衰退する。責任者には、大垣市民の生活と命がかかっている。

 

大垣市の開国

 井伊直弼公が、米国のペーリ総督の黒船の大砲の武力という脅しで開国を迫られた。井伊直弼大老は開国という正しい選択としたが、桜田門外の変で、世界情勢を理解できない偏狭的な日本人に殺された。敵は本能寺、である。現代の我々ビジネスマンは、危機状態に論理的な対応しないと、身内に殺される。今は、敵は外国や県外の商人ではなく、事なかれ主義の何もしない市の役人が、我々の敵なのだ。何もしないし声も出さない、サイレント殺し屋である。業務改革では、何もしないのが最大の罪なのだ。市民が声を出さないから、大垣駅前商店街が静かに20年かけて殺される。もう商店街の61%が殺された。自分の城は自分で守れ。自分達も改革しないと生き残れない。

 図1 『武道としての情報設計』

2017-09-21

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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