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2017年8月30日 (水)

仕事の目的

 仕事とは、生きる目的と生きる糧で構成される。松本明慶先生曰く「私は、みほとけを謹刻することによってのみ生かされている」

 アウシュビッツやシベリアの極限状態では、生きる目的を持った者だけが生き延びた。生き延びるとは、ご先祖から頂いた命を全うすること。私の父もシベリア抑留から生き延びて帰国した。それで今の私の生がある。零下30度の極寒労働地、極貧の食事、劣悪な極酷の労働条件。朝,目を覚ますと若い戦友が隣のベッドで冷たくなっている。半分の戦友がシベリアの土に消えた。アウシュビッツでは20人に一人しか生き延びられなかった(致死率95%)。シベリア抑留開始の初期は、ロシア側の準備不足があり、致死率は80%にも達した。最終的には10%の致死率である。しかしその極限条件下でも生き延びた人達がいる。下記はドイツ強制収容所から生還し、その体験を記した『夜と霧』の著者(心理学者)、ヴィクトル・E・フランクルがとった行動である。

 

◇ 働ける体であるように見せる   働けなければ、自動的にガス室行き

  常に若く見えるように、立ったり歩いたりする時は背筋をピッと延ばしていた。

  若く見えるように髭を毎日剃った。

  最後のパン一切れを人に与えても、ガラスの破片で髭を剃ってもらった。

   病気にならない           病人になれば、自動的にガス室行き

◇ 常に未来を信じる   将来、講演会で自分が演説している姿を思い浮かべた。

◇ 収容所でのしみは意味があると認識 無意味だと生きる価値が無い

◇ 愛する人との魂での会話

◇ 感動を失わない                 沈みゆく太陽の夕焼けの風景に感動

◇ ユーモアを失わない             自分を見失わない魂の武

 

 現代でも、経営者の判断ミスで経営不振に陥り、リストラをする企業が氾濫する。リストラをしないと会社が倒産する。その時、中間管理職としてトップの指示で誰の肩を叩くかの選択に迫られたとき、上記の項目に当てはまらない部下が目に付くのではないか。アウシュビッツもシベリア抑留も決して過去の話ではない。今、リストラされれば、中高年者では、再就職は困難を極める。そうなれば年収200万円の貧困層に落ちぶれる。

 

仕事の意味とは

 下記資料は新人教育講座「修身」の一部である。この講座は2002~2005年、私が思いを込めて開設をして、講義を続けた。若い人に、我々が生み出すべき付加価値は何か、何のために働くのか、等の日本人として当たり前の価値観を自覚してもらうためである。しかし2006年、会社が対等合併(実質は吸収合併)となり、合併相手会社の出身の上司が成果主義・拝金主義に染まっていたため、この講座の実施が禁止された。「(金儲けに関係ない)余計なことは教えるな。時間の無駄だ」である。エゲツナイ体質が伝統の合併相手先会社の事業部は、私が会社を去った2年後、業界カルテル問題が露呈して、欧米へ多額の課徴金を支払うことになった。

 

2017-08-30

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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