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2017年8月31日 (木)

飽食という名の認知症

 その昔、学校で悪さをすると、罰として水の入ったバケツ2杯(約10kg)を持たされ廊下に立たされた。それが今は、長年の飽食の罰として、肥満になると天の罰として、バケツの水と同重量・脂肪の塊(10kg)が身につけさせられ、働かされる。肥満になれば、高血圧、糖尿病、脳梗塞、ガン、通風等の病気になるのは自然の理である。飽食が万病の元である。その結果、医療費も高騰の一途をたどり、40年前に総額10兆円であった日本の医療費は、現在、40兆円を超えている。医学が発達しても患者は増えている。これは人の食生活が贅沢になり、本能のまま旨いものばかりを求め、心の修養を怠った結果である。その罪悪の履歴(閻魔帳の記録)が体に付いた脂肪の重さで「情報公開」される。誰でも閲覧可能な情報である。見れば分かる。閻魔帳はあの世に無い。今の己の体が閻魔帳である。

 

飽食の連鎖(food slave chain)

 テレビでは連日、グルメの番組、料理番組、行列のできる飲食店の特集、絶品食品の宣伝、スイーツ・ジャンクフードのCMが目に付く。締めくくりとして胃腸薬の宣伝を大々的に展開する。ここに「飽食の連鎖」で食い物の奴隷に成り下がった現代人を垣間見る。食い物を食い物にして、金儲けに走る企業の戦略が透けて見える。

 図1の製薬メーカの広告ページを見ると、情けなくなる。日本の恥さらしである。この広告ページは、日本人の心の鏡なのだ。食い意地のはった醜い己の姿が写っている。こんな下品な広告ページを他国の雑誌でも見たことがない。製薬メーカにとって、飽食の我々はカモなのだ。それに気が付かず、嬉々としてこんな広告ページを見ているのが情けない。この広告ページを作るにもお金がかかっている。全て商品に上乗せされている、雑誌の値段に上乗せされている。餌に飼いならされた日本人は、それさえ気が付かない。

 

痴呆的グルメ番組の氾濫

 現在のテレビは痴呆的グルメ番組がオンパレードである(図2)。それを見る人がいること自体が情けない。己の子孫が、後年この出演者を見たら先祖を軽蔑するだろう。これこそ河原こじきの仕事である。その昔、芸人は河原こじきと呼ばれた。神が創造した生物の命を粗末に扱うのは、神への冒涜である。

 

肥満者が30%を超え

 その結果が、日本の男性の40代~50代で肥満者が30%を超えている。20年前に比べると3割も増加である。肥満は病気である。この結果が、医療費40年間で、4倍への肥満化である。現代社会は病気製造の片棒を金儲け主義の企業が担いでいるといえる。更に製薬会社と医療産業まで金儲けで目の色が変わっている。人の命をネタに金を稼ぐのは、吸血鬼ビジネスである。その誘惑に負けた食い意地の履歴が、己の肥満として閻魔帳に記録される。美味しいものには毒がある。何のために生かされた命かを自問しよう。

 

足るを知る

 満腹したライオンは、目の前をウサギが通っても襲わない。それが自然の摂理である。ライオンでも本能として「足るを知る」のである。ところが現代人は、満腹でもあるだけ食べてしまう。テレビも食べろ食べろとグルメ番組の氾濫である。これでは、人間様も犬畜生にも劣る存在に落ちぶれる。その罰を糖尿病、高血圧、ガン、認知症として受けている。世の中では最高のことしか起こらない。ガンでさえ、己の細胞の「火事」を最小限に防ぐために命が起こす自衛活動である。病気になるのも、み佛からのメッセージである。それに聞く耳を持たないのが現代人である。

 「足るを知る」を忘れ、自然との共生を忘れ、己の利益だけを追求するグローバル経済主義の影響で、食品業界が人の健康は無視して、少しでも多く食べさせて売上を高めることに奔走する。飽食と食品CMの氾濫に踊らされている現代から見ると、中世の貴族の食事を笑えない。人間は恵まれ過ぎると不幸になる。金持ちになり、美食を漁り、食べ過ぎ、生活習慣病になる。グルメと飽食を追求した結果は、毎日が辛い・・・とまるで悪魔のサイクルである。それなら生活信条を「足るを知る」に変えると、我慢もいらないし、生活習慣病にもかからない。毎日を楽しく過ごし、認知症にも罹らず長生きすることができる。現代の医療費の異常な膨張は、天からの警告である。認知症に罹った身内を見て反省しない人間が、同じように認知症の道を歩む。

 

 飽食は 足るを忘れた 認知症

 病院通い 通える幸せ 胸に秘め

  突然死、下流老人、寝たきりでは、皆で仲良く病院通いもままならぬ。

 認知症 貸した金だけは 忘れない

   受けた恩まで忘れたら、犬畜生以下の存在である。

 クラス会 病気の話に 花が咲き

 

図1 製薬メーカの広告

図2 グルメ番組

 己の子孫が、後年この出演者を見たら先祖を軽蔑するだろう。これこそ河原こじきの仕事である。その昔、芸人は河原こじきと呼ばれた。人が食べているところを見て何が楽しいの?

 

2017-08-31

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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