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2017年8月22日 (火)

インプラント 34(しぐさ)

3.34 トップのしぐさを見れば組織のレベルがわかる

2)ボディータッチの意味

 この院長は親近感を出すつもりで、馴れ馴れしく患者の肩を叩くことが多い。その行為が、患者の心境を害して不快感を与えている。この行為は、自分が偉く、相手より上位であると誇示するボディランゲージである。常識的に、目上の人にはボディータッチなどはしない。患者と医師の関係は、上下関係かもしれないが、その前に長幼の序という社会の掟がある。はるかに年下の人間から、そんなボディータッチを受けると、侮辱されたような感情がわき、不愉快極まりない。

 社長がどんな偉いことを言っても、部下は正直で、上司の背中を見て真似をする。親が言っても子供は言う事を聞かないが、親の背中を見てやっていることを真似るものだ。そのせいか、この医院の若い歯科医もはるかに年長者の患者の肩をたたいて、親近感をだすジェスチャーをして患者の心象を害している。悪いことに院長も部下も、まったく患者が心象を悪化させていることに気づいていない。私は還暦を過ぎた歳で、今までで、医者はおろか上司からもボディータッチされた記憶はない。院長は一見丁寧な言葉遣いであり、本人も良かれと思っているだろうが、私の耳には慇懃無礼な印象を与えている。本人は意識しなくても、いくら隠しても、深層心理学上では、言動に本心が表れるといわれる。

 

長幼の序

 前職の時代、年下の課長職で、あるPJのリーダーであった彼の指示で、ある場所に視察のため一緒にタクシーに乗った。その彼が話をしながら、なれなれしくボディチをしてきた。昔と違い立場が変わって、オレが偉いのだと人を見下げた感情が伝わるボディランゲージである。私が室長の時は、彼は決してそんな態度はとらなかった。当時、私は専門職として教育関係の担当をしていた。一応そのプロジェクトのリーダーではあるが、今でも格下の人物だとしか見ていなかった男から、そんな仕打ちをされて腹が立った。そんな私の不機嫌さに気が回らない彼である。

 日本には長幼の序というしきたりがある。いくら会社の組織上でリーダーでも、人を暗黙に侮辱するような態度では、部下が従うはずがない。彼の性格を見ると、彼を人間としての躾をしたいと思う上司がいなかったようだ。指導しても仕方がないと思われるのも、全て本人が招いた自分の業である。

 

2017-08-22

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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