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2017年8月 1日 (火)

インプラント 20(枯れた技術)

3.20 トヨタ生産方式での判断  原則8 

技術を使うなら、実績があり、枯れた、人や工程に役立つ技術だけを利用する

  インプラントは新しい技術である。まだ日本では実績がないといえる。そういった技術を自分の体に適用するなら、自分がモルモットになるつもりなら良いが、そうでないなら、慎重になるべきである。

自動車業界の評価試験体制

 トヨタグループで、テストコースの新設が新聞を賑わしている。グローバル化で世界との競争が激化しているためである。テストコースは100億円単位の金の要る高価な設備である。しかしテストコースからは一銭の利益も生まない。それにまして、維持管理費が膨大である。それでも、世界の部品業界で生き延びていくためには、テストコースの設備が欠かせない。それは、新技術の安全確認のためにはテストコースでの実証試験が欠かせないためである。車では、その部品の性能が人の命に直結している。

 前職の会社は5,000人5,000億単位の規模の「中小企業」部品メーカであったが、このテストコースの費用を捻出する余裕がなく、同程度の規模の会社に吸収合併する憂き目になった。そして私が32年勤続した創業60年の会社が消滅した。吸収する側も、単独ではテストコースを造れる余裕はなかった。そして前の会社の名前を捨てて、新会社名にすることになった。合併して1兆円規模の会社になったので、やっとテストコースを建設できた。そんな厳しい時代である。グローバル競争時代の部品業界において、5,000億円程度の売り上げ規模では「中小企業」扱いである。

インプラント企業の安全性試験?

 日本国内で流通している製品で、50社から100社のインプラントメーカーがあると言われている。韓国製や他国のメーカーも含めると150社にも200社にもなる。インプラントにおいて、中小零細のインプラントメーカが、相応の安全確認試験をしているとはとても思えない。あるのは人体実験である。それゆえ、歯科医とインプラントメーカーが、多くの患者にインプラントを勧めて、データを集めているのが現実の姿ではないか。要は患者はモルモットである。インプラントは自動車部品と同じように人の命に直結しているのに、その評価体制に疑問を感じる。

 

2017-08-01

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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