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2017年8月25日 (金)

トヨタ式ダイエットで14kg減(1/7) 総括(改定)

 ダイエットは健康問題ではなく、経営の問題である。経営者としての危機管理の問題である。たかが己の体重管理ひとつができなくて、なんで会社の経営ができるのか。目の前の小さな変化を見逃して、何で経営者なのか。私は経営診断で、社長の肥満度を見て、その会社の経営の重要参考データとして観察している。米国では、肥満者は管理能力がないと見なされ、管理職失格である。

 ちなみにダイエットとは痩せる意味もあるが、真意は「食餌療法・処罰」(ランダムハウス英和辞典)である。お相撲さんは強くなるために、ダイエットとして体重を増やし、そして自然の理に反した体重増で短命となる。この世では最高のことしか起こらない。肥満になる生活をして、起きた最高の事象が肥満なのだ。喜ばしいことだ。それで太らなければ、自然の理に反する事象となり、神仏が差配する「天会社」の経営が成り立たなくなる。

 

 2010年、還暦の歳を迎えた機に、体の整備として、トヨタ生産方式を活用してダイエットに再チャレンジした。2010年1月から7ヶ月間で体をスリム化して、定年退職の日には標準体重を達成した。ダイエットは200人に1人しか成功しない。このダイエットの成功の最大の成果は、まだまだやれる自分の再発見と生きる力の獲得である。一時、落ち込んでいたが、第二の人生を歩む上で自信を取り戻した。

 

体重を14kg減    (77 → 63Kg)、

体脂肪率で6%減  (25.8 → 19.7%)、

おなか周りで14cm減 (96 → 82cm)

BMI 22        (26.7 → 22.1)

 

 7年後の現在(2017年)でも、少しリバウンドだが許容値内で(67 Kg)、心身とも身軽になり、総コレステロール値を始め、人間ドックの検査結果の要注意項目が激減した。また嬉しい出費として、スーツ、ズボン類がほとんど買い直しとなった。今までは太ってスーツが着られなくなるのを「脱皮」と称して、笑って誤魔化していたが、今回は真の脱皮となった。新しい出発に際し、体の贅肉が取れて身軽になった。

 

茹でかえる現象

 体重が長期間にわたり微増し続ける変化は、茹でかえる現象である。知らず知らずのうちに、内臓に脂肪がたまり血圧が上がり、肝臓に脂肪肝が増え、体の細胞が死の岸に押し流されていく。毎日毎日が、小さな変化なので気にならず、意識もなく時が過ぎ去っていく。38年前の入社時には58Kgであった体重は、年々徐々に、かつ順調?に増え、一時80kg弱まで増えた。入社から10年間ぐらいの自身の写真を見ると、どこのスマートな青年かいなと、我ながら笑ちゃいます。まさに「命は光陰に移されて暫くも停め難し、紅顔いずくへか去りにし、尋ねんとするに縦証跡なし」(修証義)である。今まで何回もダイエットに取り組み、数キロは痩せるが、すぐリバウンドしてしまった。今回は病気によるご縁を引き金に、新たな決意と視える化による科学的・経営的な取り組みが功を奏した。

 

ダイエット成功者

 『ワシントン・ポスト』の調査によると、アメリカでは過去70年間で、26,000種のダイエット法が発表されたそうだ。それらのダイエット法で成功した人は、200人のうち10人。つまり成功率は5%。この場合の“成功”というのは、いちおう「目標体重に達した人」という意味だ。100人のうち95人が目標体重に達する前に挫折する。理由は「ダイエットを続けられないから」。

 そして、わずか5%の「成功者」の中でも、その後も体重の維持に成功した人は、200人のうちでわずか一人。たった0.5%しかいない。ダイエットの失敗というのは「やせられないこと」ではなく、「続けられないこと」なのだ。いかに持続することが難しいかがわかる。

『いつもでもデブと思うなよ』岡田斗司夫著(新潮新書)

 

ダイエットのきっかけ

 2009年末、私は社内保健婦S氏から特定保険指導対象として、体重と万歩計値をWEB上で管理される身となった。昨年病気をした件もあり、本気でダイエットに取り組むことになった。これを機に5年前購入の100g単位の体重計を、50g単位の体重計に更新した。前機種は測定値が不安定で閉口したが、今回のT社の体重計は1万円余の値段なのに、何回計っても同じ値が表示される高性能さである。これは技術進歩なのか、メーカ差異かは不明だが、ダイエットのモチベーション維持には大きな力となった。前日の悪行(食べ過ぎ)と努力(節制)が、即、数値で表示される。この効果は大きく、1万円の投資はすぐ元が取れた。また体脂肪率(体脂肪量)、骨量、基礎代謝、筋肉量、内臓脂肪レベル、体内年齢の表示機能もあり、その推移をグラフ化して視覚で納得するのもダイエットのモチベーション維持に大きな力となった。

 

母の死

 私は母を42歳の時に亡くした。享年69歳、平均寿命から見て早すぎる死である。母は太っていて、私が健康上から、もっと痩せろと口すっぱく言っても、母は「食べたいものを食べずに、長生きなどしたくない」と聞く耳を貸さなかった。

結果的に肥満からくる高血圧で、脳内出血で倒れ、最後は脳梗塞で亡くなった。亡くなる前の5ヶ月間は、意識がなく、眠るがごとく逝ってしまった。この間、就業後の深夜、刈谷から大垣市民病院まで(80kmの距離)車を飛ばして通ったのだが、意識のない母を見舞うほど、辛く情けないことはない。面会しても意識のない母の顔を見るだけ。全く反応がない。看護していた父はもっと辛かったろうと今にして思う。こんな見舞いがいのない、辛い見舞いはない。見舞いに行っても母の反応があれば、まだ慰めがあるのだが、全く反応のない母の顔を見るのは辛いものだった。

 親としての健康管理は家族・子供に対する責務です。特に肥満は発病の大きな原因の一つで、突然死や脳溢血の発生率が数倍に跳ね上がる。だから肥満の解消と健康管理は、親としての責務なのです。

親の早死にほど、子供にとって不幸なことはない。還暦を過ぎて、両親が健在の友人をみると羨ましくなる。親として子供がかわいければ、自分が健康管理をして、長生きしてあげるのが、最大の「孝行」です(「孝」の字は、大人を意味する「老」と「子」から構成されています)。子供に残して喜ばれるのは、財産よりも親の長生きです。親を失って初めて、また還暦の歳を迎えてその価値がわかる。でも、その時には遅いのだ。母が逝ってから、今日で18年が経った。今日は母の命日です。         (この項2010年12月9日 記)

 

図1 体重、体脂肪率、体脂肪量の変化 (2010年1月1日~7月12日)

図2 人間ドック数値の推移

図3左 大学の実験室で(左) 1972年 58kgほど

   今見ると笑っちゃいます。なんとスマートな青年! 

図3右 ミシガン大学セミナー参加時 1997年

   なんと肥満な体形! 米国の食事を飽食して80kg超えと推定

 

本稿は2010/07/12初稿、2017/08/25第3版

2017-08-25

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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