一人では成佛できない
仲間との切磋琢磨
2011年4月6日に第50回京都佛像彫刻展に出かけたら、偶然、松本明慶先生にお会いできた。展示されている佛像を説明して頂いた。そこには若い佛師の作品が多く展示されていた。中には松本工房から独立して、佛像を作っている佛師の作品も展示されていた。素人目から見て、その作品が、松本工房の佛師の作品に比べて、レベルが落ちるのがわかる。明慶先生によると、独立したくらいだから腕はいいのだが、独立当時から作品のレベルが変わっていないという。つまり時間が止まっている。これは自分の世界に閉じこもってしまい、松本工房で大勢の仲間(40人)との切磋琢磨が無くなったので、成長が出来なくなったとのことである。自分の世界と比較して、身につまされるお話である。人は、批判、指導、人との切磋琢磨により人間として成長し、その作品の出来に影響するのだと。作品が、その人自身の成長の度合いを冷酷に表す。作品とは、仕事や芸術作品(音楽、絵画、書、彫刻、写真、教育での人財等)が、己自身の反映なのだ。己の生きざまを仕事に昇華させて、どんなレベルの仕事を残して逝くかである。人生は集めたものではなく、昇華させた仕事だけが、後世に残る。
菩薩と成仏
菩薩とは如来になるべく修行中の佛様をいう。菩薩様は修行をしながら衆生を救う佛様として拝まれている。一人では成仏できない。回りの仲間がいてこそ、自分が成仏への修行ができるのだ。仲間に手を合わせて感謝しよう。
図1 松本明慶先生と 2011年4月6日
第50回京都佛像彫刻展(京都伝統産業ふれあい館)
後ろは千手観音菩薩(松本明慶先生作)京都市長賞受賞
図2 学ぶとは
2017-07-16
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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