タバコの経営損害(改定)
私が経営診断でみる最初の要点が、社長・幹部の喫煙の有無である。私の前職の会社では、過去、多くの歴任社長と役員がタバコを吸いまくっていた。1円1秒を問題にする原価低減会議、省エネ会議の場で、多くの管理職がタバコをスパスパ。クリップ一つでもうるさく言う私の上司がヘビースモーカでは、馬鹿らしくて、まともに相手ができない。そのモラルの面での影響も大きいはずで、歴史ある名門の企業が、60年余でケムリとなって消えた。悪影響が明白なタバコを止めれない経営者は、まともな会社経営ができない。自分さえも管理できない経営者は、社員も企業をも正しく経営できない。
タバコは、人生経営、会社経営、生活VA、健康、PL問題、教育、省エネ、経営的ロスの観点で、言語道断である。タバコは健康害し、他人の健康を自己以上に害し、頭を悪くし、その結果として企業の業績を悪化させる。たばこで頭の悪くなると、それさえ認識できなくなる。下記は少し古いデータもあるが、実際はもっと大きな被害が出ている。
・タバコに起因する病気での死者・年間 約3万人
(年間の概算総誕生数、概算総死者数 100万人)
・日本人の死因の約半数が癌。タバコが原因で癌になる人は2割 *3
つまり、タバコの影響での年間死者 10万人
・タバコを吸う人の死亡率は 男性1.6倍、女性1.9倍 *3
・タバコによる患者数 100万人 *2
・タバコでの医療費(国民医療費の4%) 1兆4900億円 *2
・タバコにより働けない損失 2500億円 *2
・日本のたばこによる年間税収は 2兆0500億円 *1
・たばこによる病気、火事、清掃などの損失は 3兆5000億円 *1
日本人の20歳以上の人口を8,000万人と仮定すると
・一人当たりの年間単純損失金額は 43,750円
・従業員5,000人の企業での年間損失総計は 2億1875万円
・従業員 500人の工場での年間損失総計は 2188万円
・30年間のタバコ代は 約500万円
・喫煙によるの経営的ロスは 約53万円/年・人
・タバコが頭の働きを阻害 ▲10%
それによる経営的損害 約20万円/年・人
・タバコ一本あたりの空気清浄費用 15円/本
・タバコの煙は赤ちゃんの体重を減らす 100g
大人換算で、我が子から2kgの肉を削ぐ犯罪
・副流煙は、奥さんの子宮癌の発生率を増加 7倍
・非喫煙者に対する喫煙者の交通事故発生率 4倍
・タバコ半分を吸った場合は、20ワットの仕事を20分するエネルギーを浪費
*1:1995年のチバガイギー科学振興団が経団連会館で開催したフォーラム 「タバコを考える---防煙、分煙そして禁煙について」の発表
(週刊『東洋経済』1995.07.08号)
*2:2014年度厚生労働省研究班(日本経済新聞2017年5月31日)
*3:国立研究法人国立がんセンター
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/252.html
(Japanese Journal of Cancer Research 2002年93巻6-14ページ)。
2017-07-15
久志能幾研究所 小田泰仙 HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite
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