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2017年6月 5日 (月)

「おしん」は、14,341円で身売りされた

 テレビドラマ「おしん」の奉公物語は、身売りの話である。飽食が溢れる現代日本でも、飢えの苦しみの時代があったのは、つい87年前の話である。昭和5年(1930年)から9年にかけて東北地方で日本史上最後の大飢饉があり、農村経済が崩壊し子女の身売りまで発生した。たった米俵一俵(14,341円、平成25年の米価)で最愛の娘が売られていった。この飢饉は世界恐慌から始まるブロック経済の進展などもにあり、満州事変に繋がり戦争に突入していく背景ともなった。そんな食の悲劇を現代日本人は忘れている。現代の肥満・成人病の蔓延は、佛様からの鉄槌なのだ。

 「おしん」の親が一家崩壊を避けるため、娘を14,341円で売らねばならなかった悲劇を、己の肥満に照らすと醜態である。現在、中国や米国等で貧富の差が拡大して社会不安が高じている。人は拝金主義に走り、富者は飽食に明け暮れ貧者は飢餓に苦しむ。人間は少しも進歩をしていない。むしろ堕落している。そのため2000年前の教えがそのまま通じる。

 

現代人が見る地獄絵

 科学技術の進歩は、守護佛の四天王をも騙す化学調味料を作り出した。その化学調味料は、六根の感官(眼・耳・鼻・舌・身・意)としての四天王を殺す。化学調味料はその四天王の舌を麻痺させ、人の関門である口を通過してしまう。悪いことに麻薬的に美味し過ぎるので、止めもなく食べ続けてしまう。心が緩んだ隙に鬼が入り込み、美味しさの虜にしてしまう。行き着く先が、高脂肪体質、高血圧、メタボ、過食症、スナック菓子シンドロームの悪魔のサイクルである。美食が豊富にありすぎる極楽に身を置き、悪魔の誘惑に負けると贅沢病・死病に苦しめられ地獄に堕ちる。極楽三昧の因果で死病に罹り、最期になって「カネはいくらでも出すから助けてくれ」と医師に泣き付くのでは天国から地獄である。豊かになった現代人が見る地獄絵である。

 

食の極楽ポイントの開発に鎬を削る

 清涼飲料水を筆頭に、ファーストフード店で販売される食料品には大量の砂糖や化学調味料が入っている。それは麻薬のように習慣化して毒として体を蝕む。食品メーカはどんどん消費して儲かるように仕向けている。食品メーカは、食べ出したら「止まらない止められない」という極楽ポイントの味の開発に余念がない。困ったことにその毒は、大層美味である。美味しいものには毒がある。

 

 日本でも食生活や生活様式の欧米化に伴い,肥満人口は増加の一途をたどり,今や推計2,300万人に達している(男性1,300万人,女性1,000万人)。特に男性の場合、どの世代でも10年前、20年前より大幅に肥満者の割合が増えている。特に40代から60代の肥満者は30%を超える。このうちの約半数は病気を持たない“健康な肥満者”である。残りの50%の1,100万人は糖尿病や高脂血症,高血圧症,膝関節症などの生活習慣病を合併しており,これが医師の治療を必要とする「肥満症」である。

 

薬は基本的に毒

 工場生産の加工食品は、塩、脂肪、砂糖が飽食の罠の鍵となる成分を含む。味覚を刺激するだけでなく、食品の魅力を上げて再購買を狙う目的で味付けが研究開発される。多くの研究開発費をかけ、脳に抵抗しがたい魅力を封じ込める味付けがされる。それが健康への悪影響などは知ったことではない。売れるかどうかだけが評価の対象である。多大な研究開発費を投じた商品は、大量生産をしないと自転車操業が回らない。低脂肪、低糖、無糖という表示にマーケティング、心理作戦に金をかけ、消費者のサイフを虎視眈々と狙う。それが別の「毒」を盛る恐れにもなる。その昔の人工甘味料には、発ガン性成分が含まれていた。病気になると大量の薬の投与となり、医療機関と薬剤関係が儲かり、ますます病気を作ることになる。

 

 薬とは、炎上(患部)場所に消防車が放水すると同じである。火元には効果があるが、火元以外にも大量に水が浸透して、火事でない部位(健康な部位)も被害を受ける。毒である薬は、健康な部位も無差別に攻撃する。抗がん剤でガンは治りました、患者は死にました、が現実である。薬投与は対処療法である。病気になった根本原因を除去しないと、別の病気が発生する。根本治療では、医療機関は儲からないので、原因は追究せず、対処療法だけの投薬にまい進する。

 

 現代病の対策のため新たな医薬品の開発が進み、その開発費の回収のため業界は過剰な医療を強いる。1970年の日本の医療費総額が10兆円で、現在は40兆円を超える。それでいて半病人は増え続けている。化学調味料という麻薬のような薬物中毒に犯されては、四天王様も不動明王様もお手上げである。

 

人生の極ウマモノ

 人生での極ウマモノとは、高級料亭接待、賄賂、特別扱い、下半身接待と過保護教育である。美味しすぎて、一度嵌ると抜け出せない。人生の蟻地獄である。おいしい物にはワケがある。

 過保護教育とは、人生のご馳走を子供に食べさせて満腹状態にすること。そうなれば、あとは堕落しかない。親は子のためにと思って金を使うが、それは地獄への特急切符である。

 

 2014年12月5日、韓国のナッツリターン事件が起きた。大韓航空前副社長の趙顕娥被告も同じ極ウマのものばかりを親から食べさせられてきた。本人には自覚がない故に、会社と国の名誉を辱める結果となった。財閥のオーナーに徳が無く、お金が使い切れないほど多量にあると、お金の腐臭が世の中に撒き散らされる。過保護に育てられた金持ちの子供たちや芸能人の子息は、どの国にも繁殖している。最後に地獄を見るのは過保護に育てた親なのだ。

 

 子供を愚かにする一番の方法は。多大なお金を与え、見た目は溺愛のごとく贅沢をさせても、愛情を注がないこと。そうすれば、頭が切れて知識だけは豊富だが、人間としての欠陥がある情緒不安定の人間に育つ。政治家でいえばスターリン、レーニン、鳩山由紀夫、小沢一郎がその例である。スターリンは2,300万人を虐殺した。

人間の魂は地道な育成方法でしか完成しない。愛情こめて育てることしかない。贅沢で過保護、愛情なしで育てられた人間は欠陥人間である。「人間」とは人と人との間で、相手を慮ることができる人。

 

下図1、2 隣家の火事跡(2005年10月30日 火事の翌日)

下図3、4 私の家の被害(2005年10月30日 火事の翌日)

私の家への延焼を止めるため、消防署が放水してくれたので、延焼は防げたが、高圧放水で、家の中がグチャグチャになった。延焼がなく、大垣消防署さんに感謝です。同じようなことが、薬という毒を飲むと、自身の健康な細胞に同様な被害が及ぶ。

 

久志能幾研究所  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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