最高の人生は「今日無事」から、おから人生を避ける
先日、ディジュリドゥの師に、私が「10年後にご先祖の300回忌を執り行うために頑張っている」と話したら、諌められた。
師は以前に脳梗塞で倒れ、一時心肺停止となったという。そこから奇跡的に生き返ったが、障害等級2級の後遺症が残った。それをなんとかディジュリドゥを使ってのリハビリで社会復帰できた。その師が私に下記のように諫めた。
「貴方(私)が、10年後のご先祖の300回忌を目指して頑張ると言うが、それでは必ずどこかで無理をする。それが体には悪い影響を与える。50歳を過ぎると、若い時のような頑張りは出来ない。過度な頑張りが体に負荷をかける」、と。
自分の過去を振り返り、思ったことは、人の明日は分からない、である。私の仕事仲間も多く定年前に亡くなっている。だからがんを経験し、その治療過程で多くの学びを得た。
今日と明日を考え、今日を感謝して大事に生きる。その毎日の積み重ねで、結果として10年が経つのは良い。しかし10年後を目指して生きると、どこかで無理をして破綻する。
体への負荷
師の言葉で私も目が覚めた。私がガンになったのは、頑張り過ぎたためだ。ガンのかなりの原因は、ストレスと食事の油断であった。他山の石として、多くの仲間が還暦前にこの世を去った実例を思い出した。
まず今日を心穏やかに人間として生きる。ストレスなく、自分の37兆個の細胞にストレスを与えない食事をする。四毒の食事をしない。毒のある人間関係を送らない。夜更かし等の体に負荷をかける生活をしない。利他の心で生きる。そこから始めよう。
蟻の穴から堤も崩れる
毎日の点が繋がって線になる。線が繋がって、面となる。面が重なり立体をつくる。それば人生の形である。つまり人生は毎日の点から成っている。点が大切なのだ。
その点が、添加物のない、良質な点(正しい生活)に積み重ねの点であれば、丈夫な線となる。一か所でも不良品の点があれば、全体が崩れてしまう。
それはまるで中国のおから工事の建造物のようだ。レンガ造りの建屋は、小さなレンガブロックを積み重ねて創られる。そのレンガが一つでも不良品であれば、レンガ造りの建屋は何時か崩壊する。
自分の体は37兆個の細胞の積み重ねで出来ている建造物である。その細胞積み重ね構造をおから工事にしてはならない。
蟻の穴
蟻の穴から堤も崩れる。(韓非子)
たかが蟻の穴ぐらいと思って油断していると、堅固につくった堤防でも崩れることがある。些細(ささい)な欠陥がもとになって、天下の大事を招くこともあるというたとえである。
人生も点の集まりだ。その一点(病気をして、いい加減な生活で)が崩れると、人生が崩壊するやも知れぬ。ご用心ご用心。
大凶
中国の占いの世界でも、最高の人生とは、何もない平凡な人生である。波乱万丈で最後に成功しても、その人生は「大凶」である。
「毎日、真っ黒になって働き、時が来れば静かに世を去っていく」、そういう人が国の宝であると安岡正篤師はいう。
「今日無事」の書 馬場恵峰書
2024-10-12 久志能幾研究所通信 2958号 小田泰仙
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