龍神の警告 羽田空港 JAL516 衝突事故
ヒューマンエラーと推定される原因で、2024年1月2日、羽田空港で悲惨な事故が起きた。着陸してきたJAL516便と離陸待機中の海上保安庁機が衝突した。この航空機事故を技術者、テクニカルライターとして問題提起と再発防止策を提案する。
滑走路上に飛行機がいれば、それを検知してその信号を離着陸する飛行機に送るシステムであれば、今回の事故は防げたのではないか。原則は、滑走路上には飛行機は1機しか存在してはならない。鉄道でも単線区間には、列車が1本だけしか存在してはならない、である。それを検知・警告するシステム構築は、そんなに難しい技術ではない。こういう場合、乗客にはなすすべがない。政府がそういうシステムを作るしかない。羽田国際空港は国交省が管轄している。そのシステム構築は、国交省が指導すべきだ。
人は必ずミスをする。その前提で、防止策、行動規範を決めておくべきだ。それでも事故は起きるので、機械的な防止策が必要だ。
車の運転でも同じことが言える。だから私は右折や左折持、停止時等の折は、必ず呼称運転をしている。機械で防げることには、カネを使って装置を入れている。
事故に出会うのは盲亀浮木と同じである。100年に一度しか海の上に顔を出さない盲目の亀が、浮いていた木の穴に首を突っ込んだ。そういう状況である。それも日本で一番忙しい羽田空港から、年始の一番忙しい時期に、北陸地震への支援機を飛ばす。政府の対応はおかしい。それに対して民間航空乗務員と日本人乗客は冷静に対処して、379人が無事に脱出できた。それが政府が狂っていて、国民は正常だとの象徴のように感じた。
人間様がいくら注意をしても、限界があるので、システムとして防げ、が今回の神仏からの啓示である。昨年末までの数多くの政府の不祥事に対する龍神の戒めのように感じる。それが易経でいう卦の印ではないか。ルールがあってもそれを無視して金にまみれた政治をしてきた自民党への鉄槌と思う。
久志能幾研究所通信 祖母の50回忌、盲亀浮木の如し
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現在は、管制官が滑走路上に飛行機がいないかを確認して、離着陸の許可を出している。JALのパイロットも正副のパイロットがそれを復唱して確認している。海上保安庁機のパイロットも正副のパイロットがいて、それを復唱して確認しているはずだ。地上でも複数の管制官がチェックして実施しているが、人間が絡むと今回のように、必ずヒューマンエラーが発生する。過去にも世界では飛行場内での事故は数多くある。
史上最悪の航空機事故
史上死者数が最大の航空機事故は1977年に大西洋のカナリー諸島で発生したテネリフェ空港ジャンボ機衝突事故である。KLMオランダ航空KLM4805便 のボーイング747とパンアメリカン航空PAA1736便のボーイング747が滑走路上で正面衝突した事故で、583名が死亡した。
その主原因は、管制官とパイロットのコミュニケーション上の問題であった。今回の羽田空港の事故もそのコミュニケーション上のトラブルがあった可能性がある。だからこそ、機械的にそれを防ぐシステムが必要だ。
このテネリフェ空港事故の主原因は、管制官とパイロット間のテクニカルコミュニケーション上の問題である。離陸を待機していたKLM4805便は、”at”という曖昧な言葉を使ったため、誤解を生じて衝突事故になった。
KLM4805便は、“We are at take off”と位置情報を曖昧な表現をしたため、誤解が起きたと推定される。“We are standing by at the takeoff starting point.” と正確に管制官に伝えれば、誤解は起きなかった。
“at”とはある狭い一点での場所の定義をする場合に使う前置詞である。それを“at take off”という行為で使ったので、誤解が生じた。たかが “at” 、されど “at” である。テクニカルライティング学習では、前置詞の使い方を厳しく指導される。
Wikipedia「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」では、その点にまでは踏み込んで記載されていない。
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衝突事故までの経過
(Wikipedia「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」より)
KLM4805便の機長はブレーキを解除し離陸滑走を始めようとしたが、副操縦士が、管制承認が出ていないことを指摘した。
17時6分6秒、KLM4805便の副操縦士は管制官に管制承認の確認を行う。
17時6分18秒、管制官はKLM4805便の飛行計画を承認した。これはあくまで「離陸の準備」であり、「離陸してよい」という承認ではないが、管制官は承認の際に「離陸」という言葉を用いたためKLM4805便側はこれを「離陸してよい」という許可として受け取ったとみられる。
17時6分23秒、KLM4805便の副操縦士はオランダ訛りの英語で、“We are at take off”(これから離陸する)または“We are taking off”(離陸している)とどちらとも聞こえる回答をした。
管制塔は聞き取れないメッセージに混乱し、KLM4805便に「OK、(約2秒無言)離陸を待機せよ、あとで呼ぶ(OK, … Stand by for take off. I will call you)」とその場で待機するよう伝えた。この「OK」とそれに続く2秒間の無言状態が後に問題とされる。
PAA1736便はこの両者のやりとりを聞いて即座に不安を感じ“No, we are still taxiing down the runway”(だめだ、こちらはまだ滑走路上をタキシング中だ)と警告した。
しかしこのPAA1736便の無線送信は上記2秒間の無言状態の直後に行なわれたため、KLM4805便のコックピットボイスレコーダーでは「OK」の一言だけが聞き取れ、その後はヘテロダイン現象による混信を示すスキール音しか記録されていない。2秒間の無言状態により管制官の送信は終わったと判断してPAA1736便は送信を行ったものの、管制官はまだ送信ボタンを押したままだったので混信が生じ、管制官とPAA1736便の両者はこの混信に気付かなかった。
17時6分26秒、管制官は改めてPAA1736便に対し“Report the runway clear”(滑走路を空けたら報告せよ)と伝え、PAA1736便も“OK, we'll report when we're clear”(OK、滑走路を空けたら報告する)と回答した。このやりとりはKLM4805便にも明瞭に聞こえており、これを聴いたKLM4805便の機関士はパンナム機が滑走路にいるのではないかと懸念を示した[10]。事故後に回収されたKLM4805便のCVRには以下の会話の録音が残っている(オランダ語)。
KLM機関士:「Is hij er niet af dan?(まだ滑走路上にいるのでは?)」
KLM機長:「Wat zeg je?(何だって?)」
KLM機関士:「Is hij er niet af, die Pan-American?(まだパンナム機が滑走路上にいるのでは?)」
KLM機長/KLM副操縦士:(強い調子で)「Jawel!(大丈夫さ!)」
機長は機関士の上司でありKLMで最も経験と権威があるパイロットだったためか、機関士は重ねて口を挟むのをためらった様子だった[11]。
この一連の状況下で、
PAA1736便『警告がKLM4805便と管制官の双方に届いた』
KLM4805便『管制官に離陸を承認された』
管制官『KLM4805便は離陸位置で待機している』
とそれぞれが安全な状況であると確信しており、さらに霧のためPAA1736便、KLM4805便、管制官からはお互いが見えていなかった。
そしてKLM4805便はスロットルを離陸推力へ開いた……….
2024-01-03 久志能幾研究所通信 2795号 小田泰仙
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年が明けて、「おめでたい」気分に浸っていました。
元日夕方に、緊急地震速報の警報音とほぼ同時に大きな揺れが・・・東日本大震災の時が蘇りました。
どこが震源なのだろう?
TVをつけると、能登地方。 「津波」から逃げるように、女性アナウンサーの緊迫した声が繰り返され、画面には「EVACUATE」の英語表記も!
翌日になると、被災の状況が明らかになり始め、DMAT派遣のニュースが流れる。
夜になりすぐに、羽田空港での火災の映像が流されるが、消火活動が行われていること以外の情報は不明。
「技術者、テクニカルライター」である小田さんの詳細な投稿を拝読して、子細が理解できました。
18分間の見事な全員避難により、大惨事を免れたのが救いでした。
>「滑走路上には飛行機は1機しか存在してはならない。鉄道でも単線区間には、列車が1本だけしか存在してはならない」「それを検知・警告するシステム構築」
そんな基本的なシステムがなかったことに驚きますが、それを的確に指摘される小田さんの慧眼に感服します。
三が日が過ぎ、世の中は平常に戻りつつあります。
新NISAなどがスタートします。
「ヒューマンエラー」 人は必ずミスをする。
小田さんの警告を忘れずに、ミスばかりの私は、慎重にも慎重を重ねて行動したいものです。
合掌
投稿: Dr. ZEN | 2024年1月 4日 (木) 09時24分