六つ墓村の墓じまい、タタリで癌に? トヨタ生産方式で真因追及
ご先祖のお墓を墓じまい
祖母の親戚の叔母が2008年に亡くなり家が絶えた。叔母は京都の尼寺の住職であった。人間国宝の日本舞踊四世家元 四代目井上八千代の葬儀(2004年3月)では、この安寿様が導師を勤められた。舞妓さんたちがお参りする尼寺である。安寿様は愛知専門尼僧堂の青山俊董堂長に師事された。祖母は北尾家の最後の人であり、逝去された事でご先祖の4つあるお墓をどうするかの問題が表面化した。北尾家は井伊直弼公にご縁のある人であった。
2015年、私が両親の23回忌、13回忌の法要をした時にそれが判明した。叔母はいつも何も言わない方であったが、意図があって親戚に連絡をしなかったのかもしれない。自分の代で家が途絶えることで、お墓の件で、菩提寺の住職にしかるべき対応をお願いしていたようだ。しかしその住職も認知症で2014年、施設に入院してしまったので、安寿様がどういうお願いをされたか不明である。安寿様も想定外である。その住職は私と同年である。人ごとではないが、前住職の認知症はなるべくして発病した業である。天網怪怪疎にして漏らさず。それも20年のタイマー付きである。
2015年4月27日、大本山の永平寺に出かけて回向のお経を上げていただいた。親族控え室で小一時間ほど待ち、本堂に入った。その日は3家の納経の儀があり、8名の僧侶により読経を上げていただき焼香と拝礼をした。
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旅立ち
自分も何時かは旅立たねばならない。その時、後の人に自分の意思が正確に伝えられるかは分からない。死人に口なしで意思が捏造されることもある。明日、不慮の事故や脳梗塞、心筋梗塞で倒れるかもしれない。この3つの死因の比率は約30%である。死後の準備の間もないまま来世に旅立つ人が数多いのが現実である。今回の事象でそれの現実を教えてもらった。これが家系図の作成、遺言状の作成をする決断のご縁となった。
今回の件はご先祖からの啓示であった。私が叔母の先祖代々のお墓をお守りし、この機会に50年余を経過した小田家の墓を再建し、祖母方の先祖代々のお墓を統合・合祀する決断をした。同時に彦根藩に関係した北尾道仙の墓を再建する。
50年余を経過すると、墓石の品質が明かになる。質の良い石は50年くらいでは劣化しないが、品質の悪い石は10年程でも劣化が目立つようになる。墓石のほころびが、魂を込めた仕事の大切さを教えてくれた。松居石材商店(文政12(1828)年創業)の松居保行店主が、本件で墓参りに行った時、たまたま仕事で墓地に来ていて、現物の墓石でその石の質の差を説明してくれた。
今の自分の仕事の品質(徳)が10年、100年、1,000年後に明らかにされる。それが明徳の現れである。今の仕事にどれだけの徳を込めるかである。松本明慶先生が高野山中門の四天王に、今後の1,000年間の守り佛としての思いを込めて造立した志が伝わってきた。この教えこそが師天王の教えである。
その経緯もあり、私はそのお墓を引き継ぐことを決意した。そして六基あった古いお墓を墓じまいして、三基のお墓を新たに建てた。それでご先祖のために、父方と母方のご先祖の墓を統合した供養塔として五輪塔を建てた。
ご先祖のお墓
京都の安寿様が守っておられた。その叔母が亡くなり、正式に墓じまいの法要をして、新たに五輪塔を建てた。
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墓じまいの結果
その4年後の2019年に私にがんが発見され、摘出手術を受けた。自覚症状がなかったので、ステージⅢaとガンが進行して手遅れ寸前であった。転移はしていなかったが、主治医から「5年後生存率は51.6%」と宣告された。つまり5年後までに、同じ病気の人の半分は死ぬ計算である。それは過去の統計上の確率である。
そして手術後の標準治療として抗がん剤治療を計画された。それをしないと命の保証はしないと脅された。私はその抗がん剤治療を拒否して、医師と喧嘩別れをした。それから抗がん剤治療に代わる治療を求めて、ネットや本で情報を集め全国を放浪した。横浜のHクリニックにも足を延ばした。そして船戸クリニック(養老町)に行きつき、半年ほど治療を受けた。船戸院長先生は、自身もガンを経験されており、親身に診察をしてくれた。しかし保険がきかない自由診療で、少々お金がかかった。命にかかわることなどで、敢えてそれを進めた。
がんはご先祖の「たたり(多々利)の声」であった。それを私は謙虚に受け止め、がんになった真因を探り、生活習慣を見直して、なんとか今、手術後、4年生きている。
ご先祖の使者である癌は、一言も「死ね」とは言っていない。癌はただ「間違った生活を変えなさい。そのままでは早く死ぬ」と告げているだけだ。
ご先祖の霊はたたり(祟り)をしない。そもそも子孫を可愛いと思っているご先祖がたたり(祟り)など、するわけがない。この世では形ある力を出せない霊が、子孫のことを思って、病気や事故という形で危険を教えてくれているだけだ。そのメッセージを謙虚に受け止めよう。
利益
「多々利(たたり)」の「利」とは、仏様からの恩恵である。利益(りやく)とは、仏語で、仏菩薩などが衆生など他に対して恵みを与えること。恵みを与える種々の行為。また、その恵み・幸せ。利生(りしょう)の事である。
それから派生して、利益(りえき)という経済用語が出来た。
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因果応報
がんになったのには原因がある。どんな事象も因果応報である。良いことをすれば良き結果が生まれ、悪いことをすれば、悪い事象が起きる。癌の部分を摘出するのは対処療法である。だから癌になった真因を追及して、再発防止をしないとガンが再発する。なぜ何故を5回繰り返し、ガンになった真因を突き止めないと、再発する。元を断たなきゃダメなのよ。
がんとは人体で日々再生される細胞の不良品である。人体は一日に1兆個の細胞を創り出している。そのうちの5千個ほどががん細胞という不良品である。正常な健康状態なら、免疫酵素がそれを排除してくれる。しかし生活が乱れていると、それがうまく機能せず、癌細胞が生き残る。それが長い間に増殖して癌となる。目に見える大きさになるまでに10年はかかる。
人体の生産品でである不良品の削減は、トヨタ生産方式に品質管理で行う。不良品が作られてから対処するのではなく、生産工程で不良品を出さないような作り込みをするのがトヨタ生産方式である。がんの摘出手術は応急処置の対処療法である。真因を見つけてそれを無くさない、再発する。
ある意味、ガンはご先祖様からのメッセージであった。その不幸が心筋梗塞、脳梗塞、交通事故、新型コロナ感染でないのは幸いである。それでは即死状態で死の対応ができない。また自分が認知症になれば、その対策も打てない。がんならば死ぬまで時間があるので、改心?して対策と心の準備が出来る。その警告が「たたり(多々利)の声」である。
使者
がんはご先祖様が派遣した使者である。その名は観音菩薩である。観音菩薩は、衆生の悲しみの声を観て、駆けつける菩薩様である。観音菩薩様は私の生活の不協和音を観て、私に危機を伝えた。観音菩薩様はこの世では、物理的な力がないので、ガンにメッセージを託した。それは眼施(がんせ、癌施)である。私は愚で、検査するまで気が付かなかった。このガンは自覚症状が皆無であった。音なし?の構えである。
私のピアノの師である河村義子先生が、その直前の2018年12月25日、がんで亡くなられた。それで胸騒ぎを覚え、翌年早々にがん検診を受けた。それが私のガンの発見のきっかけ(ご縁)であった。河村義子先生とのご縁がなければ、私の癌の発見は遅れただろう。それが癌の末期になる寸前で発見できて、転移もなかったのが助かった最大の要因である。
その河村義子先生の戒名が「聖観院教音義愛大姉」である。なにか因縁のある素晴らし戒名である。
松本明慶大仏師作 聖観音菩薩像
この姿は、衆生の悲しみの声を観て、裾を上げ、一歩前に足を踏み出す姿を現している。
この仏様は2011年にご縁があり来宅された。
私が前職を定年延長せず、大垣に帰郷したので出会えた仏様である。
大垣に帰郷しなければ、出会えなかったご縁である。
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がんのメッセージ
ガンは自分の生き方を訂正しなさい、とのメッセンジである。
生活習慣を見直して、休め。
食生活と生活習慣を見直せ。
自分を大切にせよ。
毎日を大切にして、常に夢を持て。
人の温かさに感謝せよ。
小欲少食で。
義務感、正義感を捨てて、気楽に生きよ。
今一度、人生を考え直せ。
一日一日を大事にしなさい、
自分を受け入れ、他人を受け入れよ。
全ての事象に感謝せよ。
全ての事象はメッセージを発している。
その事象は声なき経を唱えている。
自分の最期を考えよ。
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引用文献:
この内容は、船戸クリニックの『フナクリ通信 第123号』を参考にした。私は船戸クリニック(養老町)の船戸祟史院長先生から、がん手術後のがん再発防止の治療を受けた。愛知県がんセンターでは、手術後の標準治療は抗がん剤治療である。私はその治療を拒否して、薬剤医師と喧嘩別れをした。それでネットで別の治療法を探して、それで見つけた病院であった。
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2023-09-18 久志能幾研究所通信 2743号 小田泰仙
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