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2023年5月20日 (土)

墓はじめ 基本設計1 巻石

 

 今の自家のお墓は60年前(1963年)に父と父の兄が共同で建てた。しかし2015年当時で築52年も経つと、墓石が風雪の影響を受け、墓石の傷が目立ってきた。冬に雪が降り、その水分を墓石が吸い、夜に凍結し、昼に融解する現象が長年続くと、墓石が疲労破壊される。

 2015年、叔母が亡くなり、結果として祖母の家が絶えたので、私がそのお墓のお守りを引き受けた。叔母の家の墓4基と今の自家のお墓と従弟のお墓の計6基の墓を3基に統合する計画を立てた。石屋さんにお墓の基本設計をお伝えした。

 

基本方針

 改建をする目的の第一優先は、風雪対策、地震対策、メンテナンスフリー、再発防止である。

 改建するにあたり、華美を避け、質実剛健、統一感ある現代風デザインで、塔婆立てと墓誌を建てる。その際、ご先祖のおもてなしもする、である。

 どういうわけか、計画した当時は将来に自分もその墓に入るとは全く考えていなかった。当時、まだ体力があり、元気溌剌であったので、全く死を意識しなかったようだ。今にして、考えが幼いなと思う。人は必ず死ぬのだ。死線をさ迷う経験をしないとその気にならないようだ。その咎で、後年がんで死線をさ迷う羽目になった。

 

土台(巻石)

 菩提寺に墓参りに行って、いつも気になるのは、隣のお墓の草の放置である。隣のお墓の土地には砂利が敷き詰められていて、そこにはいつも雑草が生い茂っていた。砂利では必ず雑草が生えてくる。もしそれが自分の家のお墓なら、墓参りの前にその除草だけで疲れてしまうだろう。私もいつまでも若くない。それもお盆の炎天下での除草なら大変だ。

 その土地に砂利を敷設する場合、周辺を縁石で囲って作るが、それが長い間にずれてしまう。その保守が大変である。

 その対策として、石屋さんの助言で、一枚の土台石(巻石)で墓のベースを作ることにした。一枚の石なら、縁石がずれることもない。そこから雑草が生えることを防げる。そうしたらよい石があるとの情報があり、それを発注した。

 

巻石入荷

 その石の加工は中国で行った。残念だが、現在の日本では加工できないという。中国での加工が終った墓石が日本に入庫した連絡を受け、2015年10月21日、石屋さんと一緒に大阪の石材問屋に確認に出向いた。

 

 最初に目に飛び込んできたのは、石材店の仮置き場に置かれた一枚づくりの巻石である。長さ3.6m、幅1.5m、厚さ37cmの一枚づくり巻石の梱包を傍で見て、とんでもないものを注文したものだと、吾ながら呆れた。原石の重さは32トンという。

 石材店の所長さんも、この大きさの石は今まで扱ったことがないという。これより大きい墓所の巻石は数多く存在するが、複数枚の石材を組み合わせて構築するので、一枚石づくりでは存在しないという。そういう意図は無かったのだが、結果としてエライことになってしまった。

 

ご縁の流れ

 今回の不思議なご縁で、3基のお墓を同時に建立することになり相応の大きさの巻石が必要となった。お墓の建立後に草取りや掃除等の手間を少なくする目的で一体構成を検討した結果である。たまたま大きな石材が在庫していて、それも、為替レート一ドル90円で入手した石材が偶然に在庫していたというご縁の賜物である。今なら一ドルが140円、150円の高騰ぶりだ。私の力ではない。ご縁の流れの勢いは恐ろしい。

 

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2023-05-20  久志能幾研究所通信 2689号  小田泰仙

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