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2022年5月14日 (土)

昼あんどん 点灯すれば ボケでも安全運転

 

 いくら昼行燈と言われる人でも、点灯(発言)していれば、その存在はボケていても目立つ。昼行燈と言われた大石内蔵助でも、発信していたから、立派にかたき討ちを完遂できた。

 

 昨日(2022年5月13日)のお昼ごろ、市内を走行中に雨が降ってきた。それでライトを点灯して走行を始めたが、回りの車で点灯して走行しているのは、5%くらいだった。

 車の安全運転のため、雨が降ったら昼間でも点灯が原則である。しかし日本ではほとんど点灯せず走行している。

 点灯しているのは、ベンツやボルボの外車である。これは運転を始めると、強制的に点灯するシステムになっているようだ。

 昼間でもヘッドライトを点灯している車は遠くからもよく存在が見える。点灯するのは、自分が周りを見るためでなく、回りに自分の車の存在を早く認識してもらうためだ。交通事故の大半は、その存在に気が付かないことが大きな原因である。

 

確証バイアス

人は見たいものしか見ない。目の前に見えていても、見る意識がないと、ないも同然である。

“libenter homines id quod volunt credunt”(ラテン語)

“Men willingly believe what they wish to believe“(英語)

「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。 多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」 (塩野七生著『ローマ人の物語』より)

 

 人は確証バイアスにより、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向があり、認知的不協和(不快感)から、反証する情報も自分のいいようにねじ曲げて、解釈する傾向にあります。

 

 情報が溢れる現代社会では、特にそのことを自分で認識している必要がある。特に車で走っていると、自分が希望(想定)する状況しか見ていないのだ。だから想定外の状況が出現して、交通事故となる。

 

発見の確率

 事故防止には、事故を起こしに来る要因・物体を、いかに早く発見するかに尽きる。そのためには「発見する確率」と「発見される確率」を向上させればよい。なにせ、事故原因の55%が「認知の遅れ」である(1967年自動車技術会の調査データ)。

 このことから、事故の要因(障害物等)の認知(発見)をいかに早くするかで、事故に合う確率は激減する。認知の向上には、「発見しやすさ」と「発見されやすさ」を向上させればよい。

 

 

 「発見しやすさ」と「発見されやすさ」の確率を、1938年にローパーとハワードがドライバーの直前にダミー歩行者を飛び出させて実験してデータを得ている。実験では、何が起こるかを全く予知していない被験者が運転する車の直前に、ダミー歩行者を飛び出させて、ドライバーがそれに気づいてアクセルベダルから足を離す時点でのダミーから車までの距離を測定した。予知していれば当然視認した距離をLn 、実際にドライバーがダミー歩行者を視認した距離をNa として、〔Na /Ln 〕を横軸に、縦軸にダミー発見ドライバー数の累積頻度を図・7に図示する。これから下記のことが分かる。

 

・ダミー歩行者を予知せぬドライバーは、予知しているドライバーには見える視認距

 離の70%まで近づくまでは、一人もその存在に気づかない。

・50%の距離に近づくと、半分の人が気がつく。  

 予知しないドライバーが妨害物を発見する確率が50%になるのは、予知している

 ドライバーの視認距離の1/2になってから。

 つまり、意識して見れば人の2倍は見える 

・25%の距離まで近づいて、初めて全員が気づく。

 

 予知を意識した運転とそうでない場合では、事故を起こす確率が異なるのをこのデータは証明している。

Photo

ドライバーの妨害物発見確率曲線 (V.J.ローバーTrans,IES" 1938.05

 

 また事故の大半は「衝突する相手の車を発見しなったため」に起きている。

 事故件数を違反別に分類したデータ(図⒏2)から、「安全不確認」、「脇見運転」、「一時不停止」、「動静不注視」、「漫然運転」のワースト5の合計は54.4%に達する。このワースト5こそが「不発見型」の事故である*3。

Photo_2

図8.3   運転者の内容別事故件数

 

 

◆ 自己顕示   

 「発見されやすさ」の確率を上げるためにも、暗くなりはじめた時や薄明かり時には、ヘッドライトを他車より早めに点灯すること。なぜなら、ヘッドライトとは自分の為でなく、他車から自分の車を認識させるためにある。それが事故を減らす。小雨や霧ならホォグランプ・ヘッドライトを点灯すること。

 ただし、スモールランプを点灯すのはダメ。なぜならスモールランプは停止している車が点灯するもので、走っている時は、点灯しないのが国際ルールです。

 

必要な自己顕示

 相手に自分の存在を認識させることは、事故になる確率を減らす。事実スウェーデンでは1985年時点でも、昼間からヘッドライトの点灯が法律で義務づけられていた。これは確かに効果が高い。

 最近はベンツ車は、昼間から点灯して走行している。

 また対向車がいない場合は、こまめに遠目のライトを活用して、自分の存在を主張して走るべきである。

 暴走族に不思議と事故が少ない。これはあからさまな自己顕示をした派手な運転をするため。相手も恐ろしいので避けてしまう。だがその実際は、彼らが安全を確認してから、「信号無視」をしているからである。そのため事故が少ないと推定される。

 だから、「暴走族になって事故を減らそう?」はダメです。

 

 夜間の「発見されにくさ」では、車の正面からの視認率を100とすると、後面のそれは10くらいに落ちる。

 車の側面からは車のヘッドライトは殆ど見えないため、その視認率は1くらいと推定される。だからこそ、右折で、脇道からメイン道路に進入する場合には、細心の注意が求められる。

 私が貰われ事故を起こしたのも、このケースです。また私が交通違反反則金を2回も払う羽目になったのも、「パトカー」を発見できなかった夜間でした・・・。これからも夜間の運転自粛が望まれる。

 

2022-05-14  久志能幾研究所通信 2384号  小田泰仙

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