嫁姑戦争の終焉
10年程前、馬場恵峰先生が明徳塾で話された講話を、百メートル巻物に集約して書かれた。それを2016年に『馬場恵峰書「百尺巻頭書作選集」』として出版した。その一部を紹介する。
人間の性は、修身で磨くしかない。人は動物として生まれ、人間になるように育てられるが、犬畜生の根性のまま老いる人もいるようだ。人間とは、人と人の間でよい関係を取り持つことが出来る人のことだ。これを守れば嫁姑戦争など起こらないのだが。
嫁姑戦争では、人間関係の衝突である。利己から出た嫌味弾の撃ちあいである。要は人間にしかない智慧が腐敗して、犬畜生の性にまで劣化した結果である。特に日本人であれば、花鳥風月を楽しむ余裕があれば、そんな醜い性は智慧でオブラートに包むことが出来る。欧米ならキリスト教の説く愛でそれを守るはずである。
それが出来ない人は、動物で生まれて人間になるように育てられたが、精神が成長できず、野獣のまま生きているのだ。人間も自然界の一部である。それを人間関係だけで全うするから、地獄絵となる。自然界はそんな狭い世界ではなく、広い世界である。嫁姑問題など小さな事象である。花鳥風月を楽しむ余裕があれば戦争など起こらない。
嫁に対する姑の心得
1 世代を考えて家風を押し付けないようにしよう
2 若い夫婦を信頼して見守りましょう
3 嫁の意見を尊重し理解ききわけましょう
4 家族団欒の時を作ってあげましょう
5 若夫婦だけの時間を考えてやりましょう
6 託された孫の育て方を研究し協力しましょう
7 講演会、研修会に進んで嫁をだしましょう
8 どんな事でも尋ねられたら親切に教えましょう
9 嫁の悪口はやめましょう 南の得にもならなぬもの
10 信頼され尊敬される姑として世代を見つめて行きましょう
喜は美也。怒は醜也。哀は苦也。楽は和也。
姑に対する嫁の心得十ヶ条
1 姑の言葉を善意に受け取りましょう
2 早く婚家の家風に合うように努力をしましょう
3 知ったかぶりはやめましょう
4 常に身を律し心に敬の一字を持続して行きましょう
5 婚家の御先祖・佛事・神事を学び大切に
6 婚家のいろいろの財産を大切にしよう
7 自分の生家自慢をよしましょう
8 嫁として常に姑の身体保安に気をくばりましょう
9 笑顔や愛語は嫁の大きな宝物大切に
10 親孝行の手本を子供達外皆に示範して行こう
『馬場恵峰書「百尺巻頭書作選集」』久志能幾研究所刊 2016年
馬場恵峰師 近影 2014年4月10日
2022-04-11 久志能幾研究所通信 2358号 小田泰仙
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