MAN有引力の法則
人間関係、仕事、趣味、遊び、娯楽等は、意識せず放っておくとどんどんと下劣な状態になってしまう。それはエントロピー変化の原則である。どんどんと無秩序な状態に堕ちていく。その方が自然で楽だからだ。万有引力(man有引力、漫遊引力)の法則で、下に落ちるのが宇宙根源の理だからだ。怠惰な人間にとって、その方が楽なのだ。
己の中は佛も住めば、鬼も住む。此の世は全てプラスマイナスの世界である。己の中には、「向上しよう」とする己と、「そんな辛気臭いことは止めとけ」と足を引っ張る鬼のようなもう一人の己がいる。
人には魂がある。その魂の本質は「鬼」である。その「鬼」が「云う」と書いて、「魂」である。本来、人は鬼なのだ。その鬼を「人に非ず」と書いて、「佛」である。人と超越した存在の「佛」になるために修行がある。
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聖人の要素だけでできた人間はいない。その鬼を抑え込んでこそ、人間である。それを抑え込む過程が修行である。内なる鬼を抑えられなければ、本能のままに生きる犬畜生と同じである。
学ばないと宿命的存在、つまり動物的、機械的存在に成り下がる
学ぶことで運命的存在、つまり人間的存在になる。
安岡正篤師
だから意識して、自分を高めるためには、自分より格の高い人と付き合うようにしないといけない。仕事でも自分を磨くため難度の高い仕事に挑戦しなければならぬ。趣味でも、自分を高めてくれる習い事に取り組み、動機付けが上がる道具を手に入れるようにせねば、老いて朽ちるだけだ。
朱に交われば赤くなる。だから孟母三遷の教えである。良き師、良き仲間と付き合いたい。師とか友とは薫習の教えの仲である。良き師や良き友と付き合えば、良き教えが薫習として自分に移ってくる。
趣味でバイオリンを演奏する人が、念願のストラディバリウスを手にいれた。それから付き合う人が劇的に変わったそうだ。そういうレベルの人が周りに集まりだしたという。ストラディバリウスは良き師と同じように、よき薫りを出しているようだ。良いものにはワケがある。
私もそれにあやかろうとヤマハCFXを入手しようと夢見ている。
人には「man有引力(万有引力)」かかっている。良い引力を与えてくれる人が師である。師の指導のいかんで、その動きには光から光へ、光から闇へ、闇から光へ、闇から闇へ、と4種類の姿があらわれる。
オウム真理教の教祖のように闇から闇に引きずり込む鬼もいるから、師の選択は最大の注意が必要だ。孟母三遷の教えを思い出そう。
ニュートンの第2運動法則で、力を加えないと、人生の行動は永遠に同じ速度で師や親の教えられた方向に動き続ける。人間という宇宙社会は人間関係の軋轢で、そのエネルギーが減少して、速度は落ち、下に落ちていく。だから自分でダイナモ(発電機)を回して、上に行くエネルギーを出さねばならぬ。だから努力をしないと、陰力の影響で地獄に引きずり込まれる。
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2022-03-14 久志能幾研究所通信 2332号 小田泰仙
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