般若心経を讃訳 英文・和文で読経して理解
般若心経の原文(スンクリット語)を漢文に翻訳したのが、現在の般若心経である。それよりも、サンスクリット語から英文に翻訳し、それを日本語に翻訳した方が、原文に近い意味が伝わる。それで読経すると、般若心経が体に染み込んでくるようだ。
最近、私は写経として、般若心経を音読し、英文で音読し、和文を音読し、それから写経をしている。今までちんぷんかんぷんであった般若心経がおぼろげながら分かってきた。写経するのは、一日2行である。馬場恵峰先生が、写経は一日2行で良い。それを続けることが大事だと言われた。毎日1枚の般若心経を写経すれば、1時間はかかる。それでは続かない。
結論
般若心経の結論、平家物語の結論、敦盛、アラブの真言は全て同じである。
般若心経の結論 「物質や精神は皆、実態がなく、空の状態である」。
平家物語 敦盛の最期
「おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」
織田信長の「敦盛の舞」
「人間五十年 化天の内をくらぶれば 夢幻のごとくなり 一度生をうけ 滅せぬもののあるべきか~」
千夜一夜物語の言葉
ある博士が、王様から万巻の書を調べて、人生とは何かを明らかにせよと命じられた。博士が30年かけて出した結論は、「人は生れ、老い、死んでいく」である。その言葉は、王様の死の床に届けられた。今でも50年前に読んだ「千夜一夜物語」で、強烈に記憶に残っている言葉である。
自分の解釈
人生は夢のような儚いもの。だからこそ一生懸命に夢を現実のものにしよう、である。
.
般若心経の要約
下記の3言語の「般若心経」の訳は、次の書を総括して作成した。まだ一部ぎこちない訳の箇所があり、日々更新している。
竹村日出夫著『般若心経は英語で読むとよくわかる』みやび出版、
山田無文老大師「しあわせへの道 羯諦写経」の和文、
菅原研州師の訳文 (https://sousei.gr.jp/8619/)、
馬場恵峰師書「般若心経和文書」
摩訶般若波羅蜜多心経
偉大なる智慧の完成についての心髄の経
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
When Avalokitesvara, the Bodhisattva of Compassion, was practiding the deep Prajanaparamita.
ずっと昔、観音様が深い叡智を完成するという「深般若波羅蜜多」を修行していた時、「物質や精神は皆、実態がなく、空の状態だ」ということを悟り、すべての苦しみから抜け出されました。
舍利子
Yo, Sariputra, Listen up!
舎利子よ、
色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
Form is nothing more than emptiness.
Emptiness is nothing more than form.
Form is exactly emptiness.
And emptiness is exactly form.
この世における物質は、実態のないもの(空)であり、空ということは、物質(色)以外にはあり得ない。すなわち物質は実態のないものであり、実体のないものが物質なのです。
受想行識亦復如是
The same is true of feeling, thought, will, and consciousness.
そして感受作用・表象作用・形成作用・識別作用といった精神もまた同じことである。
舍利子
Yo, Sariputra, Listen up!
舎利子よ、
是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
All things are empty.
Nothing is born, nothing dies.
Nothing is pure, nothing is inpure.
Nothing grows and nothing shrinks.
あらゆる存在は空を特質としているから、生じることも滅することもなく、汚れることも清まることもなく、増えることも減ることもない。
是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
So, in emptiness, there is no form. No feeling. No thought.
No will. No consciousness. No eyes, ears, nose, tongue, body, or mind.
No sights, sounds, smells, tastes, object of touch, or dharma.
是の故に、空の中には色も無なく、受も想も行も識も無く、眼、耳、鼻、舌、身、意もなく、色、声、香、味、触、法も無い。
無眼界 乃至無意識界
No realm of the eyes. Untill we come to no realm of consciousness.
眼界もなく、乃至、意識界も無い。
無無明 亦無無明尽
There is no ignorance. No extinction of ignorance.
無明も無く、亦無明の尽くることも無い。
乃至無老死 亦無老死尽
There is no aging and death. There is no suffering, no cause of suffering.
また老も死も無く、また老死の尽くることも無い。
無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故
No end to suffering, no path to the end of suffering,
There no wisdom, and attainment.
There is nothing to be attained.
苦も集も滅も道も無く、智も無く、亦得も無し、得る所無きを以ての故に。
これらの感覚器官の対象である形・音・香り・味・触れられるもの・心の対象の法も存在しない。
菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣礙
The Bodhisattvas rely on the Perfection of Wisdom.
And so with no delusions.
They feel no fear.
He leaves distorted dream-thinking far behind.
Ultimately Nirvarnal!
All the Buddhas, Past, present, future, attain anuttara-samyak-sambodhi, relying on prajnaparamita.
範疇としての眼から、意識にいたるまでの十八界もない。智慧が無い状態もなければ、智慧が無い状態も尽きることもない。
罣礙無きが故に恐怖有ること無く、一切の顛倒せる夢想を遠離して涅槃を究竟す。
三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提
Therefore know that the Perfection of Wisdom is;
A great Pritual mantra.
A great bright mantra.
A great supreme mantra.
An unequalled mantra.
It can remove all suffering.
三世の諸仏も般若波羅蜜多に依が故に、阿耨多羅三藐三菩提を得たまえり。
故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
得るところのものが何もないからこそ、菩薩は智慧の完成に依るのであり、心には妨げるものがなく、心に妨げるものがないからこそ、恐怖があることもない。
誤った考えや夢想を超越して、涅槃を究めるのである。また、過去・現在・未来の諸仏も、智慧の完成に依るからこそ、無上なる完全なさとりを得るのである。
究竟涅槃
It is genuine, no false.
だからこそ知るべきである。
故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰
This is why the Mantra of Prajanaparamita was spoken.
Say it like this:
般若波羅蜜多とは、大いなる真言であり、大いなる悟りの智慧の真言であり、この上ない真言であり、比べるものがないほど素晴らしい真言である。よく一切の苦悩を除き、それは実在であり、虚ろなものではない。
だからこそ、般若波羅蜜多を讃える真言を、ここで説こう。
羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
般若心経
Gone! Gone! Gone beyond! Gone completely beyond!
Awake! So it be it!
(Gate! Gate! Parasamagate! Bodhi! Svahal!)
End of The Heart Parajnaparamita Sutral!
往ける者よ、往ける者よ、彼岸に共に往ける者よ、悟りよ、幸いあれ。
ここに完全なる偉大なる智慧の心が完成する。
心髄の経
馬場恵峰書
2022-02-09 久志能幾研究所通信 2299号 小田泰仙
「久志能」↖ で検索
著作権の関係で、無断引用を禁止します。
コメント