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2022年1月31日 (月)

「リーダー候補の8つの目標」に違和感あり

 

 『Newsweek 2018.6.18号』での特集で「名門・ジョージタウン大学 世界のエリートが学ぶ”至高のリーダー論”」に目が引かれこの週刊誌を購入した。サブタイトルは「サム・ポトリッキオが説く勝ち残る指導者の条件」である。その表紙デザインに引かれて、つい衝動買いをしてしまった。 

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 しかし、内容を読んで落胆して書庫にしまい込んだ。先日、それを再度読み直して、改めて呆れた。これは西洋のリーダー養成論であるようだ。私が求めていた内容ではない。

 

 私は、世界のリーダーとはどういう教育をされるかと、この記事に飛びついたのだが、得るものがなかった。名門・ジョージタウン大学の名前と『Newsweek』の表紙デザインとキャッチコピーに騙されたわけだ。

 西洋の価値観では、この説は間違いではないが、最高のリーダー論ではないと思う。こういうリーダーが育つから、グローバル経済主義が蔓延し、貧富の格差の拡大、力による覇権、利己主義の拡大で世界経済が混乱しているとしか思えない。ここには、徳や人格などの話はない。指導力の話もない。

 世界のリーダー論などは百家争論で、多くの説があるだろうが、この「リーダー候補の8つの目標」が、その中で上位に来るとは思えない。これは下っ端のマネージャーの目標値である。これでは、世界は平和にならないと思う。リーダーとして、もっと大事なことがあるはずだと思う。

 

 

リーダー候補の8つの目標(サム・ポトリッキオ)

1 毎週、最低3冊の本を読む努力をすること。一冊は伝記もの。1冊は小説や詩など。

2 できるだけネットではなく紙に書かれた情報源を使う事。

3 スマホの使用時間を1日20分以下にする。。

4 旅行先として躊躇しがちな場所を1年に2か所訪問すること。

5 仕事上の人的ネットワークは150人規模を維持してみよう。

6 最低30人の知人を新しく出会った人に紹介し、知人たちの仕事が向上するアドバイスを与えてもらう。

7 6人のメンター(頼れる助言者)を持つこと。

8 起きている時間の10%を、苦手に感じる分野での知的活動に充てること。

               『Newsweek 2018.6.18号』より

 

  

問題点

 私はこの「リーダー候補の8つの目標」を見て、がっかりした。

 

 違和感を覚えたのは、サブタイトルの「サム・ポトリッキオが説く勝ち残る指導者の条件」である。勝ち残るとは、弱肉強食の世界の戦術である。まさに西洋式生存競争の世界である。結果として、1%のリーダーが幸せになり、99%の人が不幸になる社会のリーダの姿ではないのか。

 リーダーに必要とする心構えや志については記述がない。何のためにリーダになるのだ?、もない。りーダーとして何をやるのだ?、もない。小手先の手段だけの記述では納得出来ない。これは課長クラス、係長クラスの指導者養成のレベルである。西洋のエリートとして、金儲けに邁進するマネージャーの養成コースである。なんのためにリーダーとして働くかの?である。

 

私の指導者論

 私が、馬場恵峰師から明徳塾と松下幸之助経営塾で学んだ指導者論とは、世界が違うようだ。

 今回の記事で、東洋の指導者と西洋の指導者の違いが分かり、多少は勉強になった。

 

 リーダーが必要とされるのは、リーダーが世のためにチームをまとめて、大きな役立つ仕事をする。それが結果として自分にも良い結果となる。ジョージア大学のリーダー論は、自己だけの話に終わっているようだ。だから小手先の技術論で、そのため違和感を覚えたのだ。

 自分の中には108人の煩悩人が蠢いている。そのリーダーとして、その煩悩を抑えないと、価値観の違う組織の仲間など引っ張れないだろう。西洋のリーダー論には、そういう観点が欠如している。

   

2022-01-31  久志能幾研究所通信 2290号  小田泰仙

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