恵峰先生を偲ぶ会(4)夢見佛の借金地獄
同じ夢見る弟子佛 異床同夢
馬場恵峰先生は60歳(1988年)の時、私財を投じ日中友好親善と社会奉仕活動の一環として日中文化資料館を建設された。建設費用(1億円)は銀行からの借入で、350坪の敷地に、日中文化資料館と図書館が建てられた。
実家の家屋敷を担保に入れ、知人達に保証人になってもらい、多額の生命保険をかけての銀行からの借入れであった。
今ではそんなことは銀行が許してくれない。恵峰先生は良き時に良き決断をされた。
借金地獄
並みの人間には還暦の身で1億円の借金を背負うのは地獄である。生命保険料が高いとこぼされながら、再婚するなら相手は保険金目当てだろうとご夫婦で冗談を交わすユーモア精神で地獄を乗り越え、24年間の年月をかけて、御歳84歳(2010年)にその借金を完済された。完済時には、先生も若先生と手を取り合って感涙されたという。
弟子への影響
その影響を受けてか、2014年、延岡市の山崎さん(65歳)が自動車整備事業で1億円の投資で新しい特殊車両整備事業を宮崎市で立ち上げた。同じ2014年、盛岡市の齋藤明彦氏(64歳)も今の電線工事事業の1億円の新規投資として仙台市に進出して新事務所を立ち上げた。これは夢見佛の恵峰先生の後姿を見ての因果であろう。両氏とも、2006年以来、ずっと恵峰先生から薫陶を受け続けてきた社長達である。師の後姿は、弟子に大きな影響を与える。84歳の先生がやれたなら自分も負けてはいられないと。
利他の心
借金地獄でも、利己のためでなく世の為なら苦労が励みとなる。それが先生をして93歳まで現役のバリバリの書家として佛様が活躍させておられるのだろう。
「悪いことに使うのでなければ、金は何とかなるものだ」(トヨタ 大野耐一の言葉)恵峰先生は、その模範を示してくれた。
私はそれを信じて頑張っている。私には、「忍法踏み倒しの術」の奥の手のがある? それを信じて、大きな夢を見ている。この世で人間が起こしたことは、人間界で解決できる。私も今、1億円のプロジェクトを実行中である。だからおちおち死んでなんかいられない。夢なき人生は墓場の人生だ。老人よ、若人よ、大夢を抱け。夢が人生を創る。今からでも遅くない。死ぬまでが挑戦の人生だ。
日中文化資料館内に中国古代の石器も並ぶ。模造品だが、今はそれも手に入らないほど貴重品。
恵峰先生の後姿が大きい 2011年4月2日
図書館の2階 恵峰先生は84歳
水谷英二氏と齋藤明彦氏 衝立は千文字経。机の上は「奥の細道全集」
2011年4月2日
2021-05-20 久志能幾研究所 2025 小田泰仙
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