極楽運転道 雪上走行運転
寒冷地評価試験
担当した部署で開発する部品は四駆用の部品である。その部品の評価試験は、実車試験を北海道網走にて、農地を一時的に借りてテストコースを設営して、雪道走行試験をすることになる。
ここで実際の雪道を想定した極限試験を体験する。私はあくまで課長として、体験しただけであるが、人生で貴重な体験をする。実際の試験は課員が実施した。私が体験として試験車で雪のテストコースを運転した。その運転中、雪上で急ブレーキを踏むと、車は急にスピンをして全く制御が出来なくなる。滑りだすと2輪駆動でも4輪駆動でも関係ない。過剰な駆動力が駆動輪にかかり、車は横滑りをしてあらぬ方向に滑っていく。最後にテストコースの周囲に積んだ雪山に突っ込んで止まる。車が雪の中に埋まり、フロントガラスが雪で真っ白な状態となり、一瞬車内が暗くなる。身動きできないので、待機していたレッカー車に、雪山から引っ張って出してもらう。
人知を超えた世界
人生で、人智の及ばない力で流される状態を思い起こした。そういう場合は、無理してかけた力が無くなるのを待つしかない。そうなったのも自分が撒いた種である。なまじっか力んでも、無力である。沈むときは底まで沈めば、それ以下にはならない。人徳があれば、回りが助けてくれる。そんなことに思いをはせた寒冷地評価試験であった。これは希望をしても体験できない貴重な職務であった。
「死ぬるときは死ぬるが良き候」(良寛)
不運なときは、もがいても無駄である。
沈むときは底まで沈め。後は浮かび上がるだけ。
http://cdm.mking.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/007... 2013/04/01
HP「みんカラ」より引用
4WD(四輪駆動システム)
四輪駆動(四駆)とは、人生を走るうえでの象徴のようなシステムである。人生の道とは、いつも泥濘の道で舗装されてはいない。そこを走るのに普通の後ろだけの2輪駆動では、タイヤがぬかるみで滑るため空回りして前進できない。4つのタイヤに駆動力を配分して、初めて前進できる。
人生でも仕事でも、力を込めて走っても空回りする時もある。その時は、力を抜いて考えることも必要だ。その時を過ごすには、もう一つの能力を身につけ、持てる全ての力を2本の足に配分して、人生街道を慎重に歩むと、人生の道が開ける。そうすれば事故(不運)も減り、有意義な人生が送れる。
第二の人生道は、舗装もしていない泥濘の道なき道である。自分が走った後が道になる。定年後、テレビばかりをみて、出歩かず、人と会わなければ、人生はそこで終わってしまう。一本足の案山子では、何処へも行けない。
四輪駆動システム
「トヨタのHPより http://toyota.jp/hiace/005
2021-01-17 久志能幾研究所通信 1892 小田泰仙
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