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2020年11月19日 (木)

アイデアとは人生の時間を稼ぐため  磨墨知42

 

 われわれが薬を飲むのも、ただ単に病気だから飲むというけれども、もっと深刻に考えてみると、坊さんの手に渡るまでの時間を長くしようと思って飲んでいるだけだ。その薬は何かというと、アイデアである。人間の考えたアイデアを飲んでいるということだ。そのアイデアによって、われわれは時間を稼げるという確たる証拠が、ここに一つ出てきているわけだ。アイデアによって我々の生命を延ばしているのだ。アイデアによって時間を稼ぐことで、(それだけ余計に)仕事ができるのである。

 本田宗一郎談郎・他著『本田宗一郎の「人の心を買う術」』(プレジデント社1991)

 

 我々が病院に行くのは、死ぬまでの時間を伸ばすためである。しかしその医師が単なる対処療法の治療しかしないのでは、逆の結果となる。病気になった陰因を探り、根本治療をしないと、人生時間は稼げない。

 今の医学界は細分化され過ぎていて、木を見て森を見ない傾向がある。病巣は摘出し、病気は治りましたが、患者は死にました、が現代医学である。病気になった真因を考えなくて、アイデアも時間も生まれない。真因を探るのは、アイデアを生む基本である。

 

生きる目的

 なぜ人生時間を伸ばしたいのか。自分の与えられた使命を全うするためだ。病気を治す目的が曖昧だから、何も考えず対処療法に身を任せるのだ。患者が病気を真剣に考えないから、病気が治らない。医師の責任ではないのだ。

 使命を完璧に全うするには、多くの時間が必要だ。だから凡人の我々は健康管理をして長生きすべきだ。単に長く生き永らえているだけでは、生きている意味がない。それは、出港しても湾内をさ迷って浮かんでいるだけのボートの人生だ。人と生まれた以上、エンジン付きの大船として、湾を出て大海に向けて航海すべきだ。仏様は、我々に霊長類として大きな頭脳を与えてくれたのだ。その目的は、考えることだ。人生の生きる目的を考えることだ。

 痴呆的なTV番組に流され、酒を飲み、飽食を求め、ギャンブルに溺れ、女を漁り、魚釣りで他の生命をいたぶり、快楽に身を任せて生きても、人生に何の付加価値も生まない。だから現代は、定年後に認知症に罹る人が激増している。世の中に付加価値を与える仕事をしないと、生き甲斐が無くなるのだ。

 人間として生まれた以上、世のためになる事を創造しないと、生きる意味がない。我々は、犬猫ではないのだ。

 

2020-11-19  久志能幾研究所通信 1829  小田泰仙

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