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2020年10月28日 (水)

折衷案はとらない  磨墨知25

 

折衷案は2つの案より高くつき時間ロスを生む。

そのプロジェクトのクライテリアはなんですか?

その折衷案で当初の目的は達成するのですか?

 

九州新幹線

 例えば新幹線建設での目的は、最短時間で目的地に到達する線路を引くこと。そのために山があれば、迂回するのではなく、トンネルを掘ってでも真っ直ぐに線路を引くのが御正道である。その目的が曖昧だと、折衷案や妥協で迂回路を計画する愚を犯す。

 九州新幹線で、長崎ルートの建設で問題となったのが、在来線の狭軌と新幹線の広軌兼用の車輪幅変更の装置を開発したことだ。狭軌、広軌の併用を目指したが、結局、その開発が頓挫して、長崎線開通に余分の時間を要した。

 私が長崎大村市の馬場恵峰師宅に行くのに、今でも博多駅から在来線特急つばめで、諫早駅まで単線の鉄路を走る。その道中の途中で、上りのつばめとすれ違う為、単線のため5分ほど、待機をしなければならぬ。今の時代、情けない話だ。

 新しい道を走るには、新しい道を創って走るべきだ。新しい道には新しい世界が生まれる。

 

障子の向こうの世界

 豊田佐吉翁は「障子を拓けてみよ、世界は広いぞ。」と息子の豊田章一郎に語った。豊田章一郎は繊維産業の世界から、新しい自動車産業の世界に走った。その障子を開けて新しい道を創ったから、今のトヨタがある。

 

 「道」とは、古代中国で、城砦に囲まれた城から、外に出る時、生首をぶら下げて歩いた。古代人は城の外は魑魅魍魎の世界と恐れていた。それで異国人の首を切り、その首を魔除けとしてぶらさげて、恐る恐る歩いたという。その歩いた跡が、道となった。それが象形文字「道」の起源である。シンニュウは十字路を表す。「首」は人間の首である。

 

残り時間

 目的達成の為、障害があれば山をよじ登り、壁に穴を開けて壁をブチ壊さないと、妥協の人生となってしまう。妥協の人生は、回り道の人生だ。やるべきことが完成しない。人生は時間が勝負なのだ。

 若い新入社員でも、定年まで40年間しかない。平均寿命80歳から言っても後60年も生きられない。還暦をはるか昔に過ぎた己も、後何年生かされるのか、保証の限りではない。サラリーマンなら、コロナ騒動で、明日からリストラされるかもしれない。明日、病魔が襲い、心筋梗塞で倒れるやも知れぬ。

 

金は死の前では無力

 10月25日に死去されたサムソンの総帥李健煕でさえ、72歳の時、急性心筋梗塞で倒れ、6年間も意識不明でベッドに横たわった。韓国一の大金持ちで数兆円の金があっても、病魔の前では無力である。彼は78歳が享年であるが、実質的に72歳で人生を終えた。残ったのは遺族の財産争いの醜態だけである。

 だから、我々貧乏人(?)は、折衷案の悠長なことはしていられない。だから私は、身辺整理をして死に物狂い(?)で健康管理に没頭している。

 貧すれば貪す。貧すれば鈍す、ではない。時間は何時も赤字である。人は時間貧乏なのだから、貪欲に時間を管理せよ。健康を管理せよ。病気こそ、人生最大の寄り道である。

 

2020-10-27 久志能幾研究所通信 1803  小田泰仙

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