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2020年9月24日 (木)

自分を追い詰める 愛は意地悪  磨墨知370.

 

 人間はぬくぬくしているとろくな事は考えない。自分を客観的に眺めて、表面的な己には春風を持って接し、内なる自分は寒風に晒して決断せよ。

 往々に凡人は、その逆をするから人生で失敗する。大抵の人間は、表面的な己にも大甘だし、内なる己にも大甘である。誰でも自分を溺愛している。だから日記も禁酒も禁煙も浮気もダイエットも三日坊主である。死を覚悟して構えないから、大甘の人間が自分を追い詰めるなど、できるはずがない。それを「愛の法則(Iの法則)」という。

 

愛の葛藤方程式(Iの法則)

 I=E÷R 

 (中学の物理で習った電流の法則。愛は意地悪と覚えた)

 自己愛(I)は電流と同じように、エネルギー(E)を抵抗勢力(R)で割る値である。分母の抵抗勢力への力を増せば、自己愛は小さくできる。

 愛の葛藤のエネルギーに対して、自分はどれだけの抵抗力を持っているかである。力とカネの無い者は、不倫の愛に手を出してはいけない。それは物理の法則である。

 愛は人を盲目にするから、その「理」が分からなくなる。愛は静かに温めるべきだが、それでは燃える恋にはならない。どうしたらよかんべえ。

 

もう一人の人間

 何故なら、自分の中に、もう一人の人間がいて、ある決断を引き止めているからだ。それはまるでスポーツカーで、最大馬力を出そうと左足でアクセルを最大限に踏みこんでいるのに、右足でブレーキをしっかり踏んでいるような愚かな姿である。それが人間の性がなせる行動である。その性は、今まで50年間かけて形成されえたカチンカチンの固定観念である。

 

変わりたくても変われない原因

 人は一日に20回の小さな決断をする。人は13歳ころまでに、約7.3万回の決断形成訓練がなされて、脳の97%が完成し、個人の性格が形成される。それから30年も経ち、50歳の人なら50年間で、20回×365日×50年=365,000回も、その決断が毎日繰り返されて、カチンカチンに強固になった固定観念が形成されている。そういう「訓練」を無意識にしてきた。

 例えば、自分が優柔不断な性格というなら、50年間、優柔不断な決断を、日常生活の決断に於いて36.5万回もしてきたのだ。例えば、昼食にソバかウドンかの選択でも、優柔不断でなかなか決められなかったはずだ。もし夢の中でハーレムや後宮に行くとしても、A女かB女かの選択で迷ってしまうだろう。私なら迷わない。両方選んでしまう(?)。だから50男になって、優柔不断にならないほうがおかしい。

 だから一度くらい思いついた考えで、おいそれと人は変わらない。変えられない。思いついた考えは氷山の一角で、その下にある固定観念に人間は支配されている。

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崖から翔べ!

 真剣に自己改革をしたいなら、固定観念で己を命令するもう一人の自分を振り切り、自分を断崖絶壁に追い詰めて、もう一人の自分を崖下に突き落とさねば、変わらない。自分は38兆個の細胞からなる体の支配者として、覚悟を示さねばならぬ。それでこそ、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、である。

 私は癌になり余命宣告されたので、死んだ気になって、何でもできる。崖から翔べたのだ!(嘘です(笑)。それで変われれば苦労はない)

 

「真」の意味

 変わるために「真剣に」とは、自分の生首をかけることだ。「真」とは、人間の胴体から首を取った形を表した象形文字である。その昔、戦争で敵を打ち取って、その数を数える時、首のない胴体を数えた。それが「真」の象形文字の起源である。

 

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アイデア創造

 龍は追い詰められると真珠の玉の様な汗をかく。それが時間の創造の結晶である。

 アイデアも締め切りを設け、自分を追い詰めないと出てこない。だから漫画家や流行作家は、編集者からホテルに缶詰めにされて、やっと原稿の締め切りが守れる。会社の仕事でも納期があり、上司から責められるから、やっと納期を守るのだ。人間とはそんな弱い存在である。

 仕事でアイデアが必用なら、とにかくアイデアを最低100個出すことを自分に課し、紙に書き出すことだ。ただし真珠のようなアイデアは101個目にしか出てこない。

 エジソンも電球のフィラメントの発明で、9999個のアイデアを考え、実験を繰り返し、失敗を繰り替えして、10,000個目のアイデアで成功した。エジソンは天才ではなく、汗の人なのだ。凡人の我々は、それ以上の努力が必要だ。

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 馬場恵峰書「佐藤一斎「言志四録」五十一選訓集」久志能幾研究所刊

 

2020-09-22 久志能幾研究所通信 1760  小田泰仙

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