私のHDバックアップ、人生のバックアップ
私は毎月、パソコンの6テラ分のデータをバックアップしている。写真やビデオデータが増えて、その容量が急増して閉口である。その昔はフロッピーディスクやMOで済んでいたのが嘘のようである。
今のバックアップの手法を紹介する。
バックアップ機器
私はパソコンの4テラと2テラのハードディスクを3セット用意して、毎月、3ヶ月をワンサイクルとしてバックアップとしている。毎月、月末にパソコン内の全データをバックアップする。
今、入手できるのが最大で4テラのハードディスクだから、4テラと2テラのハードディスクを1セットとして使っている。
3重だから、ハードディスクの使用頻度が1/3になるので、問題がないが、一応、ハードディスクの電源オンオフ回数、累計の使用時間は管理している。ハードディスクの寿命に関係するのが、電源オンオフ回数で、それが3年分を過ぎると危ない。
家のパソコンは、ハードディスクの保護のため、朝電源を入れて、夜しか切らない。省エネとして、一日に何回も電源をオンオフしては、ハードディスクの故障の原因となる。
3重のバックアップサイクル
翌月、3か月前にバックアップしたハードディスクをフォーマットして、それに当月分のバックアップ分を書き込みする。
翌月も同じパターンでバックアップする。
これを3ヶ月のサイクルで繰り返す。
時折、月の途中で、ディスクトップのデータをバックアップする。
これで過去3ヶ月分のバックアップが準備できる。
ハードディスクは常時は電源を入れず、3ヶ月ごとに電源を入れて、稼働である。常時電源を入れておくよりも安全だと思う。あまり長い間、電源を入れないのも、ハードディスクにはよくない。
生あるものは必ず死
これは今まで、私のパソコンのハードディスクがクラッシュして何回も泣いたことから生まれた智慧である。ハードディスクは壊れて当たりまえ。それを前提にバックアップをしている。
データをブルーレイディスクに保存すればよいが、6テラもあると、物理的にも、時間的にも無理である。そのバックアップには、50Gのブルーレイディスクが120枚もいる。その記録時間も膨大である。またディスク代が高価である。パソコンのハードディスクのバックアップは、ハードディスクへのバックアップが再利用ができて一番効率的である。
あえて自動ではバックアップはしない。手動である。月一回のことだから、不要なデータを消すことを兼ねて、手動でバックアップである。
友情バックアップ
もう一つのバックアップとして、イベントや宴会等で写真を撮った場合、その写真データをCDに納めて知人に進呈している。そうすれば、当方のデータが消えても、知人の家にそのデータが残っている。安全である。きちんと保管してくれるような高品質の写真を送るようにしている。
私の引継ぎ
会社の異動で職場を変わる場合でも、私は引継ぎにあまり時間をかけない。日頃、仕事の中身は全て書類で残しているし、日頃、部下にその資料を見せているので、その時になって、慌てて引き継ぐ必要もない。これも日ごろの仕事のバックアップと同じである。
後継者育成の責任
リンカーンは、人は40歳を越えたら自分の顔に責任を持たねばならないと言った。私流に解釈すれば、このことは自分だけでなく部下に対しても教育の責任があることを意味している。人はあるレベルに到達すると自分の持つ情報を後継者に正しく伝授する責任が発生する。それがバックアップである。そうなれば、いつ死んでも、何時異動があってもよい。人事異動とは、パソコンのクラッシュと同じである。
自分のしてきた事を、いつか人に伝えれなかったら、何もしてこなかったと同じである。
アー ウ ィン ・シュ レジ ンガー *2
どんなことでも教育を受けたことは他に伝授して初めてその行為が完結する。設計でも事務 、現場等でも自分のやってきたことを部下がそれ以上にこなしてくれて初めて彼への教育及びその業務が完成したと言える。
今の科学技術が過去の技術の蓄積の積み重ねである以上、教育はその上台となる。そういう意味で後に続く人をゼロか らスター トさせてはならない。これが会社の組織 及 び技術の継続、発展には不可欠である。
自分の生データをバックアップ?
自分が死んだら、今まで蓄えた智慧が消滅する。体のDNAは新らしく生まれてくる子供が受け継ぐが、その脳みそ内は再生できない。その智慧を文書に残すのが、唯一のバックアップ手段である。完全ではないが、これしかない。だから私はその体験や知恵を書類に残している。
前職の会社では、自分のノウハウを文書にして遺してきた。それは設計要領書、規格、論文、報告書、再発防止書等である。だから今の私のブログは遺言である。
バックアップとは危機管理である。自分の後継者を作るのも、バックアップであり、危機管理である。
書いたものだけだよ、後の残るのは 馬場恵峰師の口癖
2020-08-03 久志能幾研究所通信 1687 小田泰仙
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