ご恩返しの響きは、人生交響楽団の調べ
受けたご恩は、直接は返しにくいものだ。例えば先輩から赤ちょうちんに連れて行かれてご馳走になっても、お返しは「なし」である。それは自分の部下に奢ってあげればよい。それがご恩の響きあいである。
先輩から人生の指導を受ければ、それを後輩に伝えればよい。その受けた御恩を、自分の後輩に返していく。そうやって代々先輩の苦労話を受け継がれていく。それが御恩返しのハーモニーである。
最大のご恩は親から受けた恩である。
親孝行 したいときには 親はなし
師から受けた教えの御恩を返そうとしても、その時、師はこの世にいないことが多いもの。だからその教えは、後進に伝えればよい。
私は多くの師から、大きな教えを頂いたので、このブログで、その内容を書いてその恩返しをしている。
知りたることを人に教えざるは、借金をして金を返さざるが如し。
福沢諭吉翁
私の趣味は、写真である。宴会や会合の時、その写真を撮りまくっている。それを皆さんに、お礼の気持ちで提供している。
先年、高校の同窓会があり、仲間が宴会の風景を写真に撮っていた。その後、その写真を納めたCDが皆さんに送られてきた。お金を払おう必要もなく、会費からその費用は出ていたようだ。写真を提供して頂いて写真係に感謝である。よき想い出の写真となった。記憶は日々薄れていくが、写真が残っていれば、記憶が鮮明になる。
ご恩返し連綿の断絶
先年、50年ぶりの中学の同窓会が開催されて、私は写真係を黙って担当した。その時撮った写真を整理して、82枚のデータをCDに納めて同窓会幹事に託した。私はてっきり、幹事から皆さんへCDのコピー配布があると思っていた。ところが、その写真データを、幹事達だけで、プロジェクターに写して、楽しんでオシマイであった。
私は高校同窓会の写真CDの恩返しとして、中学同窓会のCDを提供したのだ。それが使われずにお蔵入りとなってしまった。私は怒りである。
20人近くいる幹事の誰も、その写真CDをメンバーに配ろうとする発想がなかったことに愕然とした。聞けば幹事同士で醜い主導権争いをしていたという。そんな利己的なレベルの幹事が開催する同窓会では、二度と参加したくはない。受けた恩を忘れては、犬畜生に劣る。
2020-08-03 久志能幾研究所通信 1688 小田泰仙
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