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2020年7月15日 (水)

親が詐欺師に騙される事件の真因

 最近、老人が詐欺師に騙される事件が頻発してる。時に1985年、豊田商事事件が起こり、全国で2000億円の被害が出た事件があった。その会長の永田一雄が報道陣の目の前で刺殺された。衝撃の事件であった。今でも、品を変え手を変えてその種の詐欺事件が頻発している。

 

真因

 皆さんも、その被害者が自分の親だとして、家族として、何故そうなったかの真の原因を考えて欲しい。騙されたのは表面的な事象である。

 真の原因は、騙された老人が寂しかったため、それに詐欺師に付け込まれた、である。騙されても、親身に話を聞いてくれたというだけで、老人は幸せであったのだ。

 老いた親の子供なら、親として自分の子供に「おばあちゃん、大丈夫?」「お変わりはないですか」と言うように躾がなければなるまい。それがないと、老親は情けないと怒るものだ。その不満がつり積もって、息子には財産をやりたくないと思うようにもなる。詐欺師が付け込むスキを与えるのだ。

 だれがそう追い込んだのか。家族として考えてみるべきだ。被害者の老人を責めても、無意味である。お互い不幸になるだけだ。肉親の憎しみは普通より激しくなる。地獄の争いになるだけだ。

 どんな理不尽なことがあっても、子供にとって親は大事な人なのだ。そう思って接しないと、憎しみだけが増長する。親は無償の愛を子供に注いでくれていた。世界の何処にもいない大事な人である。老いた親の幸せを考えるのが子供の責務である。

 

私の母

 私も厳しい母が煙たくて、就職は三河の企業にして大垣の母の元から逃げ出した。それでも1週間に一度は、刈谷から大垣の実家に帰って顔を見せていた。

 30年前、母が倒れて大垣市民病院に入院した。私は休日以外に、平日の日は週に2,3回は仕事が終わってから大垣市民病院に顔を見るために通った。深夜の走行で片道80キロ、2時間、往復で4時間の距離である。病院に見舞いに行っても、脳梗塞で倒れた意識にない母の顔を見るのは辛いことだ。

 それでも母は私には大事な人なので、車を飛ばして頻繁に通った。制限速度40キロの堤防上の道を120キロで飛ばすのだ。堤防の上の道だから見通しが良く、信号がないから飛ばせた。取り締まりが強化された現在なら則、捕まって免停や免許取り消しである。もう30年も前のことだから時効として白状する。

202007122   今は取り締まりが厳しい 中日新聞 2020年7月12日

この世の地獄

 時に俺は何をやっているのか、このまま少しハンドルを切って橋のコンクリートの壁に激突すれば、死んで楽になれるのにと思ったことが、何回もあった。地獄はあの世にはない。今の現実に負けるのが地獄なのだ。しかし、母を看護している父を思うとそれもできなかった。

 結局、母は8月初旬に入院して、すぐ意識がなくなり、半年後の12月初旬に眠るように息を引き取った。父が泣いた姿を見たのは初めてであった。母が死んだのに、泣けない己が情けなかった。

 30年経って、当時、意識のない母は分からなかったかもしれないが、母を思って刈谷から大垣まで車を飛ばして見舞いに行って良かったと思う。そうでないと、今頃後悔しているだろう。

 今、親が健在で、その面倒を見ている友を見ると羨ましい。親がいるだけで、どれだけ幸せかは、親が死んでやっとわかることだ。親が死んだ後では遅いのだ。

 

Img_64111s   馬場恵峰書 2006年

2020-07-15 久志能幾研究所通信 1666 小田泰仙

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