« ブルーエンジェルズの初来日、天使の激怒 | メイン | 悪魔の死亡サイクル(脂肪サイクル) »

2020年6月13日 (土)

ブルーエンジェルズ、窓際族にされ悔し涙

 1971年10月、国際航空宇宙ショー(会期1週間)に米海軍のブルーエンジェルズが曲技飛行を披露するため、名古屋空港(小牧)にやってきた。

 ブルーエンジェルズは、国際航空宇宙ショーでの展示飛行を行うため、前日、その練習飛行をした。しかしF-4はジェットエンジンが双発で、出力が大きく、それが4機で編隊を組み、超低空を舞い、エンジン出力を最大にしてアクロバット飛行すると、轟音と振動で近隣住民から「窓ガラスが割れた」「屋根瓦がずれた」などの苦情が同基地に殺到した。そのため、翌日の曲技飛行は中止となり、大人しい展示飛行が1回のみとなった。

 

左遷

 「国際航空宇宙ショー」事務局の当初の計画では、ブルーエンジェルズの展示飛行が最大の見せ場になるはずであった。それが肝心の曲技飛行が中止となり、単なる編隊飛行の披露だけになった。少し演技飛行をしたが、騒音防止で高度を取り、エンジン出力を上げない大人しい飛行であった。前日に迫力ある練習飛行を見た私には、拍子抜けする演技飛行であった。まるで仕事の鬼が窓際族になったようなものであった。

 

抗議表示

 その飛行も着陸ギアを出しての飛行である。戦闘機が着陸ギアを出すとは、相手に対して降伏の意思表示を意味する。この一連の飛行写真を整理していて、50年経って初めてこのことに気がついた。ブルーエンジェルズは、この行動で、自分達の抗議を精いっぱいの抗議をしていたのだと。

 

天の人事、左遷人事

 ブルーエンジェルズのクルーたちは、ファントムの狭いコクピット内で拘束されて(酒も飲めず、寝られず)、長時間かけて太平洋を横断して日本に来た。日本の観客のため、命を賭けて、持てる技量を最大に発揮して、事前演技練習をしたら、それが小牧の地では問題になった。ブルーエンジェルズには、全く落ち度がない。

 ブルーエンジェルズは、航空宇宙ショーの華々しい主役の座から窓際族に追いやられた。世界最高の技術を持つと自負する彼らには、最大の屈辱である。日本の事務局は彼らに恥をかかせたのだ。

 

地の人事

 まるで自分の会社生活での人事を鏡でみているようだ。会社のため、全力で仕事に取り組んだら、それが一部の人間のご機嫌を損じ、告げ口をされて閑職に飛ばされた。自分としては、正しいことをした。役員会で承認されプジェクトを別に対象に適用したら、私の行動に不満を持つ輩がそれを告げ口した。それと同じである。

 ブルーエンジェルズの隊員達は「日本になんかもう二度と来ねぇよ!」と言い残して、日本を去った。その心情がよく理解できる。

 世界最高の技量を持つ彼らでも、全く落ち度がなくても、そういう不遇を受けることが人間社会の葛藤だと分かると、自分が受けた理不尽な人事など、長い人生では不思議でない事件だ。最近、そう達観できるようになった。

 

三流会社の人事

 会社での人事は、所詮、好き嫌いだけのことである。役員は、自分の大学の後輩が可愛いのだ。どうしてもその後輩を依怙贔屓する。そういう人事が横行すると、会社は傾いていく。それで前職の会社は市場から消えた。

 日産、東芝、東電、三菱自動車、JR西日本、松下電器、ソニー等そういう会社が、東大出の社長を筆頭に日本社会に跋扈していたが、ある日、不祥事が露見して栄光の座から消えた。

 当時、私の職場でエリートとして依怙贔屓を受けた輩は、ひいきしてくれた役員がいなくなり、閑職に飛ばされた。彼も近いうちにその職場で定年を迎えるようだ。もう一人は、大学に逃げて帰った。

 会社の人事という些少な事には気を止めず、自分は自分の信じた道を歩めばよいのだ。

 天網恢恢疎にして漏らさず

 天之機緘不測  (菜根譚)、

  天が人間に与える運命のからくりは、人知では到底はかり知れない。

 

 以下は、ブルーエンジェルズが正式の演技飛行を撮影した写真である。編隊飛行のみの大人しい飛行であった。

 その翌日は雨であった。ブルーエンジェルズが流した悔し涙のような雨であった。

 

00060001s

00060003s

00060004s

00060005s

00060006s

00060007s  1971年11月1日撮影  Canon PEPLLIX  FL200mmF3.5

.

雨の中のブルーエンジェルズ

00060032s

00060033s

00060036s   1971年11月2日撮影  Canon PEPLLIX  FL200mmF3.5

  

2020-06-13 久志能幾研究所通信 1630 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

コメント

コメントを投稿