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2019年11月17日 (日)

ムダという佛様(阿無陀佛)

 人生で一見ムダと思われる修行が、自分を佛に成長させてくれる。人生に無駄はない。無理・無駄・無用のものに成長の糧がある。その糧を消化する道が佛道である。佛道をならうというは、己をならうなり(道元禅師『正法眼蔵』)

  注)「阿無陀佛」の「阿」は親しみを込めて呼ぶ時にその名につける接頭語

 

無理の道

 無理をして佛様に頭を叩かれるから、理にあわないことをしてはダメと気がつく。無理をしない限り出会えない佛様である。無理をせず無為に人生を過ごすと、どの佛様にも出会えない。最期に、地獄道に立つ認知症と言う鬼に取り付かれる。

 無理をして、その時は無理が通っても、10年後に佛様がその咎に利子を付けて請求書を突きつける。それが病気であり不運であり事故である。無理をせず、正道を道理に従い精進してこそ人の道である。急がば回れである。

 

食の無駄の効用

 食生活においても、無駄のない高カロリーの練り物にした宇宙食やビタミン剤だけを食べていれば、偏った体に成長する。低栄養の野菜やノーカロリーのこんにゃく等の繊維質を含む食物を摂取しないと排便が滞り便秘となる。これが長年続くと大腸がんになる。

 精製して雑物が混じっていない砂糖や白米等を食べれば、病気やガンになりやすい。それには穀物にとって必要なもので、人間にとって無駄と思うものが排除されている。生命体に無駄なものはない。その無駄と思われる成分が、人間の健康には不可欠なのだ。

 無駄と思われる果物の皮の部分に抗菌作用、抗がん作用の要素が含まれる。それを剥いて捨て、果実の部分だけを食べるから、病気になる。

 

エリートという選別品

 仕事の世界でもエリートのように、下積みを経験せず、選別された仕事だけを与えられて、超特急の出世コースに乗った人は、偏った労働感が身につき、後年にその咎を受ける。仕事の基本を学べない為である。そんな姫がナッツリーターン事件(韓国、2014年)のような不祥事を起こす。エリート教育を受け苦労をしないで成人した輩が、うつ病になり、新興宗教に嵌り、地下鉄サリン事件を起こす。

 世の中の掟を知らずに過ごした元エリートが、老人ホームで「私の上席はどこですか」と妄言を吐く。それが原因で時には刃傷沙汰となる。

 

「エリートおぼちゃま」から被害を受けた

 私の前職の職場でも、T大学、H大学の大学院を出たばかりの若造が「エリート」と呼ばれて、ちやほやされた。そのため上司である私(当時は主任)は冷や飯を食わされた。学歴重視の役員が、その二人の若造をちやほやし、会社の金で、大学に出向させ、博士号までとらせた。しかし、その数年後、その一人は、処遇が気に入らないと、退社して大学に戻ってしまった。もう一人は、目をかけた役員が力を無くすと冷遇され、そのあげく鬱病になってしまった。その10年後、学閥重視の役員が跋扈していた会社は、同業他社に吸収合併されて、市場から名前が消えた。

 

小川敏の場合

 小川敏は、下済みのサラリーマン生活に堪えられず(推定)、僅か6年で伊藤忠商事を退社して、大垣で家業を継いだ。何を悲しくて、東大を出て超一流企業の伊藤忠に入社したのに、それを僅か6年で退社して、超零細企業の家業を継がねばならなかったのか。今でもその家業の経営は別の人がやっているので、伊藤忠商事を辞める必要がなかったはずだ。当時、超零細企業の家業は、今も超零細である。小川敏はなぜ、家業を発展させられなかったのか。小川敏は、地方都市では東大出というブランドが希少価値なので、担がれて大垣市長になった。

 それで市長になっても、やることなすこと、大垣市民の意識と経済の正道とは乖離した政策を摂った。その18年後の結果が、大垣の没落である。小川敏は、学校のペーパーテストだけの知識偏重の社会では、優秀だが、実社会では無能なのだ。それを市長になるから、大垣が没落した。政治家は結果が総てである。

 この失われた20年間といわれた平成時代、欧米諸国や近隣諸国が発達している中、日本だけが、経済停滞であるのと同じ現象である。今までの知識偏重・学歴偏重のリーダがのさばっているのが、その背景である。小川敏が本物の優秀で智慧ある人間なら、大垣を発展させていたはずだ。家業を発展させたはずだ。衰退した大垣の目の前の現実が総てである。

 

泣いている大垣市民

 大垣の没落で、多くの大垣の商店主が泣いて店を畳んだ。大垣経済が衰退して、多くの人が泣いている。両親が汗水垂らして手に入れた不動産の価値が暴落した。子供のための思い、汗水たらした親が草葉の陰で泣いている。子供たちは、県下最低のエアコン設備率(2.1%)で泣いている。児童生徒は一人当たりの予算費用で、県下最低レベルの環境に置かれて泣いている。こんな環境では、将来の出世競争に負けて、将来は大泣きするのだ。大垣の子供は、小川敏のせいで格差社会の底辺に追いやられて泣くのだ。子供にかける教育費と、将来の年収は比例する。それでいて、大垣市役所職員の給与は県下一の高さなのだ。市職員は市民の貧乏を笑っている。

 

四天王の教え

 人生曼荼羅入り口の中門に立つ四天王は「もっと広い視野、高い見地でものを見よ、もっと法を聞け、黙って国・地域を支えよ。もっと智慧を出せ」と諭している。衆生の愚かさは1200年前から変わっていない。

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  松本明慶先生作 広目天 高野山中門

  2015年10月8日 撮影

 

2019-11-16 久志能幾研究所通信 No.1400  小田泰仙

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