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2019年7月27日 (土)

人生高速道路を走る(2/3)体重計で経済速度を測る大垣市

リーダの責務と遺産

 自分の人生は自分で責任を取ればよい。しかし組織のリーダの決断が、組織のメンバーの多くに影響を与える場合は、リーダとして身を修め人格を上げなければ、組織が死んでしまう。組織は、リーダの人格以上には成長しない。

 その人格レベルは、リーダの言動や組織が作る計画書を見れば、一目瞭然である。大垣市の経済状況は、地価を見ればすぐ分かる。

 

大垣活性化の足を引っ張る大垣罪界

 大垣市は、大垣市民が人生目的地に早く行くために、市街地活性化をもくろんだ。その「大垣市中心市街地活性化基本計画」(平成27年12月作成、平成29年11月改定)に大垣経済の速度を計る指標として、「中心市街地の休日の歩行者・自転車通行量」という愚劣な指標を使った。まるで体重計で、車の速度を測るようなものだ。本来、その指標は大垣駅前商店街の総売上高か地価であるべきだ。

P0

  「大垣市中心市街地活性化基本計画」表紙

P58

  「大垣市中心市街地活性化基本計画」p58

P69

  「大垣市中心市街地活性化基本計画」p69

 

 それに対して大垣財界の田口義隆会長(大垣商工会議所副会頭)は、「大垣中心市街地活性化協議会による意見書」(p135)で、小川敏市長に媚びを売るが如く、素晴らしいと絶賛する。これは猿芝居である。大垣財界がこんな見解では、大垣中心市街地が活性化するはずがない。ふんどし姿で汗を流した西濃運輸の創業者・田口利八氏が草葉の陰で泣いている。

 大垣経済の状況を計る一番的確な指標は、大垣市の地価の変動である。それが分からなければ大垣の行政・経済の面で、経営者の資格はない。

P135

  「大垣市中心市街地活性化基本計画」p135

 

 「大垣中心市街地活性化基本計画」を作った真の目的は、ベルサイユ宮殿のような大垣新市庁舎を建設するためのこじ付けの言いわけ書である。大垣市はこの18年間で地価が半分になり、経済的に没落した。この新市庁舎は大垣市には身分不相応で贅沢すぎる。岐阜市の新市庁舎よりも5割も贅沢である。

 だからこの計画書に基づいて、大垣市駅前に駅前ビルやマンション建設で整備しても、その後、大垣市の地価は、今まで通り下落し続けている。大垣市中心街を活性化できるはずもない絵に描いた餅の計画書だからだ。現実の市場が正しい。それは神の声。大垣市長の施策が間違っている。

 

「大垣市中心市街地活性化基本計画」の目的

 この計画書の最初に「新市庁舎建設の建て替えに当たり、・・・(中略)・・・、新市庁舎、奥の細道結びの地へと続く中心市街地の回遊性はにぎわい創出に務めるため、・・・・   」を謳っている。そのついでに、2番目の記載で、駅の周りの再開発事業の説明である。この計画書作成の目的は、その文章構成を見れば一目瞭然である。新市庁舎の建設を最初に記述しているから、新市庁舎の建設の言い訳が第一目的で、駅前商店街の活性化は二の次なのだ。そのとどめが、田口義隆会長が市の選定した指標に対しての賞賛である。やらせの典型的なスタイルである。これでは大垣市の地価の下落が止まるはずはない。

2001年より小川敏氏が大垣市長就任

        大垣市地価平均    前年比

2001年[平成13年]   12万4222円/m2   -7.98%  下落

2002年[平成14年]   10万8425円/m2   -10.10%  下落

2003年[平成15年]   9万6470円/m2    -9.65%   下落

2004年[平成16年]   8万3482円/m2    -8.56%   下落

2005年[平成17年]   7万3836円/m2    -7.04%   下落

2006年[平成18年]   7万2277円/m2    -4.20%   下落 

2007年[平成19年]   6万8535円/m2    -1.85%   下落

2008年[平成20年]   6万9942円/m2    -0.16%   下落

2009年[平成21年]   7万1687円/m2    -1.40%   下落

2010年[平成22年]   6万7237円/m2    -2.82%  下落

2011年[平成23年]   6万5702円/m2    -2.36%   下落

2012年[平成24年]   6万3941円/m2    -2.41%   下落

2013年[平成25年]   6万3216円/m2    -2.13%   下落

2014年[平成26年]   6万1898円/m2    -1.31%   下落

2015年[平成27年]   6万1495円/m2    -0.78%   下落

2016年[平成28年]   6万0585円/m2    -0.57%  下落

2017年[平成29年]   6万0692円/m2    -0.50%   下落

2018年[平成30年]   6万1540円/m2    -0.39%   下落

 大垣市の公示地価・基準地価マップ・坪単価 - 土地代データより 

 https://tochidai.info/gifu/ogaki/   

 

2019-07-27   久志能幾研究所通信No.1273  小田泰仙

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