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2019年4月20日 (土)

抗がん剤TS-1の臨床データに疑惑

 私がガンになり、2月12日の手術後、転移予防の標準治療として、抗がん剤治療を勧められた。私はその事前調査をして、抗がん剤の副作用を知り、4月10日、抗がん剤治療の拒否を医師に話した。薬物医師と喧嘩別れである。

 薬物科の医師から、手術後の抗がん剤投与でガンの再発リスクが10%減ると説明された。2019年4月10日、抗がん剤治療を始める前に、抗がん剤治療での臨床データを見せて欲しいと申し出たら「それは出せない」と言われて、腰を抜かした。なぜガン協会が認めている公開データが見せられないのか。それでデータの信憑性に疑問を感じて実態調査を始めた。

 統計計算の基礎も工学的思考もない医師が、製薬会社の信頼性に欠ける薬物説明書を信じて、ガン患者に「劇薬」の抗がん剤を投与する。その裏の姿を発見して、怖しくなった。

 その臨床データは、大鵬薬品からネットで公開されていた。医師が「それは出せない」と言われたのに、である。人の命に関する事項なのにと、怒りが出て、医学業界の姿勢に疑問が湧いてきた。

 

検証

 抗がん剤TS-1の効用の検証を、製薬会社(大鵬薬品工業株式会社)の公開データに基づき、①論文の論理性、②統計学上の検証、③医師の信頼性、④製薬会社の信頼性、⑤製薬会社の姿勢 から検証する。

下記は大鵬薬品工業株式会社が公開している抗がん剤TS-1の説明書である。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4229101D1025_1_09/

添付資料:ティーエスワン配合カプセルT20t20org.pdfをダウンロード

 

検討結果

 検証した結果から、抗がん剤TS-1の臨床データに信頼性がなく、投与されると逆に危険である。私は抗がん剤TS-1の治療を拒否して正しかったと断定した。

 

詳細検討内容

①    報告者の論理性なしのレベル

 こんなレベルの報告書を出せば、前職の会社なら書き直し、実験やり直しを命じられる。自動車産業のテストは、薬品以上に人の命に影響し、リコール問題に直結している。死亡事故でも起きれば、多大の賠償金、リコールで会社の倒産の危機にも直結する。医療事故では、病室内のことなので闇に葬られることが多い。その扱いが、自動車産業とは隔絶された世界なのだ。

 抗がん剤治療の効果が10%しかないのでは、他の要因が影響しすぎるのではないか。誤差要因が大きく、他の要因ですぐに10%くらいは変わってしまう。CT検査如何で、10%くらいはガン発がん率が上がる。せめて効果が20%は上がらないと抗がん剤を使う理由がない。

②   製薬会社のデータ処理の出鱈目さ

 ステージ2とステージ3では、5年後生存率が、82.9%と53%と格段に条件が違う。それを大鵬薬品は、二つのステージを混ぜて統計計算している。これではデータの信頼性が全くなくなる。つまり母集団のデータの扱い方次第で、いくらでもごまかせるのだ。またどんな母集団なのかの説明は全くない。患者が他病院行って死んでも、そのデータは母集団から除くのが業界の掟だそうだ。

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 上記データには、死亡例数があるが、死亡原因は記載がない。通常、抗がん剤治療では、免疫力低下で、ガンそのものではなく、感染症でなくなる場合が80%である。このグラフはそれがぼやかしてある。抗がん剤による死亡原因には触れていない。

 

2剤使用の危険性

 2剤の抗がん剤使用では、死亡率が7倍~10倍に上がると米国の研究で結果が出ている。なぜ、日本のガン学会はこれを認めないのか。

 1985年に米国議会で「抗がん剤治療は効果なし」と証言されているが、なぜ日本ガン学会は無視をするの。「データの公表が出来ない」とは、データの信憑性がないと断言できる。

 

③     医師の信頼性

医師の知識レベル

 関西の商工会議所が主催した米国医療関係の視察ツアーに参加した知人の話しである。見学した私立病院のメイヨー・クリニック(USニューズ&ワールド・レポート誌の「全米の優れた病院」2018-2019年版では、メイヨー・クリニックは1位にランク。世界最大のデータベースを持つという)では、その病院に勤務するには、2つ以上が学部の卒業でないと、就職できないと副院長が説明されたという。つまり医学部だけの経験ではダメで、工学部や経済学部等の経歴がいるという。

 日本の医師は、医学部だけの勉強で、統計の知識は高校の確率の勉強以上にはしていない。私みたいに自動車工場で多量なデータを扱う統計の勉強をした者と比べると、医者の統計に関する知識は、受験勉強だけで高校生並みなのだ。私は会社で、大量生産の自動車工場ラインでのトラブルを解決するため、統計手法を活用して、問題を解決してきた。また私は、中堅社員に対して、品質管理講座(統計、実験計画法)で講師として教えていた。

 その眼で見ると、大鵬薬品の抗がん剤臨床データは、くさい匂いがプンプンである。

 

嫌がらせと脅しと公開拒否

 予約の2019年4月10日10時30分に薬物科の受付に行き、抗がん剤治療の断りを言って待っていたが、後から来る人が先にドンドン先生に呼ばれて診察室に入るが、私は2時間も待たされて午前の最後の最後に回された。それは嫌がらせ以外の何物でもない。

 その診察で、延々と標準治療について説明され、何度も抗がん剤拒否の撤回を聞かれたという。日本ガン学会の推奨治療で、抗がん剤の数千の事例で、10%の延命効果があると説明されるので、その学会の臨床統計データを見せて欲しいと申し出たら、「それは見せられない」と拒否されたので、腰を抜かした。学会で公認しているデータがなぜ見せられない? いっぺんに医師への信頼を無くした。

 

④     製薬会社の信頼性

 知人の社長に、20才年下の従弟がおられる。大学で薬学のDrをとり、某大手薬品メーカで開発部に勤務されている。同期はDrばかりで 400人もいるとか。彼らは、何をするか? 繰り返しの実験要員だそうです。上司からは「理屈はいらんから実験せよ」と指示される・・・なんて話を 10年くらい前に聞きいたということである。

 薬の認可には、4週間でガンが小さくなる効果があれば、認められるとのこと。5週間目にガンが大きくなってもかまわないそうだ。

 医師も製薬メーカも物理現象、自然現象に立ち戻り、原理原則まで考える医師は少ない。それに対して、技術者は、常に原理原則まで立ち戻り、実験結果を検証する。トヨタでは何故、何故を5回繰り返して、真因を探る。その姿勢が、医師と製薬会社の欠けているようだ。

 

論文のデータねつ造が横行

 日本のガン学会の論文はデータねつ造が多くて、海外の学会では受け付けてもらえないという噂がある。それで納得した。ガン患者が死にそうになると退院させ、その母数から削除する。病院で死なれては困るのだ。

 私の父も胃がんに罹り、手術後、肝臓に転移をして、その抗がん剤治療を拒否すると、大垣市民病院から強制退院させられて、別の民間病院で亡くなった。

 直らなかった患者は、母数からどんどん省いて生存率を計算する。つまり、なかったことにするという。そういうごまかしが横行しているとの噂である。すべて、医療機関の儲け確保と製薬会社の抗がん剤の売上向上のためである。

 

医療関係者の思考パターン

 医療関係者・製薬関係者には、物理現象まで戻って考える力がない人が多い。その人は「とりあえず」で構造を考える。で「とりあえず」で仕組みをつくり、実験する。「たまたま、うまく動いてる」状態でも「ばっちり」と思い、そのまま仕組みを製造・発売する。ユーザが増えると、臨床データが増えるのと同じで「私の考え・仕組みは 正しかったのだ」と思いこむ。これを Know-Howと勘違いする。そうやって抗がん剤が開発されているようだ。

 

⑤     製薬会社の姿勢 

抗がん剤TS-1投与の注意文は下記の警告文で記載されている。

警告

  1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  2. 本剤は従来の経口フルオロウラシル系薬剤とは投与制限毒性(Dose Limiting Toxicity、DLT)が骨髄抑制という点で異なり(「副作用」の項参照)、特に臨床検査値に十分注意する必要がある。頻回に臨床検査を実施すること。
  3. 劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、肝障害の早期発見に努めること。肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し、黄疸(眼球黄染)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 他のフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、これらの薬剤との併用療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法等)、あるいは抗真菌剤フルシトシンとの併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと(「相互作用」の項参照)。
  5. 本剤使用にあたっては添付文書を熟読し、用法・用量を厳守して投与すること。

 

 以上は、劇薬で危険性があるので、投与の際には注意しなさい。患者の同意を得て用よせよ、である。私はそんな警告の説明は受けなかった。この「緊急時」とは死亡する危険があるとのことだ。この警告は「投与の責任は医者にある」と責任逃れの文章である。つまり、死にそうな人には投与しては駄目なのだ。患者が死んだら投与した医師の責任であると逃げている。何せ劇薬なのだ。死にそうでない元気な人にだけ投与せよ、である。大きな矛盾である。こんな恐ろしい文面の注意書きがないと患者に投与できない抗がん剤は、受けるべきではあるまい。これは、統計計算以前の倫理の問題をはらんでいる。

 

2019-04-20   久志能幾研究所 小田泰仙

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