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2019年4月29日 (月)

絵画ビジネスのからくりに泣く、60万円が3万円に

 癌を患い余命宣告されたので、終活の一環として、集めた絵画の後始末を始めた。今回、所有の絵を処分しようとして、愕然とした。それで現代美術界の絵画ビジネスのからくりを思い知らされた。

 当時、新鋭画伯の絵は、人気が沸騰していた。日展で特選入選を果たしていた。東京日本橋の三越本店で個展が開催された。三越本店で個展が開催されれば、画家として大出世である。

 

 

処分価格に愕然

 2011年5月13日、私はその会場でその画家の絵を10号60万円で買った。他にも大垣の百貨店で3枚の絵を買って、合計4枚で200万円ほどの支払いである。

 今回、資金繰りに困り、これを処分しようとして、絵画ビジネスの裏を思い知らされた。購入価格60万円だから、せめて20万円程で引き取ってくれるかと甘い期待をしたが、業者は、これは東京の絵画交換会でしか売れないので、一枚3万円程だ」という。つまり60万円が3万円に化けてしまう。差額は画廊とデパートが「食べて」しまった。ばからしくなり、処分を諦め、何処に寄付することを考えている。

 デパートも催し場の場所代、減価償却、宣伝経費、店員の給与等を考えると、販売価格の35~40%を取らないと採算が合わない。画廊も売れ残りを考えれば、40%くらいは取るだろう。だから画家には20%くらいしか渡らない。

 だから画家の手取りが販売価格60万円の絵で12万円だから、売る時に3万円は妥当かもしれない。それが現代美術界の常識なのだ。

 

画家も儲からない

 輝かしい経歴の画家でも、こんな低落である。儲かるのは、画廊やデパートだけである。絵を描いた本人にも、販売価格の2割程度しか渡らない。日展等に出展する場合は、50号、100号等の大きさでにないと展覧会では映えない。その展示作品は、買ってもらえないと、画家が自宅で保管せねばならず、その経費が大変だ。普通の人が、50号、100号の絵を家に飾るわけにはいかない。だから大きな絵は美術館以外には売れない。画家もその絵が売れないので儲からない。しかし名を売るためには、日展等の展覧会には出さねばなぬ。画家は、描いても売れない絵の保管の為だけで、マンションの一室を借りているという。家賃の経費が馬鹿にならないという。

 

儲かるのはマスターピース

 絵画の値上がりで儲けようとするのは、日本の絵画ビジネスを知らない痴れ者である。儲けたかったら、西洋の昔の絵のマスターピースと言われる絵画を入手すること。これは絶対に値下がりせず、値上がりする。財産として、価値がある。ただし、最低でも1億円以上の絵の場合である。またその昔の西洋の絵が、日本間に合うとは限らない。つまり1億円以下の絵は、鑑賞の消耗品で、財産価値ゼロである。

 

絵の価値

 絵は所有して家で飾って楽しむために買えばよい。それが飽きたら売ればよい。しかし、その時点で、買った価格と売る価格の差に泣きを見る。そもそも芸術で儲けようとする根性が、間違っている。絵は所有して、飾って楽しむものだ。絵を買うのなら、それと心中するつもりで買わないと泣きを見る。

 

 

2019-04-29   久志能幾研究所通信 小田泰仙

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