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2019年3月 8日 (金)

グローバル経済主義狂の牙

 現在はグローバル経済競争という宗教が、世界中で猛威を振るい、従来の価値観を破壊しつつある。特に世界の大企業は、この宗教に帰依しないと生き残れないとして、この「宗教活動」の布教に邁進している。この宗教が国家の時間を食いつぶしている。次のステージは暴動、国家崩壊である。国民が不幸になるために働く社会が正常であろうか。大垣市も市長の悪政のせいで、グローバル経済主義狂の病に冒されている。

 

貧富の差の拡大

 行き過ぎたグローバル経済競争の結果が、一部の特権階級が99パーセントの富を独占し、貧富の差を拡大し、年功序列の価値観を破壊し、国民の多くを不幸にしている。成果主義の過度な増長である。ゴーン元社長のように年収10億円の社長がいる一方で、生活保護者が216万5000人いる。これは、100人に2人の貧困者割合であり、何かおかしい。それでいて、ゴーンのように保釈金10億円を平気で払える身分の人種がいる。

 

生活保護者の増加

 日本の生活保護受給者は約216万5000人で、高齢者世帯がおよそ半数を占めてる。生活保護費負担金は3兆8431億円で、国が75%を負担し、自治体が25%を負担している。(2014年9月現在、厚生労働省)

 実に国の予算の3%が生活保護に向けられる。国の政策が根本的におかしい証拠である。国の政策は、日本人全体を貧困家庭化するようだ。

 

国の「宗教」政策

 企業が海外進出をすることで国内の生産を減らし、結果として労働市場を縮小させ、非正規社員を増加させ(1,850万人 全体の36% 2013年)、フリータを増やし(178万人 2009年)、失業者を増やし、自殺者(年間3万人強)を増やしている。古い価値観が崩壊している。儲かっているのは特定の企業のみである。多くの人が不幸になる「宗教」とは正しいのだろうか。

 新興宗教でも教団が金持ちになり、信徒が貧乏になる構図を表している。

 

食の安全危機もグローバル経済主義が原因

 金儲けだかが最優先で、食の安全は二の次になる。これが日本のガン患者の増加になる。

 

大垣の文化の貧困化もグローバル経済主義狂が原因

 拝金主義なので、文化芸術活動への協賛金は儲けにならないと経費削減の目の敵にされ、最低限の金しか出さない。大垣財界が結託して、文化関係の寄付には横並びで雀の涙金しか寄付しない。これが大垣の文化を貧困化させる要因である。

大垣市への寄付は売名行為

 大垣市は、大企業の売名行為の寄付ばかりである。寄付をして小川敏市長とツーショット写真を岐阜新聞、中日新聞に掲載してもらえば、企業の宣伝となる。それには百万単位の金を出すが、金儲けにならない文化・芸術関係には殆ど金を出さない。出しても2万円である。それもグローバル経済主義狂の影響である。金儲けのためには、余分な経費は出すな、である。

 大垣市の大企業にとって、大垣市への寄付は宣伝広報費なのだ。小川敏市長に媚びを売って、政治的に便宜を図ってもらう為の経費なのだ。本来、市民税をやりくりして、大垣市の行政運営をしなければならないのに、小川敏市長は企業に寄付を強要し(そうとしか思えない)、己と寄付企業の宣伝を岐阜新聞、中日新聞に掲載してる。二つの新聞社もグルなのだ。その金が何処に消えたか、不明である。

 赤い羽根共同募金でも、小川敏市長が音頭をとり、金を集めているが、その金の2割は使途不明金である。寄付金として集めた金額の7%は、集めた団体にキャッシュバックされ、宴会費用や研修会という名目の温泉宿への大名旅行の費用に使われる。

 頻繁に、小川敏市長と寄付企業のツーショット写真が、岐阜新聞、中日新聞に掲載されれば、寄付は売名行為として子供たちにもそれが分かり、道徳が廃れる原因となる。本来、寄付は陰徳で、名前を出すのは厚かましい行為である。

 

グローバル経済主義という名の宗教

教祖   欧米の特権階級、各企業のトップ

御神体  拝金主義が求めるマネー

経典   グローバル経済主義と拝金主義という教義

      金儲けが最優先、勝者のルールを弱者に押し付け一人勝ち

      1%人が99%の富を独占するのが自然の法則という定め

      貧困層が激増するのも神の思し召し

      (経済学と科学が浸透すれば、貧困は無くなるはずだが?)

寺院   大企業、グローバル企業

信徒   大企業の経営者(中小零細企業は対象外)

異教徒  一般大衆

 

ジニ係数

 ジニ係数とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標である。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。係数の範囲は0から1で、係数の値が0に近いほど格差が少ない状態で、1に近いほど格差が大きい状態であることを意味する。ちなみに、0のときには完全な「平等」つまり皆同じ所得を得ている状態を示す。社会騒乱多発の警戒ラインは、0.4である。

 

ジニ係数  1975年  2015年

中国          0.61

ブラジル   0.57       0.61

アメリカ   0.32     0.43

イギリス       0.27     0.37

日本             0.25     0.35

フランス       0.29     0.33

ドイツ          0.27     0.30

デンマーク      0.25     0.25(2010年)

フィンランド   0.21    0.22(2010年)

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ローレンツ曲線

 もっとも平等な社会はジニ係数が0で右図の緑線で示される。不平等ほど下凸の曲線で、示される。完全不平等ではジニ係数が1の赤線で示される。この場合は99人が貧乏で、1人が富の99%を独占している状態を示す。

 アメリカではグローバル経済主義で拝金主義が横行して、貧富の差が急拡大している。中国ではジニ係数が0.612012年末)になり、暴動発生寸前の状況である。これも経済特区を作り、経済最優先で驀進して、中国特有の特権階級が富を独占しているからである。金持ちは益々金持ちに、貧乏人は益々貧乏になっていく。

 高福祉国家のデンマーク、フィンランドはジニ係数が低い。フランス、ドイツ、日本はまだ平均的なジニ係数の値である。

 20148月、米国・ミズーリ州で黒人青年の警察官による射殺事件をきっかけに抗議デモ、暴動や略奪行為が起こり、夜間外出禁止令も出る騒動になっている。この背景にはグローバル経済主義の行き過ぎがもたらす貧富の格差の拡大による貧困層の不満の爆発がある。世界最富裕の国で暴動、夜間外出禁止令である。世も末で、米国も中国を笑えない。

 

合成の誤謬

 「合成の誤謬」とは経済用語で、個々の場合には正しいが、全体となると正しくないことを意味する。グローバル経済主義は、個々の企業には都合が良いが、社会全体には不都合な結果をもたらす。

 

『命の器で創る夢の道』p106より

2019-03-08  久志能幾研究所 小田泰仙

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