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2019年3月 8日 (金)

命の末路 「幽霊友の会」からのお誘い

 命を大事にしたいなら、未来を切り開く生き方を続けること。「幽霊友の会」には入らないこと。最近、会社のOB会のお誘いがあり、K市での懇親会に参加をして後悔をした。そこで会った昔の仲間達が幽霊に見えたのである。OB会は「幽霊友の会」であった。

 

幽霊とは

 幽霊とは、足を地に付けず、手を下向きにして、後ろ髪を振り乱し、上目遣いで、うらめしやと囁く人たちである。遇った人の多くは年金生活で、特に日々やることもなく過ごしているという。そういう人は無精ひげを生やし、服装もだらしがない。目も精彩がない。まさに地に足がついていない生活である。後ろ髪を惹かれるがごとく過去の思い出を語り、仲間と酒の席で時間を潰す。前向きの明日の話はせず、病気や妻の愚痴、家庭菜園、ゴルフ、釣り、旅行の話しばかりに身を入れる。正に手を下に向けての身の上話しである。

 こういう病気になったとの話題に花が咲くが、病気は己が不節制で体を痛めて、体の部位が故障したに過ぎない。それを人ごとのように神仏のせいにして、うらめしや、とぼやく様は幽霊である。定年退職したはずなのに、未だに当時の職位のままに対人関係で酒の席を回っている。まだ後ろ髪を引かれている。

 

『現代の平家物語』を語る

OB会で、昔の仲間が足に地を付けない生活に堕ちて、過ぎ去りし恨み話や過去の肩書きで話に興じて、手を下向けて病気や妻への愚痴の未来なき話に興じる様は、幽霊の所業である。幽霊まで行かなくても、片足が棺桶に入っている。目の前にいる相手が幽霊と見えないのは、己が盲目の琵琶法師「耳なし芳一」のように、壇ノ浦に沈んだ平家武士の怨霊を前にして、昔話を弾き語っているのと同じである。『現代の平家物語』が、栄光と没落の会社物語として語られる。会社の寿命は30年である。未来への投資を怠った会社は、合併で消え幽霊となった。幽霊の仲間に取り囲まれ、過去の話に加わると、己にも幽霊の「気」が乗り移る。朱に交われば赤くなる。幽霊に交われば、陰気になる。あの世が近くなる。

自分の体中から「元気」と「未来」という陽気を発して、幽霊を追い払おう。掌を上に向けて、来る縁をプラスに受け止めて、前向きに生きる仲間と議論をしよう。そうすれば少しは長生きができる。

P10406492  平家物語歴史館(高松市)にて

 

50年ぶりの中学時代の同窓会

仏像彫刻美術館の館長さんが50年ぶりで、中学時代の同窓会に参加した。同期の約200名のうち、33名が既に鬼門に入っていた。残りの大半は、前記OB会の仲間のようにラフな格好で、話題も病気や家庭菜園、ゴルフ、釣り、旅行の話しばかりだという。残りの10%がまともな格好で、まともな話しをする仲間であった。人の真の評価は、60歳からと感じたという。

 笑い話として、館長さんが仏像彫刻美術館に勤めている話しが、仏壇屋の番頭をしているという話しに化けていて、それを打ち消す説明に四苦八苦したという。自分の世界に閉じこもり、仏像美術と言う世界を知らないし、理解しようともしない。広く知識を得ようとしない。まさに認知症の世界の入り口をさ迷っているようだという。60歳過ぎても仕事をしている幸せを感じたという。仕事をしていれば多くの人と出会える。仕事をしなければ惚けるの当然である。

 

会社の同期会

その後、私は同期会にも誘われた。同期なら意気が合うはずと参加したが、状況は前のОB会をあまり変らなった。みんな人の良い爺になっていて、病気や孫の話しばかりで、未来の話が全くないのだ。私みたいな現役は私を含めて3名しかいなかった。同期会の一人に、元役員がいたが、ふんぞり返っていて、会社をつぶした経営者の一人との認識が無いようで、一緒に話すに値しないと判断した。

 

幽霊にならない人はゾンビになる

 もっと恐ろしいのは生きたままゾンビになること。認知症になり、わが子も認識できなくなり、脳死同然の状態で、親の仮面を被って夜な夜な、ベッドから抜け出し徘徊するさまはゾンビである。精魂込めて介護しても、「お前はだれだ、俺をベッドに縛り付けてお前は鬼か」と罵られては、わが子は心身ともに疲労困憊である。手塩をかけて育てた子供から虐待をされ、家族からはゾンビと思われるのも、全て己の不摂生が招いた因果である。この世の地獄である。

 

 在宅介護する家族の80%がストレスを感じており、35.5%が憎しみさえ感じている。虐待したことがあるかの質問に、12.3%がイエスと答えている。重い認知症の場合、は26.9%がイエスと答えている。

   (調査は連合加盟の労働組合からの1381件の有効回答より 2014821日 産経ニュースより)

 

妖怪ばばあ

2014911日朝7時半ごろ、散歩の道中の喫茶店に寄ったら、老女4名が大声で吼えていた。曰く「薬を飲みテレビを見ていて寝てしまった。テレビが付けっ放し。そのため夜に寝むられず、睡眠薬を飲んだ」。静かな朝の喫茶店内でゾンビ行動である。歳はとってもボケたくはない。淑やかであったはずの日本女性も歳を取ると化け物になる。

 

次の川柳を笑える人は幸せである。そのうち、笑えなくなる日がやってくる。それが一日でも遅くなるように精進をしたいもの。

起きたけど寝るまで特に用もなし

Photo_2馬場恵峰先生書  2013214

 

 『命の器で創る夢の道』p233より

2019-03-07  久志能幾研究所 小田泰仙

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