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2019年1月30日 (水)

写経とのご縁

 2012年夏、恵峰先生が写経書を明徳塾で紹介された。先生のお弟子さんが仏壇のご先祖に供えるため依頼された写経書の写しである。私も自宅仏壇に供えるには良いなと思って手を出そうとしたら、それを手にして見ていたT代表が、その写経書を抱えたまま手放さなかった。明徳塾運営上の職権乱用ではないかと思ったが、口先の佛が鬼になる事例を見ることもよき勉強ではある。ああしてはいけないと教えてくれている。T代表はさすが教育関係会社の代表である。

 欲しいと決断しても、入手が出来ないときもある。それが人生である。それでも、ずっと思っていれば、何時かは何とかなるものと最近は達観できるようになった。これも歳の功かなと思う。

 恵峰先生に話したら別に書いて上げるとの事で、後日、手に入れることができた。

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写経の撮影

 その後、恵峰先生より中国で先生の書を出版するので、先生の書かれた軸の写真を撮って欲しいとのお話があり喜んでお受けした。丸順の今川順夫最高顧問からの写真集作成のご依頼のご縁も重なり、構えてカメラを新調した。当時、CCDがフルサイズの一眼レフのCANON 5DⅢで最高級品である。それを買えるのもご縁である。そうでないとこのカメラは買う気にもならなかった。なにせデカイし重たいし高価だし、持ち歩くには構えてしまう代物である。

 2014年12月10日、恵峰先生宅で約60本の経軸の写真撮影をした。福田琢磨氏に手伝って頂き、約6時間をかけて撮影をした。今回は構えて行ったので、不思議と失敗の写真は一枚も無かったのに驚いた。やはり高いものにはワケがある。それが後年の『馬場恵峰書 報恩道書写行集』の出版につながった。

 

絹本への写経

 次頁の軸は、馬場恵峰先生が書かかれた写経軸60本中でも圧巻の軸である。下地は絹のため、ゆっくり書いては墨が滲んでしまう。一定の速度で心を整えて書かなければならない。梵字もヘラのような筆で書くという。

 写経は一日に1行で良いからその意味を考えながら、書くと良いと恵峰先生は説かれる。写経とは人生を考えること。心静かに自分を見つめること。またそれがご先祖への一番の供養になるという。恵峰先生は今までに15,000字の経を書かれた。

 それを教えてもらったご縁で、2015年に自家のお墓を改建したおり、110枚ほどの為写経を毎朝、斎戒沐浴して書き上げ、お墓の納骨室に収めた。良き供養ができたと思う。

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2019-01-30 久志能幾研究所 小田泰仙

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