般若心経とは
般若心経とは、玄奘三蔵が万巻の経を集大成して276文字にまとめた経である。いわば人が生きていくためのエッセンスの言葉である。万巻の経典のトピックセンテンスを集めたと言える。玄奘三蔵が629年に国禁を犯してまでして陸路でインドに向かい、巡礼や仏教研究を行って、16年後の645年に経典657部や仏像などを持って帰還した。その苦難苦行で獲得した真理が般若心経に詰まっている。
苦集滅道とはPDCA
般若心経の中央にかかれた真髄の言葉が「苦集滅道」である。この世に「苦」があるが、それは苦しい思いをして母のお腹の中からこの世に生まれてきたからである。楽をして物事は生まれない。そして生きている間に、いつしか「苦」の因を「集」めてしまう。それを「滅」しようと、神社のお札を貼り、お布施をしたり、祈願しても「滅」しはしない。それではショートカットである。人生でやるべき修行は放棄すべきでない。
今まで安易な生活で、その「苦」の原因を「集」めてきたのなら、それを無くすには、正しい道(正八道)の修行をして、人が人になる訓練をすべきである。
苦が起きた原因を明確にしない限り、それが一時的に対処療法で解決しても、また再発する。人生で「苦」が起きるのは世の定めである。それは問題ではない。問題は、それの真因を突き止め、再発防止ができるかどうかである。そのためにトヨタ生産方式の「なぜ何故を5回繰り返せ」を実践すべきなのだ。
病気になる、火事に出会う、交通事故に逢う、すべてそれが起きた真因がある。それを明確にせずに、対処療法ですませるから、また不幸にであう。その真因を突き止め、それの再発防止をするのが、「道」である。その正しい道を歩む人は少ない。それは狭き道なのだ。
道を外れた人に教えを与えるには、「時間」を選び、「時(季節)」を選び、「国(場所))を選び、「順序」を選び指導せねばなるまい。
2019-01-31 久志能幾研究所 小田泰仙
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