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2019年1月20日 (日)

高い精神文化で世界をリードせよ

芸術は心の豊かさ、徳人の教養

 芸術の世界は儲からない。芸術は金がかかる。金を稼ぐなら、芸術の世界に入らないことだ。芸術につぎ込む情熱を、起業、経営、宗教狂祖の技につぎ込めば、誰でも成功する。ピアニストでも、毎日、8時間、10年間練習を続けないとモノにはならない。それだけの精力を別の面につぎ込めば、何でも成功できる。ところが芸術は、努力だけでは何ともならない面がある。好きでないとやれない世界である。

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河村義子先生も、音楽活動で、お金に苦労をされた。音楽活動は、音楽家の情熱以外に、スポンサーがなければ成り立たない。演奏会活動で、大垣市内の企業の多くに協賛金をお願いして、やっと音楽の活動を回していた。最近の企業経営の厳しさから、文化関係の寄付などの経費は、真っ先に削減の対象である。協賛してくれる金額面でも厳しいものがある。女性ピアニストなど女性の演奏家は、衣装にもお金がかかる。演奏会では、同じ服装はできないのです。

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コンサートで一人3000円のチケットでも、300人のホールに満席で、やっと売上90万円である。ドイツから3人の演奏家を呼べば、交通費・宿泊・日当で、軽く100万円はかかる。ホールの使用料、ピアノの利用料、練習の部屋の料金、通訳料、宣伝費、販売経費等を計算すると、演奏会ビジネスは赤字である。有志のボランティア活動で成り立っている。それを補うのは、企業のスポンサーや個人の寄付である。

 

芸術はスポンサーが必要

 その昔、私がヤマハジャズクラブでスタッフとして動いた時、ジャズコンサートがいかに儲からないかを実感した。ジャズコンサートで東京からジャズ演奏家4人を呼んでも、観客はせいぜい150名。チケット価格2500円で、総収入はせいぜい40万円程度。その中で、交通費、宿泊費、ホール使用料、打ち上げ費用等を賄わねばならぬ。4人のジャズ演奏家は2日間拘束されて、一回に10万円の金にもならない。これではジャズ演奏家の生活が大変だ。好きでないとやれない。ヤマハジャズクラブが運営できたのは、岡崎の内田病院の内田修先生のバックアップがあってできたこと。内田先生は、内田病院の病室を宿泊宿として提供、食事の提供もされてジャズメンバーをもてなした。だから内田先生は日本のジャズの父と呼ばれた。

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ルネッサンスの時代でも、メディチ家のように有力なスポンサーがいて、芸術家が活躍できた。それは現代でも変わらない。だから行政や企業が芸術を支援しないと、その都市の文化は育たない。

大垣市は、その点で、その支援が皆無に近い。芸術に理解ある市長に変わらないと、大垣市に文化は育たない。今の大垣市長ほど、芸術に理解のない市長もめずらしい。それでいてあさましい水饅頭の共食いのような下劣な行事には熱を上げる。

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子供たちに芸術を触れさせないと、拝金主義、成果主義に染まった人間が出来上がる。それでは日本の精神文化が崩壊する。それでは日本が未来に韓国中国の門下に下ることだ。日本は次の世代には、世界の精神文化のリーダーとして、世界に貢献せねばならない。それが日本の使命である。私はそれに貢献するための一灯になればと頑張っている。今のままでは死んでも死にきれない。

 

2019-01-20     久志能幾研究所 小田泰仙

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