磨墨知435-4. 成長しないと友を失う
私が定年になった時、長年の友も定年を迎え、時間ができて親交を深める時間が増えたが故、40年来の友と別れることになった。原因は相手と話が合わなくなったためである。以前は遠方でもあり、たまに会うだけの付き合いであったので問題が露見しなかった。しかし、定年後、近くに住み、長時間付き合うようになり、相手のレベルに違和感を覚える機会が増えた。人は年相応に成長する。それは人によって成長度合いが異なるのだが、そのギャップが大きくなりすぎると、会うのが辛くなる。友とは自分を成長させてくれる時間の塊である。その時間価値がずれると逆に重荷となる。
定年離婚
この事件で最近の熟年離婚問題に思いをはせてしまった。夫は仕事一筋にわき目もふらず定年を迎えた。交友関係も会社だけで、意外と狭い範囲である。その間、時間があり交友関係で見聞を広めてきて人間的に成長している妻から定年離婚を申し出られる事例が増えたという。その状況が理解できるような気がした。
有名大学の学部長までして、定年後、私大の学長に転籍された先生でも、定年後に自分の居場所がないとぼやかれた。定年で、家にいよとして気が付けば、家は今まで奥さんが、御主人の留守の時、自分の居場所を確保しており、先生は家での自分の居場所がないというぼやきである。
定年後の居場所
それはどの家庭でも起こりがちである。それでは、今まで自分の成長のための勉強時間が取れたのかと思うと、疑問である。学部長や学長は、研究ではなく、人事や諸般雑事で忙殺される。それで人間として成長があるのだろうか。学校の校長先生や警察署長が一番、認知症になりやすいという。気は遣うが、頭は使わないのだ。それでは、人間として成長していないのだろう。
成長しない咎
故渡部昇一師もその著書で、長年の友でも、使うお金で釣り合いが取れなくなると、付き合うのに障害となると書いている。一緒に食事をするにも、お店の格の選定で意見が微妙に相違して、ずれが生じて誘いづらくなったという。お金の使い方は、人間の成長が影として現われる。
政党も国民の意識の成長と共に歩まないと、2013年参議院選挙での社民党のように消える運命に押し流される。国も成長しないと衰退する。
人は年相応に、人格、教養、資産を高めないと、長年の友を失うことになる。長年、時間をかけて培った友という人生の資産を失いたくないもの。そのためには人並みに成長しなくてはならない。
時代の先行
万物は流転成長している。自分は成長しているだろうか? 時間は自分をどんどん追い抜いていく。成長が止まったとき、自分の時間も止まる。友が、妻が、会社が、時代が、自分に離縁状を突きつける。時代に自分が追い抜い抜かれると、下記のていらく…..
起きたけど 寝るまで特に 用もなし
人生経営は自転車操業。走り続けないと倒れてしまう。
2018-12-07 久志能幾研究所 小田泰仙
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