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2018年12月20日 (木)

出版案内2『金子みすゞ 詩の世界 55恵峰選集』

編集後記

 恵峰先生は力を込めて今まで、軸や色紙に金子みすゞの詩を揮毫してきた。当初、私はそれを横目で見ていただけであった。今回、馬場恵峰師は十mの巻物に金子みすゞの詩を揮毫された。私は、それを撮影、編集して、その過程で改めて金子みすゞの詩を読み直した。

 ここには、素直な心で事象を観察している観音様の目があった。それを金子みすゞは、観音菩薩の目になりきって詩にした。「大漁」で、陸で大漁の祭りをする中、海の底では多くの仲間の葬礼があるとは、佛様の目でしか言えない言葉である。「お魚さんは何も世話にならないし、いたずら一つしないのに、殺されて食べれるなんて可哀そう」も優しい心の表れだ。「私と小鳥と」で、「みんな違ってイイ」なんて、画一教育、競争社会に染まった人では、決して言えない言葉である。皆が同じであることがおかしいのだ。

 二宮尊徳翁夜話の冒頭の「香もなく音もなく天地は経を唱えけり」で感じたと同じ感触を金子みすゞの詩から得た。金子みすゞの詩は観音菩薩様の慈しみの声である。観音菩薩様は、だまって衆生の苦しみの声を観て、助けの手を差し伸べる。よき出会いに感謝。

           平成30年12月7日   小田 泰仙

Photo『金子みすゞ 詩の世界55恵峰選集』よりPhoto_2  大仏師松本明慶作 聖観音菩薩像

2018-12-20    久志能幾研究所 小田泰仙

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