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2018年10月17日 (水)

3つの干支猪を比較対照

 2018年10月12日、馬場恵峰先生宅からの帰路、大原野の松本工房を訪問した。そこで松本明慶先生から、特注の3つの干支の猪を見せてもらった。ある人からの依頼品という。なんでも現行の干支の猪の一刀彫の木彫りではなく、もっと手の込んだ木彫り猪を希望されたとか。

 新しいモノを創造するには、3つの試作品が必要だと、明慶先生はいう。2つ作ると、どちらかで優劣が決まる。もう1つ作ると、その2つの猪と新しい作品との比較ができて、さらに良い作り方の技法が創造できるという。それの良い方を取り入れて一つ目の作品を修正して作品を作ると、3つの作品を凌駕する今までにない作品を生み出せる、という。

 

母の供養

 以前から、今度、松本工房から猪の干支の作品が出たら購入しようと思っていた。それは母の生まれ歳の干支だから、母の供養として飾りたいと思っていた。父の干支である辰の一刀彫は入手済みである。

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 特製の干支の一刀彫(一刀彫ではないが)は、通常のものより数倍のお金を出せば、よい作品が手に入ることを教えてもらった。数倍の値段だが、手間はそれ以上にかかっている。一般には、採算が合わないので、売らないという。

 新しいものを創るのに三つの作品を作る。二つでは少ない。この手法は、より良き作品を作る手法として、いろんな開発にも応用できそうである。参考にさせていただくことにした。テクニカルライティングでの事例紹介では、3つは多い。一つでは少ない。2つの事例を出すのが定石である。創造の場合には別の価値観がある。

 

京都のもてなし

 その後、明慶先生自ら運転して、駅まで送っていただいた。松本明慶先生曰く、京都では出迎え3割、見送り7割で客人を歓迎するという。板長でも、お客が帰るときは、出向いて挨拶をするという。大原野の松本工房でも、客人が帰るときは、誰かが必ず、駅まで送るという。京都の風習のいい勉強になった。

 ただし、馬場恵峰先生や松本明慶先生の天才肌の芸術家は、運転が常人とは違い、少し粗いのが玉に傷である。私がトヨタの試験車運転資格を持っているから、余計に運転の粗が見えた。馬場恵峰先生は、今回92歳でスパッと車の運転をやめられた。安堵しました。

 

2018-10-17 久志能幾研究所 小田泰仙

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