大きな木は、中央部から腐る
2018年10月12日、大原野の松本工房を訪ねたとき、松本明慶先生が仕事場の奥の応接室の机の年輪を示されながら、教えてもらったこと。
大きな木は、年輪が緻密に刻まれている。そのため、大木の中央部の年輪部は、木に含まれる水分が外に出ずに留まるので、腐りやすい。明慶先生が長年、作品を作るために貯めていた大木の材料が、最近腐ってきて、大量に処分をせざるをえなかったという。だから大仏や、大きな仏像を作る場合は、本体の中央部はくりぬくのが定石である。大木のままでは、像彫刻はしないという。
組織の腐敗
それは組織でも同じである。中央部の奥の院に、トップとして長年居座ると、外の声が奥の院まで届かない。組織は中央部から腐る。東芝、東電、タカタ、三菱自動車、電通、の不祥事を見ればよくわかる。大垣行政は大丈夫なのか。
心の腐敗
自分の心の内部の秘め事を大事にしすぎて、保身でそのガードを何重にもするとると、それが意固地やこだわりとなって、悪い固定観念となる。それでは、素直になれず、人生を誤らせ、人生を腐らせる。己の心の内部を人に晒して、風通しを良くして人生を歩むのがよい。たかが己の小さな人生で、何を隠すのか。心を開けば、人は己の間違いを教えてくれる。人が援助してくれる。自分の世界に閉じこもっては、道は開けない。
松下幸之助翁の信念は「素直」である。それで、松下幸之助翁は町工場を世界の松下電器にした。
2018-10-16 久志能幾研究所 小田泰仙
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