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2018年6月13日 (水)

極楽運転道 1.車の安全対策(2/8)

(1) 無用のドライブ禁止 

 無用のドライブはしないこと。出かけるとつい、衝動的な飲食や、買い物が増える。浪費防止上、交通安全上、ダイエット上も良くない。車には、そんな「消費は美徳」という悪魔の囁きを実行させてくれる魔力がある。そんな時間があるなら、家で本でも読むこと。私は、そんな時間があったらエッセイを書いています。

 しかし情けないことに、私は最初の車を買った直後(1979年)にこの状態になり、かなりの散財をしてしまった。つくづくと、車は大人のおもちゃであることを認識した。頭でこれを理解しても、一度手に入れると手放せないのが情けない。

 当時は、パワステなし、パワーウィンドウもなし、1600ccのトヨタカリーナで、走り回っていた頃が懐かしい。まるで麻薬のようで、止めたくても、でもやめられない…….. 。お巡りさんに捕まってもやめられない。

 〔事故発生件数〕=〔走行時の事故率〕×〔走行距離〕 

  どんなに注意しても一定の距離を走ると、上記の式の確率で事故は発生する。その対策として、自分の運転技量を上げ、この事故率の数値を小さくするのと、走行距離を少なくして事故の確率を少なくすることが、交通事故防止の最善の手段である。絶対原則は、運転しなければ交通事故は発生しない。 

 

部下の事故例

 昔の課内の部下で、寮とスーパーマーケット間のわずか 300mの距離を、車で買い物に行っていた不精者がいた。後日その部下は、人身事故をおこした。安易な車への認識がこの事故の遠因だと、私は思う。

 その事故は、老人をはねた事故で、上司がその部下に命じて駅まで送らせたために起こった。ここは実に深い教訓を与えてくれた。人に送らせることは、その分だけ人に不幸の確率を増やすことだ。その行為は上司としての傲慢さのあらわれだ。なにせ部下は拒否することができない。

 

時間を稼ぐという発想を

 交通事故は宝くじと良く似ている。当たれば大きい。数千円の経費節約のため、遠距離出張に、電車よりも業務用車での出張を指示する職制がいるが、これは部下に対する配慮の欠如である。この宝くじ購入金額と同等の数千円で、「安全」と「時間」が買えるのであるから、そうしないのは宝くじの1等当選を期待しているのと同じである。また「時間を稼ぐ」という意識が欠如した思想である。電車で行けば、安全で、車中で書類も読めるし、疲れも少ない。送りだすほうの職制も、交通事故に関して安心していられる(まてよサリン事件に巻き込まれたら.....、新幹線内焼身自殺、新幹線内殺傷事件(2018年6月9日) を最近はヤヤッコシイ。僅かの金をケチッて、事故を起こす確率を高めるのは、貧乏人の根性です。こんな根性では小金持ちにはなれても、大金持ちにはなれません。また運転に疲れた頭・体で、ビジネスに赴いても成果は知れたもの。管理職の立場で見る時、この時間で本の数頁でも目を通してくれたら、部下の教育として節約以上の効果があると思う。なにせこの間には、電話はかかってこない。

 

不見識の管理職

 高浜市から(当時の勤務地)、浜松の某自動車メーカに出張する場合で試算すると、業務用車で行った方が2千円くらい安いが、時間が1~2時間くらい余分にかかる。私はこの試算をして電車で出張することにした。疲れ方の激減と、この間に作成できるワープロ作業や読書が魅力である。

 さらに大阪の某自動車メーカへの出張さえも、経費節減目的のため業務用車で行けと言う仲間の管理職がいるので、呆れて説得する気にもならない。

 

(2) 安全な経路の選択 

 時間的な経路より、安全な経路を選択することが事故を減らす。近道で通る生活道路等の道では、自転車、歩行者の飛び出しが多く事故の原因となる。多少時間がかかっても、大通りを通行するべきだ。生活道路の危険性は、人身事故率を比較すると、一般国道に比べてより2倍も高い。

 〔表1 道路別事故率〕は、1990年度の道路交通センサスから道路種別に走行台キロを推計し、道路種別ごとに1億台キロ当たりの平均事故率を算出した表。

 

        表8.2   道路別事故率*1 

                       一般国道  主要地方道 都道府県道 市町村道

  走行台キロ(億)   1,978     1,055        937      1,749

  死亡事故率        1.82       1.84        1.57       1.65

  人身事故率        82.6     100.7        82.2      170.0     

 (一般国道を100 として) (100)   (122)      (100)      (206)     

 

朝寝坊の事故

 国道等での、車対車の事故に比べて、対人身事故はその被害が人に一方的である。1980年頃に、課内の同僚が出勤時に人身事故を起こした。それは朝寝坊のため、焦っていて、近道した生活道路で自転車をはねた事故であった。その時に警察から、 

「朝のせわしない時には、生活道路などを通るものではない。自転車も焦っている」 

と指導されたのを、今も印象深く覚えている。だから多少時間がかかっても、大きな道を選んだ方が、人生トータルとしての節約になる。またこの事故は、当人のいつもぎりぎりまで寝ている、だらしない生活態度が事故の一因でもあった。「早起きは3文の徳(得?)」は車にも当てはまる。

 

交通事故例

 下記は私が散歩をしていたら遭遇した交通事故。老女の自転車を乗用車がぶつけた。この道は生活道路で、私は絶対に車では走らない道である。大通りに出るのに見通しが悪い。大垣市内は自転車が車に注意をせず、走り回っているので運転する身には恐ろしい。それはどこの街でも同じである。

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2013年11月12日 大垣市桐ケ崎町にて

 

社内安全会議で、つるし上げ懲罰

 車対車の事故に対して、車対人・車対自転車の人身事故の場合は、いくら人側に責任があっても、運転者への非難は免れないし、申し訳が立たない。さらにその勤める会社が自動車関連企業だと、部下が大きな事故を起こせば、管理職は社内的に極悪非道の悪者にされ、各種の対策会議で吊るし上げを食らうはめとなる。だからそこ生活道路の通行は控えるべきだ。金銭的損失よりも、この吊るし上げで、精神的に受けるダメージが計り知れない。車は直っても心の傷は癒されない。

     君子は危うきに近づかず、急がば回れを旨とする 

 

(3) 高速道路を使え 

 お金があれば、高速道路の利用が、人生のトータルとしてお得。次表のように、高速道路の人身事故率は一般道路のそれより1/8と低い。なにせ、事故の大きな割合を占める横からの車の飛び出し、人・自転車の飛び出しがなく、真っ直ぐ走る分には事故は起こりにくい。事故は変化点、曲がるときに起きる。

          表8.3   高速道路・一般路の事故率差*1 

          高速道路   国道   一般道路比倍率

 死亡事故率    0.8   1.7   2.1倍

  人身事故率    13    105   8.0倍

  物損事故率    90    430   4.7倍

         1990年度の1億台キロ当たりの平均事故率より

 

2018-06-13

久志能幾研究所 小田泰仙  HP: https://yukioodaii.wixsite.com/mysite

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