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2018年4月 4日 (水)

3-4.経営ビジョン

ネッツトヨタ南国の経営ビジョンとは、

 理念を追求する実行プロセス

  •  真のお客様サービスを創造・実践する  
  •  考える-発言する-行動する-反省するという参画のプロセスを重視し、従業員の成長と自己実現の機会を高める  
  •  お客様やビジネスパートナー、地域社会との発展的な関係構築から学習を重ね、独自性と主体性を発揮する。

 この3つの経営理念に基づき実行していくことにより、成長し続ける永続性のある組織を創る。

 

 経営ビジョンでは、「お客様と家族ぐるみの一生涯のお付き合い」をベースにしている。泣かせる殺し文句である。人は殺し文句で「オチル」。

 貴社は、顧客の何人を「殺せましたか」?

 

お客を殺す

 ところが金融機関によっては、お客を「殺す」ことで儲けているヤクザまがいの組織が存在する。私が定年退職して、地元に戻ったら、若い女性たちが寄り付いてきて困ったことがある。銀行の女性ファイナンシャルプランナーが、私の退職金を狙って、「大事な退職金の運用は、是非、当行に」である。

 敵が言うには、ブラジルとかオーストラリアの資源国の投資ファンドがお勧めですという。この種の投資ファンドは、銀行の手数料が高く、客が儲かるものではない。そこで私が、敵に言い返した言葉は、「もっと儲かる話があるが、聞きますか?」。相手が身を乗り出してきたところを「自分自身に投資をしなさい。それが、一番リターンが大きい。上から指示されたノルマの商品を売るだけの銀行マンを信用してはいけません」とトドメを刺して追い返した。

 2011年当時は、資源ファンドがもてはやされたが、その数年後、バブルがはじけて、その銀行レディを信じて投資をしていれば、殺されるところであった。客がファンドを買っても、銀行は手数料さえ入れば、顧客がどうなっても知ったことではない。そうやってお客が殺される。くわばらくわばら。

 

銀行は誰のため

 「銀行は、雨の日には傘を貸してくれず、晴れの日に傘を押し付ける」と巷で言われている噂は本当である。そんな商売をしていたから、現在は銀行の統廃合、AIでの人員整理等で嵐に巻き込まれている。いままでお客のことを真に考えていなかった咎である。銀行の経営は、ネッツトヨタ南国の経営とは対極にある。

 

ブラック企業のノルマ

 銀行の支店長になっても、死ぬほどのノルマが肩にのしかかる。上司から「支店長の代わりなどいくらでもいる。今月のノルマ達成のため死ぬまで働け」と脅されても何も反論できない銀行支店長である。支店長にも家族がある。それを思えば、上司に逆らうことなどできない環境である。その支店長も40代で支店長に昇格できなければ、社外に出されてしまう厳しい生存競争の世界である。華やかな銀行員という事務職で、手に職の無いサラリーマンは、出向先の中小企業の社長に気に入られなければ、路頭に迷う。

 銀行マンは何のためにその進路に進んだのか? 銀行マンを辞めた己が、どういう付加価値を社会とお客様に与えることが出来るか考えているのだろか。

 若い女性銀行員は、ファイナンシャルプランナーという名で、お客雅を殺して手数料を稼ぐ。支店長はノルマ未達成で頭取から殺される。華やかな銀行の世界の陰では、おどろおどろしい拝金畜生が蠢く。

 ネッツトヨタ南国の新入社員は、四国お遍路の研修の旅で仕事とは何かに開眼し、銀行マンはリストラされてから四国お遍路の旅に出て人生を悟る。どちらが幸せか?

 

技術者の使命感

 私も前職では、徹夜を強いられたことが数回ある。しかしそれは自分の開発した機械で問題が起き、それがお客様に迷惑をかけている。なんとか早く対処せねばという使命感での徹夜である。不幸と思ったことはない。上司から強制されたわけではない。その状況では鬱病にかかって悩んでいる暇はない。

 その意識で、徹夜をやっていたら、スウェーデンの現地マネージャーから、「You are crazy」と言われたが、それが技術者の誇りでもあったと思う。これは労働基準監督局の問題ではないのだ。ネッツトヨタ南国の働き方に相通じるものがあると思う。スウェーデンでは、機械は壊れて当たりまえ、の考えである。人間が大事なのだ。それなのに、たかが機械の故障で日本人が徹夜をするからクレイジーなのだ。同じように人を大事にするのが、ネッツトヨタ南国の経営である。

 

2018-04-04

久志能幾研究所 小田泰仙  e-mail :  yukio.oda.ii@go4.enjoy.ne.jp

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